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英語嫌いなのに英語で仕事をしなくてはいけない人が、まず身に付けるべきこと


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記事:杉本織恵(ライティング・ゼミ平日コース)
 
英語なんて、だいきらいだ。
  
英語の成績が良かったのは、中2まで。それからは、英語に四苦八苦してきた。
  
「あーもう、なんで英語ってこんなに複雑なんだろう」
「どうして意味わからない文法を覚えなくちゃいけないんだろう」
「なんで、世界中の人が日本語を話してくれないんだ!」
と、ずっとずっと思っていた。
  
大学を卒業しても、辛うじて旅行で買い物ができる程度。自分の英語に自信も無かったし、旅行での買い物だって、できれば他の誰かに話してもらいたいくらい。とてもビジネスで英語を使えるようなレベルには無かった。
  
そんな私だが、ご縁があって業務の1~2割で英語を使う職場で働いてきた。
最初の頃は、正直英語を使うたびに冷や汗が出て苦しかった。1通の短いメールを、1時間くらい時間をかけて作成したり、稀に電話がかかってくると逃げ出したい衝動にかられたり、英語を使った日は体力の消耗が激しく感じられた。
  
そんな私が、なんとか平常心を保ちつつ英語での仕事ができるようになったのは、この一文が言えるようになってからだ。
  
「すみません。わからなかったので、もう一回言ってください」
  
とても簡単な、中学英語で話せる一文。だが、この一文の威力はすごい。実際、この一文が言えれば、ほとんどのミーティングで困ることは無かった。
  
自分の英語力の低さを、諦めて開き直ってさらけ出し(といっても、隠す手立てもないが)、「英語、ブロークンです。ごめんなさい。でもコミュニケーションしましょう」というスタンスをとる。こちらが手を尽くしてコミュニケーションする姿勢を見せれば、相手だって、どうにか理解しようとしてくれるだろうと、相手の懐の深さを信じて飛び込む。
  
けれど、低い英語力で飛び込む時、避けて通れないのが、この「すみません。わからなかったので、もう一回言ってください」という、自己申告だ。ミーティングの出席者の中で、低英語力の者だけがやらなくてはいけない。
  
相手はコミュニケーションしようとしてくれるが、私がどこまで理解できて、どこが理解できなかったのかまでは把握できない。何も言わなかったら、理解できていると認識し、話がすすんでしまう。見栄を張って理解したフリをして黙っていると、あとで大変なことになるのは、自分なのだ。
  
プライドが邪魔して、この一言が言えなかったために、冷や汗をかいたことも多々あった。「ここで話を中断するのは申し訳ない」「後から、誰かに聞けばいいのではないか」と、要らぬ気をまわしていたつもりだが、本当は、自分の英語力の低さを恥ずかしく感じ、それがバレるのが嫌で、言い出せなっただけなのだ。
  
だが、自分が逆の立場になったことを想像してもらったら、聞き返さずに適当に流されることの方が、後々面倒だということがわかるだろう。もし、外国の方と日本語でミーティングしていたとして、日本語での説明を理解しないままに仕事が進めてもらうのは困る。私だったら、「わからないなら、その時に言ってくれれば教えたのに」と思う。
  
私の変なプライドは、本当にただ邪魔なものだったのだ。
  
自分が発言する時も同じだった。
「通じなかったらどうしよう」「ちんぷんかんぷんなことを言って笑われたら恥ずかしい」という気持ちで、発言するのが本当に怖く感じるが、どんなに考えたって、一朝一夕で英語力が伸びるわけでは無い。今の英語力で、言ってみるしかないのだ。
  
そう考え方を変え、恥をかく覚悟で気楽にミーティングに臨んでみたら、誰も私のブロークンな英語を問題視する人はいなかった。通じなければ聞き返されるだけだし、誤解されたら訂正すれば済む話だった。ただ、私がひとりで焦って、気持ちをすり減らしていただけだったのだ。
  
実際、私が居た職場環境においては、正確な英語、正しい英語、きれいな発音、などは全く求められなかった。学校の英語のテストと違って、仕事において英語は道具の一つに過ぎず、それ以上でもそれ以下でもなかったのだ。使えればとても都合がいいし、もちろん英語力が高ければ高いほどスムーズにいくこともある。だが、英語が苦手なら、方法を工夫して、どうやったら相手に伝わるかを必死に考えればいい。表がいいのか、画像がいいのか、ジェスチャーがいいのか、英語が得意な同僚に通訳してもらうのがいいのか。黒いボールペンのインクの出が悪かったら、青でも赤でも鉛筆でも使って、書けばいいだけのこと。隣の人の、黒ボールペンを借りたって構わない。
  
だから、もし低い英語力のまま、英語を使う仕事に放りこまれたら、まず「すみません。わからなかったので、もう一回言ってください」と堂々と言えるメンタルを身に付けることをオススメしたい。私のように、無駄に気持ちをすり減らすことが無いように。
 
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2018-11-22 | Posted in メディアグランプリ, 未分類, 記事

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