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今日の編集部日記

【6月15日(水)】池袋を歩いていると未だに自分がナンパされるんじゃないかと期待してしまう《今日の編集部日記》


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おはようございます! WEB天狼院編集部川代です。

こう見えて、私も高校生や大学に入ったばかりの頃は結構ナンパされていた。
いや、ナンパというとあれだな、すごいモテるみたいな感じがするけど、はっきり言ってしまえばあれです。ナンパに見せかけたキャバクラのスカウトです。
と、こう言うとさらに、キャバクラにスカウトされる自慢みたいな感じになっちゃうけど、それも違います。たぶん男性とかはあまり想像がつかないかもしれないからちゃんと説明すると、ぶっちゃけキャバクラのスカウトをしている人たちというのは、若くて足を出している女子なら誰でもいいのである。彼らにはノルマのようなものがあり、かつ、キャバクラのスタッフじゃない別のスカウト業者に委託している場合が多いから、結局「絶対にかわいい売れっ子をスカウトしよう」という気合いのもとスカウトしているわけじゃないのである。とりあえずたくさんの女の子の電話番号をゲットすること。質より量なのだ。

でも高校生の頃のギャル時代の私はそんなことなんて何も知らなかったから、ヘルメットみたいにボリュームを立てた髪型で、シルバーのネックレスをやたらつけたVネックのTシャツのお兄さんが「ねえ、お姉さん、ちょっとそこでお茶しない?」と声をかけてきても、「私がかわいいから声をかけてきたんだわ」と純粋に思い込んでいた。だから「え〜どうしようかなあ」なんて結構上機嫌に、まともに返したりしていた。
でもまあ紆余曲折あり、社会に出ると徐々に「あ、あれって違うわ」と気が付いてくる。別にあれは出会いがほしいわけじゃなく、キャバクラもしくはガールズバーの数を埋めるための作業でしかないのだ。

で、まあ皮肉というかなんというか、そういうことを理解して、「もう騙されないわ」と思うようになると、途端にぱたっとナンパされなくなるのである。なんなんだ、この現象は。
私がスカートよりズボンを多く履くようになったということとか、体力がなくなってきていつも猫背で歩いているとか、そういうのもあるかもしれないけど、それにしてもまあ、ナンパされなくなってしまった。
だからそもそもあれはナンパじゃないんだって!! 単純にスカウトかキャッチなんだって!! と言い聞かせても、どうしてか、悲しいのである。不思議なことに、悲しいのである。心のどこかで、「ナンパされたい」と思っているのである。
だから、池袋の駅前にちらちらいるいかにもそれっぽいギャル男たちが、視界の隅にいると、どうしても構えてしまうのだ。白目に写ってしまう。意識してしまう。
で、やつらが何かを見つけたようにこちらに来ると、「きた!!」と体が緊張し、そして、「どうやっておいかえそう……」と瞬時に考えながらも、どこかでやはり喜んでいるのだ。
そして、彼が私じゃなく、目の前を歩いていたミニスカートの女の子に声をかけると、心底がっかりする。そして、必ず追い越して、その女の子の顔を確認してしまうのだ!
で、これももうここまで言ったからぶっちゃけますけど、「なんだ、そんなかわいくないじゃん」「雰囲気美人ってだけじゃね?」と、内心で悪態をついてしまうのだ!!!
あー、あたしってなんて浅ましい嫌な女なの。と思うけれど、仕方がない。自分の気持ちに嘘はつけない。

たかがナンパ程度、たかがスカウト程度にどうしてこうも振り回されてしまうのか。いや、きっと私だけじゃないに違いない。ほとんどの女子はあの池袋で女子を狙う男たちの視線を気にしているはずだ。この街で自分が声をかけられるにふさわしい女かどうかを、きっとあそこでチェックしているに違いない。

池袋駅前は、いわば女の価値を測るものさし……と、いうわけではないのだが、なんとなく、あそこを歩いていると、そうなんじゃないかという気分にさせられる。
「別にナンパなんかされなくても嬉しくもなんともないわよ」と言いつつ、期待してしまう。

なんなんだろう、この気持ち。
どうしたら、いつになったら、この変な気持ちから逃れられるんだろう。

私はいつもいつも、そんな自分の女としての本能と戦っている気がするけれど。

でもな、とも思う。
嫉妬しなくなったら、終わりだよな。

ぶっちゃけ、嫉妬という感情がなくなったら、かなり寂しい人間になるというか、人生、つまらなくなるんじゃないの?

うん、そうだ。
そうにちがいない。

まだまだ私はこの女の本能と一緒に生きていって、このドロドロした感情も楽しんでいきたいと思うから。
私は今日も池袋を、チラチラ、ナンパを待ちながら、歩く。

というわけで、今日も1日元気に、がんばりましょう。

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2016-06-15 | Posted in 今日の編集部日記, 記事

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