チーム天狼院

それは、きれいな夢のままで終わると思っていた。《ありさのスケッチブック》


_70ce4e20f1f090d38b05804ad5194159_s

 

いつもの時間の電車に乗り、
いつもの道を通って、
いつものお店の前で立ち止まる。
自動ドアがあいて、中に入る。

そしてやはり
いつものところへ歩いていく。
一段ときゃぴきゃぴしているところ。
きゃーきゃー!という声が聞こえる。
私がさらに近づいて行くと、
その声の主たちが一斉にこっちを向いた。

ねえ、今日はなにするの?
なんかちょっとつかれてない?
わたし、きっとお姉さんを元気にできるよ!
いっしょにつれていってよ!

私を見上げ、あっちこっちから
話しかけてくる子供たち。
どの子も本当に可愛くて仕方ない。

…しょうがないな。

私はそのうちの一人、
ほっこりしたオレンジのワンピースを着た子に
おいで、
と声をかけた。

その子の顔がパッと輝いた。
うん!と元気よく返事をすると、
私に駆け寄ってきた。
ニコニコ笑顔の無邪気な反応が嬉しくなる。

その後ろで、
あーあ、今日はだめだったかあ…
と嘆く他の子たちに
また今度ね、というと

ぜったいだからね!
すぐにきてね!
まってるからね!
それぞれが叫ぶように声をかけてきた。

私はちょっと躊躇いながらも、
うん、きっとくるよ。と返事をした。

そしてもうすぐこの場所から居なくなってしまうと聞いたこの子の手を引いた。

その子は興奮で火照った顔をしながら私に喋りかけつづけていた。本当に嬉しそうだ。

この場所にいる子供たちと一緒にいるのは
本当に幸せな気持ちになる。

だけど。

たくさん話しかけてくる子は
とっても楽しいのだけど、
いつも、手がかかるので後で後悔する。

そして少ししかいられない子もよく一緒に過ごすけど、
初対面でもニコニコしてくれる子もいれば
だまり続ける子や大暴れする子もいたりして、
うーん、と悩まされることもある。
正直、大変なことも多い。

それなのに、迎えに来てしまう。
それは、ここに来たら人懐っこい子供たちに絶対会えると確信しているから。
さらに、来るたびに新入りの素敵な子に会えるかもしれないと思うから。
そしてやっぱり、大変でも、手がかかってもこの子たちが大好きだからなんだと思う。

それくらい、やっぱり幸せなのだ。
コンビニのお菓子やスイーツを食べるのは。

わたしは、抗議したい。
コンビニスイーツのお手軽さを。
期間限定で買わせる作戦を。
美味しいものはきまってカロリーも値段も高いのを。
しっとりとかふんわりとか食べたくなる形容詞を商品名に付けるのを。

コンビニで甘いものを買ってしまうのをどうしたらやめられるか?
私のずっと抱えている課題である。

300円以内のものが多いとはいえ、
毎週のようにお菓子やスイーツを買っていては

おやつ代がかさむのは間違いない。
太るのも間違いない。

でも、やめられない。

コンビニに陳列されたプリンやシュークリームにチーズケーキ。
それを見てしまうと、立ち止ってしまう。

そしてあの声が聞こえてくる。
一緒につれていってよ、
季節限定だから今しかないよ、
疲れてるからご褒美にしちゃいなよ、
見ないふりしてるけど本当は凄い好きでしょ?
という甘いささやきが。

今日もその誘惑に勝ちきれなかった。
私が手にもつレジ袋の中には、
かぼちゃプリンが入っている。
ハロウィン限定という言葉のせいだ。

でも、もうやめられなくてもいいんじゃないかとも思っている。

これは高カロリーで太るから、
新しいスイーツにはまったら出費が増えるから、
と我慢し見て見ぬ振りをしたとする。
きっと、甘いもの食べたいー!と思って苦しい思いをすることになるだろう。

それならお財布から小銭を取り出して、出会ってしまった甘いものを買ってしまえばいい。
それで、幸せな気分になれるならいいじゃないか。

たとえちょっと太ってしまっても、出費が多くなっても、
大好きな甘いものを口にしてしまえば、
やっぱり食べてよかった、となるんだから。

今日、買ってしまったかぼちゃプリンのように、
「今しか」食べられないもの、に私は弱い。

それともうひとつ、大人になってしまったから恥ずかしくて言えないけど
本当は子どもの頃から今までずっと大好きな食べ物もたくさんある。

例えば。

私の好きな食べ物は
チョコレートと和菓子とハンバーグです。

好きって言うからには、
チョコレートだと何が好き?と聞かれたら、
あそこのチョコレート専門店○○の濃厚なガナッシュが…とか答えたいところ。

でも、
チョコレートは一粒何百円とかいう粒チョコより、なんだかんだ板チョコが好きです。
お団子もスーパーで安売りしている三食団子はだいぶお気に入りです。
ハンバーグは牛肉100%より、合い挽きが好きです。

こういう子供っぽいところがちょっと恥ずかしい。
でも、お気に入りであることは間違いない。
だから、この好みのことは隠し、こっそり買って食べていた。

しかし、最近そのうちの一つがばれてしまった。
それは、ある人によって明かされてしまったのだ。

それは、ある日天狼院で開かれたパーティ。
あの一言がきっかけだった。

「あー、誰か小説書きたい人いないかなあ」

小説は、私の大好物だった。
それを書くこともまた、大好きだった。
小説家になりたい、と思ったこともあった。
しかし、私が子供の頃の夢だ、と遠ざけて心の中にしまっていた。
それは、きれいな夢のままで終わると思っていた。

私のどこかで、スイッチが入った。
なんだか、ドキドキしてきた。
長い間考えることを避けてきたことが、
すぐ目の前にある。

これは、やってみるしかない。
こんな恵まれた環境で小説を書けるのは
「天狼院にいる今」限定だ。

「やってみたいです!!!」

書きたい人いないかなあ、と呟いた主は、一瞬驚いた顔をしたけど、ノリノリだった。

「じゃあ、やる?」

はい、と答えていた。

「小説を書きたい」

それは、私が今まで封印してきた思いだった。

理由は、簡単だ。

小説家になれる可能性の低さ、
書く体力への不安、
もっと上手い人がいるからというためらい、
という自分自身がかけたブレーキ。

それから、
「小説は稼げない」
「新卒は大企業で営業が最初の業務だ」
「物書きになれる人なんて一握りだ」
なんて、周りの大人たちがかけたブレーキ。

それらが邪魔をしてしまったからだ。

実際今も、その不安がなくなったわけではない。
もしかしたら向いていないかもしれない。
書ききらずに逃げ出したくなるかもしれない。
ライバルに勝ち抜く自信はそれほどないし、
時間的制約も絶対にある。
さらに、他のことだって手を抜けない。

だけど、「今」しかできない。
それに、小説を書くには抜群の環境だ。
なぜなら、これは「本気で小説家を出すプロジェクト」だから。

小説を書きたいけれどどうすればいいかわからない。
周りに、小説を書くような仲間がいなくて楽しさや苦しみを共感できる人がいない。
今まで抱えてきたそんな悩みはなくなるだろう。

そしてなにより。
私がずっと隠してきた夢がかなうかもしれない。
「私が書いた文で誰かを勇気付けたい」、という思い。
もし、私の書いた文章によってできるならこんなに嬉しいことはない。

そんな可能性を含んだプロジェクト、やってみるしかない。
子どもの頃のようなわくわくした気持ちで挑戦できるのは、幸せなことだ。

わくわくできるのは、私が文を書くことが大好きだからだ。
それは、コンビニで甘いものを買ってしまうかのように。
小さな子供たちに誘われて、愛おしく思ってしまうかのように。
満ち足りた思いにいなって、離れたくなくなって、それに夢中になってしまうのだ。

それだけ、私にとって文を書くことは幸せな時間だから。
食べるのも寝るのも忘れてしまうほど好きだから。
自分らしくいられると思う時間だから。

どうやら私は、どうしても「書く」ということから離れられなくなってしまったようだ。

私がなぜ小説にこだわっているのかというと、
多くの文章の形のなかで、広く、長く愛されるジャンルだからだ。
より多くの人のそばに居る存在となれる、と言えるだろう。
私はそこに、他にはない魅力を感じている。

子どもの頃のきれいな夢で終わるはずだった、「小説を書く」という夢。
その夢を、実現できるかはわからない。
でも。何もしないでいるよりは、苦しんで足掻いた跡を残したい。

これが、たとえ大変でも天狼院文芸部で
小説を書きたいと思った理由です。

さて。今度はここまで読んでくださった皆さまにお聞きします。

小説を書いてみたい、小説家になりたい、
そんな願いをきれいなまま、残している方はいませんか。
文芸部でなら、苦しむことも、楽しむことも一緒にできるかもしれません。

書きたい想いがまだ心の中にあるなら、大丈夫。
きっと、天狼院文芸部でやっていけるはずです。
ここで、夢に向かって努力した跡を残しませんか。

「天狼院の大文化祭」特設ページ

大文化祭

 

 

【天狼院書店へのお問い合わせ】

TEL:03-6914-3618

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。

【天狼院のメルマガのご登録はこちらから】

メルマガ購読・解除

【有料メルマガのご登録はこちらから】

バーナーをクリックしてください。

天狼院への行き方詳細はこちら


関連記事