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《ちぃ絵日記》訪れると出会いがある。池袋の隠れ家・天狼院書店(豊島区新庁舎オープン)


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わたしは、豊島区役所の3階にいた。5月7日にオープンしたばかりの新庁舎は、まだできたばかりの建物の匂いがあちこちからしている。待合室の真新しい椅子に腰掛けて、わたしはキョロキョロと周りを見渡した。

 

この春美大に受かって、晴れて大学生になったわたしは、3月に上京してきたばかりだ。東通りという商店街から少し離れたところに部屋を借りて一人暮らしをしている。

4月は大学生活に慣れるのに精一杯で、自分の家の周りを探検する余裕もなかった。だが、今はGW後半でそろそろすることもなくなってきている。昨日1日家でゴロゴロしていたので、今日は意を決して家を出てきた。

 

 

そして足を向けた先が区役所である。

誕生日を来月に控えたわたしのもとに、国民年金の通知が届いたのはつい先日のこと。学生の間は年金を免除してもらえるらしいので、その申請をしに来たのだ。

豊島区役所の新庁舎の外観はマンションのようだった。

1階が吹き抜けのロビーで、わたしは上を見上げて感嘆のため息をついた。

 

 

申請も終了したので、わたしは10階にある屋上庭園へ向かう。

今日は天気が良く、風も気持ち良かった。わたしはベンチに座ってぼんやりしながら、このあとどうしようか考え出した。

 

(天気も良いし、探検がてら散歩でもしよう。どこか良いカフェないかな…)

(どうせなら、定番じゃなくて面白いところがいいな…)

 

2年目に入ったスマホを慣れた手つきでいじりながら、Googleで検索する。

 

「池袋 面白い カフェ」

 

最初にヒットした「池袋おもしろカフェ・グルメ6選−タイムズクラブ」を何の気なしに開いて読み始めた。

 

(ん…?なにこれ、「天狼院」…?)
記事の最初に書かれていたのは「天狼院書店」という本屋。

 

(カフェじゃないのになんで出てきたんだろう…)

 

読み進めていくと、天狼院書店について色々な情報が書かれていた。

 

(へぇ、本屋さんなのにコーヒー飲めるんだ…)

(コタツ!?季節外れな感じもするけど、本屋にコタツは面白いなあ)

(…よし、ここ行ってみるか!)

 

記事を最後まで読まずに検索画面を閉じて、わたしはエレベーターに飛び乗った。

外に出て、まずは馴染みの東通りまで戻る。そして、ジュンク堂から遠ざかるようにまっすぐ進む。2分ほどで見えてきた。

 

(…あった。「天狼院」の看板!)

(わぁーかっこいい字体…!これ、天狼院の字もデザインされてるんだよね、きっと。普通のフォントじゃ出てこなさそうだもの…)

 

天狼院は2階にあるようだった。

少し急な階段をのぼる。

扉を開けると、コーヒーの匂いと本の匂いが漂ってきた。

わたしの胸が高鳴った。

何かワクワクするものを見つけたときのそれだ。

 

「いらっしゃいませ、こんにちはー」

 

レジの中から若い女性の店員が声をかけてきた。

 

(きれいな人…)

 

「初めてのご来店ですか?」

 

わたしの多少戸惑った様子を感じ取ってか、店員が声をかけてきた。

 

「あ、はい…」

「そしたら説明させていただきますね。天狼院は新書を手に取って読める書店です。ワンドリンク頼んでいただきますと、お席と無料Wi-Fi、電源を開放いたします。お時間ありましたらぜひお試しください!」

 

今日他に行くところも決まっていなかったし、なんだか店内がとても落ち着いた雰囲気だったので居座ることに決めた。

 

「アイスコーヒーください」

「ありがとうございます、¥360です」

 

店内をふらふらと歩いて、気に入った本をいくつか席まで持っていく。棚の本はコンセプトに沿って並んではいたが、けして大手の本屋のようにしっかりジャンル分けされているわけではなく興味をそそられる本が山のようにあった。

 

元々わたしは本が大好きなので、すぐに持ってきた本を読むのに夢中になった。

頼んだアイスコーヒーが半分なくなった頃、店内に1人の青年が入ってきた。

扉の開く音に、反射的に顔を上げる。

 

「いらっしゃいませ……あ。いつもありがとうございます」

 

先ほどの店員が言った。

どうやら青年は馴染みの客らしい。

背が高くほっそりした人だ。わたしの視線を感じてか、こちらを向いて微笑んで会釈をした。

 

その笑顔を見た瞬間、わたしの中で何かが動く音がした。

目が離せない。

 

その男性は落ち着いた口調で、

 

「初めて来た方ですか?」

 

と聞いた。

 

「はい…」

 

そう答えるのが精一杯だった。

 

わたしはまた天狼院に来るだろう。本を読みに来るだけではなく、彼に会いに。

 

天狼院に入ったときに感じたワクワクは、「何か新しいことに出会えそう」だったんだ。

 

うん。天狼院書店、すてきなところだ。

また来よう。

今度は何に出会えるかな。

 

知らない街にたった1人で暮らすのは不安だったけれど、大丈夫。

天狼院に来れば、元気になれる気がした。

【天狼院書店へのお問い合わせ】

TEL:03-6914-3618

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2015-05-07 | Posted in 未分類

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