チーム天狼院

【天狼院BOX新企画】2人の出会いが、運命の歯車を狂わせた。


合戦

 

2人きりの店内に、一枚壁を隔てているせいか、屋外の激しい雨音がどこか遠くから響いてくるように聞こえる。東池袋の夜にぼんやりと光を浮かび上がらせる書店の中で私は、この人と出会うべきではなかったと激しく後悔しながら、それでいて後戻りはできない葛藤を感じて、そのまっすぐな瞳から目を離せなかった。

立教大学2年、体育会バトミントン部所属、泉昭紀。
早稲田大学3年、小中高とバレーボール部に所属、小島夏海。

体育会系負けず嫌いの2人が出会って、何かが起こらないはずがなかったのだ。

 

彼が現れる前から、予兆はあった。

今まで、天狼院学生スタッフの過半数を早大生が占めていた。「川代ノート」で名を馳せた、早大国際教養学部の川代紗生と、政治経済学部の山本海鈴。さらに今年の3月に天狼院書店に合流した学生のうち、私を含めた2人が早大生、立教大学の学生は國井麻美子一人。この時点ではまだ、4対1で早大が圧倒的多数派と言えた。

形勢が逆転し始めたのは、今年の8月からだっただろうか。天狼院書店のリニューアルとともに、麻美子が友人たちに声を掛け、スタッフとして合流させ始めたのだ。1人ではない。一気に、3人の立教生がやってきたのである。
私自身も、現在早稲田の教育学部に通う中学時代の友人をなんとか口説き落として合流させたので、この時点で、5対4。立教勢が追い上げを見せてはいても、まだ負けてはいなかったのだ。早稲田の牙城が崩れかけていると言われたって、私たちはまだ平気な顔をしていられた。

 

そんな優越感が一挙に崩れ去ったのは、劇団天狼院文化祭公演の出演者が新たに増えたと聞いたときだ。主演の田中七生が連れてきた男の子が新聞記者の役で出演し、その流れでスタッフとして合流するらしいと。その彼こそが、泉昭紀だった。彼も立教大学の学生であると知って、脳天をガツンと殴られたような衝撃を受けた。これで、5対5。多数派だった私たちが、いつのまにかあとから台頭してきた立教の連中に肩を並べられていた。

ただ、大学3年生にもなって、そんな負けず嫌い心をむき出しにするのはみっともない。そう思って、私は立教の学生スタッフと接するときも、至って平静を保つように努めていた。だから、公演当日に初めて泉昭紀に会ったときも、こいつこそが均衡を崩した張本人なのだとわかってはいても、努めてにこやかにあいさつを交わした。火薬はあっても、火種を一切近づけずにやり過ごそうとしたのだ。

そうやって、一度はほっとしたのも束の間。しまい込んでいた火薬が、思わぬところで着火した。
彼は、私の抑圧されたとげとげしい気持ちを、どこかで感じていたのかもしれない。

泉昭紀自身の一言によって、である。

 

「自分、早稲田落ちなんすよ」

黙々と店じまいをする最中、彼は口火を切った。

突然デリケートな話を始める彼の意図が全くわからなかった。学歴がどうとかいう話は、下手をすると人間関係に亀裂が入る。この話をやめないといけないと思った。笑顔を取り繕って適当なコメントを探す私に向かって、それでもなお、彼はぴしゃりと二言目を継ぐ。

「だから、早稲田の人には絶対に負けたくないんっす」

すうっ、とその場の空気が冷えていく感覚を、私は感じ取った。

 

彼がその気ならば、私もこの気持ちを押し隠すことなどない。この微妙な関係に、決着をつける時が来たのだ。腹をくくるしかない。本当は、こんないさかいを起こしたくはなかった。でもこの戦いを、止める術はないのだ。

「……じゃあ、勝負をしよう」

「勝負、ですか」

「立教と早稲田、どっちが強いのか決めよう。ここは本屋だ。どっちが本を多く売れるか、それがものを言うと思わないか?早稲田スタッフと立教スタッフの中から選ばれた1人ずつが、1か月に1タイトル、書籍を決めて売り上げを競うんだ。多く売れたほうの勝ちで、これを3戦、つまり3か月にわたって行う。天狼院においてどっちが強いのか、これで勝負だ。何か異論はあるか」

彼の瞳が、ぎらりと光った。

 

彼と私の出会いが、総勢10名の運命を、大きく変えようとしていた。

**********

スタッフ小島です!12月15日より、天狼院BOXの棚で「早立書籍販売合戦」を開始いたします!(「立早」ではありません、あくまでも「早立」です(笑)。)

早稲田の学生スタッフと立教の学生スタッフが毎月一人ずつ出場し、一か月につき一タイトル書籍を決め、その売り上げ冊数の多い方が勝ち!これを3戦、つまり3か月にわたって行い、勝敗を決します。

今月15日より第一戦を開始し、来月14日に終了。来月15日、結果発表とともに第二戦を開始……という流れで行います!!

そして、注目の先鋒スタッフをご紹介!!
早稲田の先鋒は【山本海鈴】!!立教の先鋒は、この勝負の着火剤となった【泉昭紀】です!!

2人の決めた書籍は15日より店頭に並びますので、何の本か気になった方は、ぜひお店に遊びに来ていただくか、2人がWEBで書く(かもしれない)書籍の魅力レポートなどをご覧になってくださいね!!

最後に一言。

おい!ぜってえ負けねえぞーーー!!

 

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2015-12-14 | Posted in チーム天狼院, 天狼院BOX, 記事

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