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プロフェッショナル・ゼミ

誰からも愛されていないわたしからあなたへ《プロフェッショナル・ゼミ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ プロフェッショナル」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:田中望美(ライティング・プロフェッショナル)

「おっめでと~う!!」

「わー!!!!」

「ありがとう! びっくりした~!」

わたしはこんな会話が飛び交う、サプライズを受けたことが今まで生きてきた中で、
3度くらいしかありません。万が一忘れていたとしても、その回数は5本指で足りるくらいだと思います。
これが多いほうなのか少ないほうなのか、イマイチわからないのですが、もっとたくさんサプライズをしてもらっている人たちのことがうらやましくてたまりませんでした。

そしてそれが、地味にコンプレックスでした。

わたしは周りの人にとってどうでもいい存在なのだと感じてしまうからです。必要とされていない、愛されていない存在なのだと思ってしまうのです。
たくさんの人から祝福される人の姿を見ると、特にそう感じました。サプライズに協力することは好きなのですが、たくさんの人から、毎年サプライズされている人を見ると特に劣等感を抱いてしまったのも正直な気持ちです。

大学時代に誰かの役に立ちたくて、必要とされたくて泣きじゃくったのも、今ではいい思い出です。
それは、サークル活動での出来事でした。わたしは企画メンバーに所属していたのですが、周りのメンバーが飲み会の幹事や進行などがうまく、慣れているようだったので、そのような運営をしたことのない私は失敗を恐れ、何も仕事をすることができなかったのです。そうすると、次第に何も任されないようになっていきました。そんな自分が嫌で、メンバーのある一人に、無理を言って私のできることをやりたいと言ったのです。それは、舞台で使う小道具の制作でした。しかし、それを集まって作ろうという時間帯が寮の門限に間に合わない時間帯だったため、来なくていいと言われたのです。門限破ってもいいから行きたいと言いました。それであの怖すぎることで有名な寮母さんに怒られてもいいから、手伝わせてくれ、と懇願したのです。自然と涙がでていました。何にもできないという自分が悔しくてたまらなかったのです。こんなことまでできないのか、と。しかし、もし門限に間に合わず、そのことが寮母さんにばれたら、退寮しなければならなくなることを知っていた友人は大丈夫、他にできることがあれば頼むから、と、なだめてくれました。それでも私は今、役に立ちたかったのです。今じゃなきゃダメだったのです。今、役に立って、認められて、自信を持ちたかったのです。わたしは必要とされる人間なんだと安心したかったのです。それができないことが不甲斐なく、しばらくそこで泣いていました。

そんな苦い思い出もありました。

わたしが印象に残っている、数少ないうちのサプライズプレゼントの一つ目は、違うクラスの子からもらったお菓子の詰め合わせです。わたしある大学の推薦を志願したのです。面接の練習を幾度も行い、放課後にも小論文を残っていやっていました。試験日が次の日に迫ったその日、クラスは違ったけれど、通学のバスが一緒になって仲良くなった幾人かの友人が頑張ってね、とメッセージ付きの大量のお菓子を持ってきてくれたのです。
わたしは一人で明日の試験に対する不安やプレッシャーと戦っていたので、まさかこんな突然にエールをもらえるとは思っておらず、緊張の糸がぷつっと切れたかのように、嬉しくてその場で泣いてしまいました。同じクラスでもないのに、彼女たちは一般で大学の試験を受ける身なのに、わたしを応援しにここまで来てくれた。その優しさが身に沁みました。

もう一つは、彼から受け取った誕生日のサプライズです。わたしの誕生日は大学の試験期間中ともろかぶりでした。だから、自分も誕生日どころではなかったし、試験期間中なのに、お祝いしてもらうというのには気が引けました。本当はたくさんお祝いしてほしいという気持ちもあったのですが、強がって、何もしなくていいから、と言ってしまいました。誕生日はいつもの日常と同じように過ごしました。誰からもお祝いの言葉をもらえないだろうと覚悟していたので、テスト期間中であるにもかかわらず、おめでとうと言ってくれた人には本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。こういう友人を大切にしたいと思いました。彼はというと、「今夜少し会おう」とだけ言われました。内心「少しだけか……」と寂しくもありましたが、その時は、会ってくれるだけでも感謝しないと、と思うことにしました。なにも期待していなかったので、わたしはまず、ケーキを買ってきてくれていたことにびっくり仰天でした。あー、幸せだなーと思っていたのに今度はさらに大きな赤いバックをプレゼントしてくれたのです。えっ? えっ? とパニック状態になるほど驚きました。

最後が今日のことです。劇団~咲~の千秋楽を無事に終え、準主役をつとめたからと、舞台終了後すぐに、花束を劇団の仲間が用意してくれていました。サプライズに慣れていない私は、いかにも人生初めてのサプライズを受けたかのように、こんなサプライズ初めてだ、と口にしていました。

わたしがこんなにもサプライズに執着心を持っているのはやっぱり、サプライズというものが、愛されている人や愛されるべき人に仕掛けられるものだと思うからです。本人に知られないように細心の注意をして周囲に協力を呼びかけ、たくさんの準備をし、喜んでくれるかな、どんなリアクションするかな、とハラハラする気持ちを抱えて行なわれるのですから、どうでもいい人にするはずがないのです。自分が心から大切に思う人だからこそやってあげたいと思えるのです。

ということは、サプライズされた経験が少ない私は、周囲に関心を抱かれていない、どうでもいい人なんだ、と自分を責めていました。自分のことが嫌いで、自分のことを嫌いな自分も毛頭嫌でした。

だから私は、愛されたいと思ったのです。多くの人に愛されるような人になりたい。あの子やあいつのようにみんなに好かれる人になりたい、と。

わたしは今からでも遅くないと思いました。大学に入学し一年がたったころ、私はそんな自分になれるようにリベンジを図ったのです。

結果、ダメでした。

サークルでは、群れを成したイケイケの集団に頑張って交わろうとしていたのですが、相手にされませんでした。もちろん相手に悪気があったわけではありません。ただ、彼女たちとは少しばかり分かり合えなかったのです。それなのに、一見まじめでおとなしそうな集団には入っていこうとはしませんでした。自分勝手な偏見で、彼女たちはサプライズなんかしないだろうし、楽しいことなんて何一つないのではないかと思ってしまったのです。集団でワイワイやっていることが多いイケイケの子たちのほうがわかりやすかった。だから、一生懸命その輪の中に入ろうと努力したのだと思います。でも私はうまくできませんでした。自分の気持ちを殺して、表面上でコミュニケーションをとれるほど器用ではなかったのです。逆に、本音と建前が混じりあって誤解がうまれ、わたしは一匹狼のような状態になってしまったのです。誰と話せばいいのか、誰と一緒にいればいいのかわからない。これじゃあ、なりたいと思っていたみんなから愛される人というのとは真逆の状態です。一時期は理想の人間関係を構築することができないことに屈辱を感じていました。

やっぱり私は誰にも必要とされず、誰にも愛されていないんだ。みんなにとって私はどうでもいい人間なんだ。そう思い悩んでいたのです。

同時に、なんであの子や、あいつはいつもみんなに愛されて、おめでとうって多くの人から言わているんだろう、なんであんなに大切に思われているんだろうと思いました。私と何が違うのか、性格なのか、態度なのか、たくさんのなぜ? が、わたしの心をいっぱいにしました。

わたしだって、いつも笑顔で明るくいることを心掛けたり、気を遣ったり、あらゆること人から好かれるための行動をとっているはずなのに……

ある時から、もう諦めるしかないと思い始めました。自分はそういう風にサプライズされるようなキャラじゃない。そんな人気者になれるような気質を持っていない。だからもう、こんな今の自分を何とか受け入れて、生きていくしか道はないのだと思いました。

でも、わたしは今日、あることに気づいたのです。

誰からも愛されていないというのは、わたしが欲張りすぎているからではないのか、と。

 わたしはもともと欲張りなところがありました。良く言えば貪欲だったのです。あれもしたい、これもしたい。欲求を抑えることが苦手だったのでしょう。長年一人っ子であった私は、過保護に、甘やかされて育ったからです。幼いころの私は、何でも親や社会はわたしにほしいものは全て与えてくれるのだと勘違いしていました。だから、目に見えない信頼感だとか、特別感だとかは自分の力で手に入れなければならないのだと思うようになると、それが手に入らないことによって自分を責めなければならない状況に陥ったのです。

 考えてみると、これがどれほど欲張りの塊なのかがわかります。自分だけ欲しい欲しいと言って、自分からは何も与えようとしていないのです。

 わたしは忘れていました。いつか読んだ本にもあった、与える人は与えられるということを。

まず自分から動かなければ、人を動かすことなんてできるはずがないのです。自分からサプライズを仕掛けたことのない人が、自分から人を愛しようとか、好きになろうとかしていない人が好かれるはずがありません。

劇団ではおそらく、役柄を通してわたしは周囲に貢献できたのでしょう。だからサプライズしてもらえたのです、大役を引き受けることがなければ、もちろんこんなに多くの人に喜んでもらうこともなかったのです。だけど、サプライズをしてもらってうれしいはずなのに、わたしにサプライズを受ける資格なんて得るのか? という疑問のようなきまり悪い気持ちに次第になっていきました。劇団には、わたしだけではなく、わたしなんかよりもっと頑張ってくれている人たちがいました。それなのに、わたしだけこんないい気持ちを味わうなんて……と浮かばれない気持ちになったのです。だとすると今までの私は、何も与えないくせに自分は与えられたいと思っていたということが明確にわかります。

わたしはやっぱり欲張っていました。

今ここにきて、たくさんの受け取ってきた愛情の思い出が溢れてきたのです。

チアリーダーを務めたときにみんなからもらった手紙。同じマンションの後輩からいつもお裾分けしてもらっていたパン。どこどこに行こうよ! といつも私を遊びに誘ってくれる友人。親身になって相談を聞いてくれる人たち。たくさんの挑戦の場を与えてくれる人。そして、何不自由なく養ってくれている両親。

そんな人や場所やモノをわたしは当然のように忘れ去って、ないものばかりに目をつけて、愛されていないだの、好かれていないだの思っていました。恥ずかしいことです。

でも、今日はそのことに気づくことができました。

今までサプライズをしてもらえることが少ないというだけで、愛されていないのだと劣等感を抱いていたけど、それがほんとうにちっぽけに思えてきました。

サプライズされないからってなんだ、そのくらいのことで愛されていないと思い込むなんて、わたしのことを大切に思ってくれている人に、とんでもなく失礼なことです。

もっと心を開けばいいのだと思いました。

もっと心を開いてすんなりと周りを見渡せば、たくさんの愛に包まれていることに気づけるからです。

イケイケ集団としか頑張って関わろうとしていなかった私は、一匹オオカミのようになりました。ですが、それが不幸中の幸いとなったのか、どうしようもなくなって、真面目そうな子たちにも話しかけてみたら、断然居心地がよかったのです。とても気が楽で、楽しくて、必要とされていないんだという悩みが少しずつ溶けてゆきました。そうすると、イケイケの子たちともいい距離感で関わることができるようになったのです。

自分で自分の心を閉じていたら、いくらどんなに愛情を求めていたとしても、自分の心の中に入ってくることはありません。でも、自分の心をいつもオープンにしていたのならば、相手がどうであれ、入ってくるものは入ってくるのです。

もし今あなたが、自分は愛されていないのだと苦しんでいるのなら、欲張りな自分はいないか、心が閉ざされてしまっているのではないかと疑ってみるのもいいのではないかと思うのです。

夕日が山を温かく照らしている景色が、わたしには、泣きそうなくらい綺麗にみえました。

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