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リーディング・ハイ

「ローグ・ワン」を見て、私は天狼院の三浦さんを思い出してしまった《リーディング・ハイ》


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記事:菊地功祐(リーディング・ライティング講座)

 

「スター・ウォーズの最新作だと!」

 

そのことを知った時、私は嫌な予感がしていた。

 

またディズニーが動き出したのか……

本気で「スター・ウォーズ」というコンテンツを作り続ける気なのか……

 

多くの人が一度は見たことがあるであろう「スター・ウォーズ」シリーズ。

その製作をしていたルーカル・フィルムをディズニーが買収したというニュースは世界中のファンを驚かせた。

 

「スター・ウォーズ」の権利を手に入れたディズニーが、

エピソード7から始まる新シリーズを始めた時も、嬉しさと同時に正直、

「やめてくれ!」と思ってしまった。

 

 

もちろん、私も多くの人と同様に「スター・ウォーズ」の大ファンである。

 

幼い頃に「スター・ウォーズ」と出会って映画好きになったと言って過言ではない。

 

この作品が好きだからこそ、これ以上シリーズをけなさないでくれ!

金儲けのために使わないでくれ! と思ってしまったのだ。

 

後世の人が、スピンオフで続編を作っても、70年代当時、世界中を熱狂させた

「スター・ウォーズ」シリーズのコンテンツの質とクオリティを保てるわけがない。ただの金儲けのために、使わないでくれと思っていたのだ。

 

これは新シリーズが始まった時、多くのファンが感じたジレンマだと思う。

 

それなのにエピソード7が公開されて1年しか経っていないのに、

また新しい「スター・ウォーズ」のシリーズが公開されるという。

 

なんと今度はスピンオフ作品だ。

 

 

エピソード4の10分前までを描いているらしい。

 

タイトルは「ローグ・ワン」。

 

1作目であるエピソード4では描ききれなかったデス・スターの設計図を盗み出した反乱軍の死闘を描いている。

 

予告編を見た時、ファンの目線からして面白そうだなと思うと同時に

正直、やばいと思っていた。

 

これはやばいぞと。

 

また、コアなファンに傾倒しすぎたエピソード7のようなことになるのではないか? と危惧してしまったのだ。

 

そんなことを前提にして、私は映画館に行った。

 

月曜の昼にもかかわらず、ほぼ満員だ。

さすが「スター・ウォーズ」だ。

 

上映が始まる。

 

やっぱりな。

 

やっぱりな……

と思ってしまった。

 

やはりコアなファン層がとても多い「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフとなるとこうなるよなと感じた。

 

前半100分までは……

 

 

 

 

ストーリー上のある部分を終えると不思議なことが起こった。

 

 

面白くなるのだ。

 

 

超面白くなるのだ。

 

 

超超面白くなるのだ。

 

 

 

正直、なんで前半があんなに停滞していたのかわからないぐらい、

ラスト30分が超! 超! 超! 面白いのだ。

 

 

「スター・ウォーズ」を知らない人が見てもラスト30分のデス・スターの設計図を盗み出す作戦は圧巻である。

 

とんでもなく面白いのだ。

 

 

そして、ラストシーン。

一作目であるエピソード4に続く伏線としてある人物が登場する。

 

その人物が出てきた時、映画館の中がざわついた。

 

あっ!  

 

こういうことだったのか。

エピソード4の前にはこんなことが起こっていたのか?

 

 

そして、映画が終わり、エンドロールが流れ始める。

あの有名なテーマソングに合わせ、軽快なリズムでエンドロールが進んで行く。

 

感無量。

 

 

「これぞ映画! これぞスター・ウォーズ!」

 

 

私の脳の中のアドレナリンが爆発してしまい、夜の新宿を徘徊してしまった。

ずっと頭の片隅に、最後に登場した人物の言っていたセリフがリピートされていた。

 

すごい!

 


こんな面白い映画を見たの久々だと思った。

 

脳のアドレナリンが落ち着いてきた頃、私はあることを疑問に思った。

 

なんでラスト30分だけ、あんなに面白いんだ?

 

 

 

ラスト30分だけが異常に面白すぎるのだ。

 

映画全体のバランスとして、どう見てもおかしいのだ。

 

最後だけがあまりにも面白すぎる。

 

 

 

私はある仮説を立てた。

 

 

それは、ラストシーンを作ったスタッフは別人なのではないか?

というものだった。

 

 

どう考えても同じ人が作っているとは思えなかったのだ。

同じ監督が手がけているとは思えなかったのだ。

 

作風は全体的に統一されているが、ラスト30分だけは異常に面白い。

 

というか面白すぎる。

 

この映画が製作された背景が気になって仕方がなかった。

 

家に帰りアドレナリンが落ち着いてきた頃、私はこの映画の製作について調べてみることにした。

 

すると驚いた。

 

今年の5月の時点で撮り直していたのだ。

それも全体の4割近くを。

 

今年の5月だって! 

 

12月に世界中で公開される超大作を5月の時点で撮り直していたとは……

それもディズニーが大金をかけて撮り直させたらしい。

 

ということは5月の試写会の時点では、とてもじゃないが公開できる

質じゃないとディズニー側が判断したことになる。

 

確かに映画の前半部分は正直、見るのがしんどかった。

監督はベトナム戦争をイメージしたのだろうが、戦闘シーンと登場人物の心理描写が生々しく、人によってはだいぶ見るのがつらいと思う。

 

「スター・ウォーズ」の全作品のように、分かりやすい善と悪の構造をとっていない。

 

ファミリー向けのコンテンツを提供しているディズニーが撮り直しを要求したのも理解できる。

 

 

この映画の撮り直しを指揮したのは誰なのだろう?

あの超絶面白いラスト30分も撮り直しで作ったものなのだろうか?

 

 

 

実際、予告編で見た印象的なシーンのほとんどが本編ではカットされていた。

 

 

誰だ!

 

この映画を撮り直し、超面白いコンテンツとして作り直した人物は誰だ?

 

 

名探偵のように私は「ローグ・ワン」関連の記事を探っていった。

 

すると撮り直しを指揮した人物が判明した。

 

 

あっ!!!!

 

あの人じゃないか。

 

あの有名なスパイシリーズの脚本を担当した人物じゃないか!

 

その脚本家のことを私は知っていた。

 

私は大学時代に貪るように年間350本の映画を見て、自主映画を作り、

映画について研究していた。

その時に読んだ本に彼のことが書いてあったのだ。

 

「タイタニック」などを手がけたジェームズ・キャメロンの師匠でもある

シド・フィールドが新時代の脚本家と称したあの人物だ。

 

 

シナリオライターは表にはあまり名前が出てこない。

映画で宣伝されるのは、俳優名と監督の名前だけだ。

 

 

しかし、映画を裏で支えているのは彼のようなクリエイティブな天才たちだ。

名もなき英雄たちによって映画が支えられている。

 

「ローグ・ワン」の撮り直しを指揮したこの人物は只者ではない。

 

 

私はこの人物が手がけたあの人気シリーズをもう一度見直してみることにした。

 

すると、似ているのだ。

 

とても「ローグ・ワン」に似ているのだ。

 

登場人物たちの回想シーンなどがそっくりだ。

 

 

そして、最後の場面で映画全体のテーマ性を提示し、余韻を残すあたりなどが

「ローグ・ワン」にそっくりなのだ。

 

 

 

この人だったのか……

 

この人があの感動的なラスト30分を作ったのか……

 

 

「スター・ウォーズ」というハイパーコンテンツを手がけた映画監督は世界中に

名前が知れ渡る。

今回の「ローグ・ワン」の監督もいたるところで名前が広がっていた。

 

 

しかし、本当に注目すべき人はその背後にいる人だ。

この映画の撮り直しを指揮した人物。

 

彼こそが名もなき英雄だと思った。

 

 

歴史上には名もなき英雄が多くいる。

明治維新を成し遂げた坂本龍馬だって、司馬遼太郎が小説を書かなかったら、

誰にも知られることがなかっただろう。

 

彼のような名もなき英雄によって新しい時代が作られていくのだ。

 

 

天狼院の三浦さんも同じだと思う。

池袋にある小さな本屋から川代さんや三宅さんのような新しい才能が芽生えていっても、三浦さん本人の名前は表に出てくることはない。

 

だけど、三浦さんは自分自身にお金を使うのではなく、

未来に投資をしているのだ。

 

 

三浦さんがやりたくてもできなかったことを、多くの受講生達が成し遂げてくれるだろうと願って、未来に託すようにフルスロットルで働いている。

 

 

三浦さんは未来の「希望」に投資しているのだと思う。

 

 

 

「ローグ・ワン」という映画も未来の「希望」に投資する映画だった。

圧倒的な戦力を持つ帝国軍を前に散っていった名もなき英雄たちの物語なのだ。

 

 

多くの犠牲者のもとで手に入れたデス・スターの設計図を手にし、

最後にある人物はこうつぶやく。

 

「これは希望です」と。

 

 

その後のルーク・スカイウォーカーとレイア姫の物語は多くの人が知っていると思う。

 

多くの犠牲のもと、受け取ったバトンを託された彼らは勇敢に戦っていった。

「希望」を無駄にはしなかったのだ。

 

10月から天狼院に通い始め、私は三浦さんからライティングについて多くのことを学んだ。

 

 

だけど、その学んだことを活かせるかは自分たちにかかっているのだと思う。

 

三浦さんから受け取ったABCユニットという「希望」を有効に使えるかどうかは自分たちにかかっているのだ。

 

レイア姫やルークのように受け取ったバトンを無駄にはしてはいけない。

 

そう思って、私は映画館を出たのだった。

 

 

 

 

 

 
………
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2017-01-04 | Posted in リーディング・ハイ, 記事

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