こつこメモ

【体育大×寮=異世界】どうしてこうなった…なぜかスポーツの苦手なわたしが来てしまった、恐ろしい世界《こつこメモ》


先日、部屋を片付けていた時、2013年の3月に撮った色褪せたプリクラが出てきた。

「3月終わるな」って書いてあって、しかも顔がなかなか文字にあって悲痛そうで、思わず苦笑い。

当時の3月は、高校を卒業した、大学入学前の春休みだった。

幼稚園から高校までずっと一緒だった友達と、初めて学校がばらばらになることを悲しみながら、ふたりで撮ったプリクラにそんなことを書いたのだ。

しかも、その3月は、初めて転出届を出した。一生、地元の小平市から出て行かないと思ってたけど、こんなにもあっさりとわたしは千葉の聞いたこともない町に転入した。実家から2時間かけても通いたかったけど、一年生は全寮制という稀有なシステムのせいでそれは叶わなかったのだ。

寮で、さらに体育大学。受けたものの全くその大学に通う気はなかったから、受かるまでわたしは大学のことを調べていなかったのだ。

わたしはスポーツが苦手だ。高校でバスケットボール部に入ったが、右と左が瞬時に判断できないぐらい、どん臭い。

体育大というだけで、きつい人たちばかりなのではないかと思った。怖すぎて布団の上で「うわああああ」となっていた。

それほど、入寮も入学も恐ろしかったのだ。

調べてみると、まずなんと二人一部屋らしい。自分のプライベートな時間が全然ないことにがっかり、見ず知らずの人間と一年間同じ部屋で過ごさなければいけないことに恐怖。

そしてその二人一部屋が四つに居間が一つつく。それがさらにもう一つ隣にくっついって……ようは二人部屋×8と居間×2で一部屋単位らしい。見ず知らずの人間、15人といきなり一年間共同生活しろというわけだ。動揺しないわけがない。

想像しただけで気持ちが沈んだ。幼稚園から高校までずっと一緒の友達がいたから、全く一人の環境で友達づくりをしたことがなかったのである。

結局、不安な気持ちのまま、全然荷造りは進まないし、住所もちゃんと調べないで送ってしまったから、寮ではなく大学に届いてしまう始末。アンケート(睡眠時間や不安なこととかの)もいつも以上にだらけきったミミズ文字で書いて送った。

それから入寮と入学をして、火気厳禁で調理もできないわ、門限は23時だわ、外出するたびにホワイトボードに行先を書かなきゃいけないわ、冷蔵庫や居間など共同のものは本当に繊細に扱わなきゃいけないわ、夜眠たくてもテスト勉強集中したくてもうるさくて眠れないわ集中できないわ、周りは田んぼしかないわ、スーパーまで徒歩30分だわ……いろいろあった。毎日が部活の合宿のようだった(ちょっと大げさかな?)

いろいろあった、けど、本当に楽しい大学生活だったんだよなあ(まだ終わってない)

三年生になって退寮して、念願の実家通いになった。念願だったはずなのに、寂しくてしょうがないのだから不思議だ。

今回は二年間を振り返りながら、知られざる体育大の世界について皆さんにご紹介します。

1.定食屋>>>ファミレス

コストパフォーマンスという言葉を前まで知らなかったが、ともかく、体育大生のみんなはこれを重視しているのだと思う。

質よりも、安さと量が彼らには重要だった。

大学の周りには、おかしな名前の定食屋や居酒屋がたくさんある。

馬鹿みたいな量の定食屋は、ごはんが漫画でしか見たことのないような盛られ方をしている。部活後の男子体育大生はそれを簡単にたいらげてしまうけど、わたしの女友達は「7で」とか言って、ごはんを減らしてもらってた。店主のおじちゃんには「中途半端だなあ」って笑われてた。

その定食屋にはスタンプカードのラックがあって、部活ごとに分かれていた。そのラックを見て「こんなにこの大学部活あるんだな」って改めてしみじみしたり(まあほぼ運動部なんだけど)

とりあえず、普通なら2食か3食分になる量を、スポーツをしているみんなは1食で食べれてしまう(食費が心配だ)

だから味ももちろん大事だが、安くて多く食べれるかに余念がないのだ。

ファミレスもあるが、やはり高くて行きたがらない人は多い。

それに定食屋のいいところは、やっぱりあたたかい。狭いけど。行けば友達か知り合いか、はたまた顔見知りだったり、誰かしらいることが多い。狭いから軽くそこで会話をして友達になったこともあったし、どうせだから相席しようって相席して仲良くなったこともあった。いきなりおごってくれる友達や先輩もいた。やっぱり、狭く深くは悪くない。

2.私服姿を見ないまま別れる人もいるだろう

よく雑誌とかで皮肉られている定番の大学生の服装などあるが、わたしの大学では該当する人の方が少ない。体育大の私服はジャージだからだ。実技の授業と朝や放課後の部活があるため、しょうがないのだ。

この2年間ちょっとで、わたしはかなりスポーツブランドやメーカーに詳しくなった。

adidasNIKEasicsmizunoPUMAはもちろんSVOLMEATHLETANEWBALANCE、THE  NORTH FACEHunmelYONEXVANSColombiaCHUMS……他にもいっぱい。

今まで知らなかったようなブランド名をたくさん覚えた。

そしておしゃれな人はジャージでも関係ないということがわかった。おしゃれな人はジャージひとつですら、本気で選びにかかってきてる。他の人とは被らないようなジャージや靴、リュックなどを持っている。さらにいかしてるのが、スポーツブランドのアイテムを私服に織り交ぜてくるあたりだ。実技の授業や部活がある時に使うだけでなく、上手くローテーションして普段使いにしているあたりがいかしてるな、と思った。

別に私服じゃなくても、髪をがっちがちに決めてなくても、女子は化粧をして髪を巻かなくても、見てて楽しいのだ。

むしろ、個性が溢れてるから好きだ。

「一球入魂」とか「新潟インターハイ」とか書いてある方が「見た目と違って実は熱い子なのかな」とか「あ、この人新潟の人なんだ」とか、わかりやすくていい。「~だっぺ」とか書いてあるのを見た途端、とっつきやすそうに見えてくるし。

みんなボーダーやデニムの服を着てカーディガンを巻いてるより、ずっといい。

さらにたまに着てくる私服すらイベントになってしまうのも、体育大ならではだ。

寮の式典は私服ではなければだめなので、そこで初めて部屋の全員が私服になった時は記念撮影をしたぐらいだ。

逆に普段私服の人は部活をしていないし、体育教師になる人でもないというのがすぐにわかる。部活や実技があってもきちんと私服を着てくる人は相当、身なりに気を使ってるおしゃれさんだとわかる。

いつも着ている厳ついジャージではなくて、男の子が爽やかな私服を着てきたり、いつもかっこいい女の子がかわいらしい私服を着てくるとギャップが簡単に生まれる。で、決まって「あ、今日部活オフなんだねー」なんて会話になる。

でも、卒業まで私服姿を拝めない人も、絶対いるのだろうなあ。

3.誕生日会は、えぐいもの

誕生日会がなによりもえぐかった。

きっと都内の大学生は、テーマパークや居酒屋でサプライズをして誕生日を祝ったりするのだろう。

寮での誕生日会は寮や大学の中をふんだんに使った。

まず、500ミリリットルのペットボトルが6本、2リットルのペットボルがさらに出てくるのは当たり前だった。

飲酒厳禁だったが、アルコールなどなくても盛り上がった。むしろ、えぐかったと思う。だってこの量である。

ひたすらコールに合わせて飲むのだが、もちろん一人で飲み切れるわけがないので、どんどん回していく。ルーミー(2人部屋の同部屋の子をルームメイトではなくルーミーと呼ぶ)や同学科の代打だったり、とりあえずなにかしら関係のある子が助けてあげる。

結局片付けるのはみんなの部屋だからみんなでなので、顔面クリームや顔面海苔(?)だったり、思いっきり汚いことができた。もちろん、新聞紙はひいたけど。洗濯場までクリームだらけの誕生日だった友達に追いかけられたこともある。

外での誕生日会の時なんて、夏は水を思いっきりかけられる。バケツやホースでどばーっと。

でも外での誕生日会のいいところは、通りすがりのみんながお祝いしてくれるところだ。むしろ通りすがっただけで飲まされることもある。

入寮してすぐに歓迎会などでコールを教えられるから、みんなコールを知っているので盛り上がれるのも良い。

ケーキは火気厳禁だから、みんなそれぞれ工夫して作る。主に菓子パンをベースにクリームを塗ったり、デコレーションしたものが多い(わたしは大きな食パン一斤をくりぬいて中にアイスを詰め込んだが大失敗した黒歴史がある)

ケーキ屋さんのきれいなケーキよりも、ずっと心がこもってて嬉しい。

一昨年のルーミーも去年のルーミーもわたしと違って、おいしいケーキを作ってくれた(ルーミーがルーミーの誕生日を祝うのだ)

低レベルなケーキしか作れなくてふたりともごめん……。

4.「あ、この前通りすがった人だ!」

テレビや雑誌、新聞、ネットニュースなどで、この前通りすがった人が出てることはざらじゃない。

実はすごい人、がたくさんいる。

普通の大学で、大学内で有名人と会う確率がどの程度あるかは知らないけど。

わたしの大学はきっと逆だ。

「あ、山Pだ!」って明治大学でなるような感じ(想像だけど)ではなくて、後から驚かされることが多い。

「あ、この前通りすがった人だ!」のような。

スポーツ選手なのでその時の調子もあるからだ。会った後から結果を出して「剣道の授業で打ち合った人だ!」なんてiphone片手に驚いたり、隣で竹刀をふるってた人がテレビで「自分に欠かせない料理はこれです」なんて紹介してる時もある。

後だしじゃんけんさながらだ。

別になめてかかってるわけじゃないけれど、本当に人を勝手に判断したりするのは恐ろしいということ。自分が想像していない、潜在的な可能性がたくさん詰まってる。

5.まだまだ書ききれないけど

まだまだ本当はたくさんのことがあった。

あったけど、一度で書ききってしまうのはもったいないので、今回はここら辺でやめておきます。

本当はさらに部屋に何人か医学部の子(みんなレベル違い、頭脳明晰)もいて、そこも面白いんです。今度、機会があったら書きます。

とりあえず、普通の大学ではないキャンパスライフ(もはやキャンパスライフなのか?)を現在進行形で送らせていただいています。

……でもなにが恐ろしいって、すっかりそれに順応している自分が一番怖い。

授業の空きの時間はラグビー場で日向ぼっこしたり、ボール遊びするのが楽しいし、この前は大学の周りの沼で人生初めての釣りができたし。トレ室もアスリートの人たちの中、恐る恐る使わせてもらってバイクこいでるし。スポーツブランドがかわいくてしょうがなく見えてきて、古着屋ではスポーツブランドものしか買わなくなってしまうし。意外とジャージでどこにでも行けるようになってしまったし。胃袋は拡張されて、運動しないのに「スタミナ丼」とか平気で完食するし(なんのためのスタミナだよ)みんなの真似してプロテイン買ってプロテインダイエット始めてみたら運動してないからむしろ太ると知って失敗したり。

だけど、楽しくてしょうがないのだから、やっぱり恐ろしい世界なのである。往復4時間かけても通いたくなってしまうなんて。

あと2年間しか過ごせなくて、悲しくてしょうがないと思わされてしまうのも、本当に怖いったらありゃしないのだ。

この浮世離れした大学から出た時に、浦島太郎みたいになってないのを願いながら、今日もわたしは地元や天狼院書店、就活塾で、外の風を少しでも浴びて、着実と向かっていっている将来のための準備をするのだ。

おわり?

話そびれてしまった、スポーツの苦手なわたしが体育大に入ることにした理由はこちら
【体育大×寮=異世界vol.1.5】小学校の頃、マラソン大会でいつもビリだったわたしが体育大に入ってしまった理由《こつこメモ》

【天狼院書店へのお問い合わせ】

TEL:03-6914-3618

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をして頂くだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。イベントの参加申し込みもこちらが便利です。
【天狼院のメルマガのご登録はこちらから】

メルマガ購読・解除

【有料メルマガのご登録はこちらから】

バーナーをクリックしてください。


天狼院への行き方詳細はこちら


関連記事