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チーム天狼院

就活中追い詰められて精神科に行って号泣していた私の紆余曲折について


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岩本七海(チーム天狼院)

 

5月の初めのことだ。
私は人生で初めて、精神科に行った。
自分が誰にも、どこにも必要とされていないという思いをぬぐえない日々が続き、苦しくて苦しくて「自殺」という言葉が頭から離れない状態だった。
 
 
 
直接の原因は就職活動だ。

大学3年次の1月に、それまで目指していた大学院進学ではなくやっぱりどこかの企業に就職したいと考えを改めた私は、そんな「遅い」時期にもかかわらず、就活の仕組み、さらに言ってしまえばビジネスの仕組みを本当にまったく知らなかった。

  
私は文学部に通っているが、文学部を選択したのも、“資本主義社会”をひっくり返したいという野望があってのことだった。
私は、本には、資本主義社会をひっくり返す力があるんじゃないかなと、けっこう本気で思っている。
ちなみに、なんで資本主義が苦手かを簡単に説明すると、資本主義が生み出す幸せは、誰かの不幸せの上に成り立つものだと思うからだ。
 

良質な本は、読む者の価値観を揺さぶるものだ。
価値観が揺さぶられたその先には、価値観の再構築が待っている。

一人一人の価値観が再構築されることはすなわち、資本主義社会に疑いを持つ人が増える可能性が高まるということ。

本によって、そしてそこから生じる価値観の再構築によって、資本主義社会に疑いを持つ人が増える。

さらに、資本主義社会に疑いを持つことはほんの一例に過ぎなくて、本を読むことによって「自分の頭で考える」技術を身につけた人は、決まりきった様々な価値観に疑いを持つことができる。

私は、「自分の頭で考える」人の多い社会に生きたいと思っている。
多様性のある社会に生きたいと思っている。
  

そして私は、そういう社会をつくる上では、本は大事な役割を担い続けると考えている。

 
そこで、私も小説を書きたいと思った。すぐれた小説を書いて、読む者の価値観を揺さぶりたいと思った。
だから大学では国内外の様々な文学作品を乱読すると同時に、自分でも小説を書いていた。
けれども、何度書き始めても途中で「こんなつまらない小説が書きたいんじゃないんだ」と放棄してしまうことが続き、一作も完成させられないまま時間だけが過ぎていった。

というわけで、大学3年の1月、すなわち私の就活が始まった時、私にはエントリーシートに書けるような「学生時代に頑張ったこと」や「強み」はなんにもなかった。

小説を書くために部活も途中で辞めたのに、肝心の小説は完成すらしなかった。

しかも、やってみてわかったのだが、小説を書くことは私にとってしんどいことだった。
一人で小説を書いていると、孤独に押しつぶされそうになることがあった。
自分の書いている小説は世の中に必要のないものなのではないかと恐怖を感じたり、小説を書いている時間がもしかしたら無駄そのものなのかもしれないと思ったり……。覚悟が足りなかったのかもしれないが、小説を書くことは私にとって非常に苦しいことだった。

 
だから、就職活動をせずにアルバイトで食いつないで小説家を目指すという選択肢は私の中になかった。自分が本当に小説家になりたいのかどうなのかも、わからなくなってしまっていたからだ。多様性のある社会を作っていく職業は、小説家だけではなく、他にもある。
また小説家になることを諦めないにしても、どこかの企業に就職して社会の中で働くことはそのための糧になると思った。
そこで、私はもう業種も職種も全く絞らずに手当たり次第企業の説明会に行きまくった。

定年を迎えるまで1つの企業に勤め続ける人は減ったけれど、新卒入社する会社の選択はとても大事だ。それはよくわかっていた。
しかし、コンサルもホテルもメーカーもインフラも出版も、説明会に行くと「ここに行きたいな」と思うのだが、いざ選考に進み「何がやりたいのか」「志望動機は?」と聞かれると言葉に詰まってしまうことが多く、そこで働く自分の姿も想像できなかった。

もちろん内定をもらえるはずがない。

そしていわゆる「持ち駒」がどんどんなくなっていき、さすがに「無い内定」はやばすぎると焦った私は、自分を偽ることを始めた。
面接前には企業のことを徹底的に調べ、その企業が求める人物に完璧になりきり、自己PRも何種類か用意する。

用意する自己PRの大半は嘘でかためた。

 
すると、面接を突破することが増えた。
 
 

が、私はおかしくなった。

朝起きる前に「生きてて幸せだ! 今日も頑張るぞ」と胸の中で100回唱えないと起きられない。
ご飯を食べている途中で理由もなく涙が出てくる。
LINEやメールの返事ができない。
挙句の果てには面接中に泣いてしまう。
 

ああ、このままだと私、やばいな。

そう思い、ある日私は面接の予定をすっぽかして精神科へ行った。

カウンセリング中、私は「自分のやりたいことが何なのかわからないんです。 やりたいことって何なんですか!」という言葉を繰り返しながら、お医者さんの前で大号泣した。
自分が追い詰められていることを実感した。

そしてお医者さんは私に、「今後もカウンセリングを受けましょう。きっとあなたの役に立つから」と、言った。

正直、なんだそれ! もっと有意義な診察はできないのか! とりあえず薬をくれ! と思ったけれど、まあ診察を受けてすぐに元気になるなんて魔法みたいなことはないよねと、考え直し、「はい、ありがとうございます」となんとか口に出した。

 
そして、お会計に呼ばれた。

なんと、カウンセリング料だけで5000円だった。

 
 

高すぎた。

私は笑いすらこみあげてくるのを感じた。

 

私は帰り道、自分のことは自分で力で解決するしかないのか、と腹をくくった。
 
そして、たどり着いたのが天狼院書店のクリエイティブインターンだった。
嘘偽りなく、「やってみたい、ここで働きたい」と思った。

「内定」という安心はない。
「高給」という安定もない。
「ライフ・ワークバランス」という概念も驚くほど、ない。

それでも私は、天狼院書店で働く。
ここが、自分を偽らないで存在できる場所だと思うから。

天狼院書店という場所で私はまず、「私にもできること」をしっかりとやっていきたいと思っている。

「私にしかできないこと」ではなく、「私にもできること」からはじめる。

  

私は多分、前に進めていると思う。

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