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天狼院の大文化祭

天狼院で本当にあった怖い話。《店長山中のつぶやき》


これは、なんとしても。
そんな使命感を感じながらこの文を電車の中で打っている。
これは、本当になんとしても。なんとしても。

片道2時間かかる通勤時間のなかで。なかなか座れない中、立ちながらキーボードを叩く。
時刻はもう深夜0時をまわっている。家にたどり着くまで後もう「1時間」。
まだ「1時間」もある。と
いつもならば早く家につかないかとそわそわと本を読んでいる場面である。
しかし今日だけは違う。もう「1時間」しかない。
まだ家につかないで欲しい。この文章を書き上げてしまいたい。
さっきあった出来事を、私の少しでも忘れてしまう前に。できるだけリアルに。文章として記しておきたい。そう思った。
それほどまでに今夜の出来事は私の中で衝撃だった。

「怖いからみんなで行こう」

そう言い出したのは三浦さんだったように思う。
時刻は19時の少し手前。日はとっくに沈み。外は秋風が肌寒い夜である。
街ゆく人もアウターをはおって、ポケットに手を入れて足早に歩いて行く季節だ。
買い出しから天狼院に戻り、中でもうちょっと仕事をしようかとパソコンを開いた時だった。

「絶対に一人じゃいけないもん。」

ハキハキとした声で言うのは天狼院のスタッフの七生。
店内に流れるBGMいつのまにか止まっていて、店内は妙に静まり返っていた。
よく通るななみの声はその静けさをさらに際立たせる。

「あそこ何故かいつも道に迷うんですよ。」

その言葉にキーボードからふと手をはなす。
しっかりもののななみが道に迷うなんて意外である。
迷ったとしても、焦らず淡々と道を探してあっさりと目的地までたどり着いていそうなのに

「道に迷う?」
「そうなんです。ちゃんと辿りつけた試しがなくて。」
「そんなに道が複雑なの?」
「いいえ、道は単純なんですけど、なんせ周りが全部お墓だから」

天狼院の近くには雑司ヶ谷霊園という墓地がある。
天狼院のある東通りもお墓参りの季節となると黒い人だかりができる。
そこにはあの夏目漱石のお墓やジョン万次郎のお墓もあるらしい。
きっとその霊園のことを言っているのだろう。

「その道をどうしても通らなきゃいけないの?」
「遠回りになっちゃうんですよね。」

彼女の目的地は霊園を横切ったその先にあるらしい。
霊園といえどその面積は大きく、迂回していては倍以上の時間がかかるそうなのだ。

「じゃあ僕が送っていくよ」

そういったのは、三浦さんだった。天狼院の店主、つまり私の務める会社の社長である三浦さんは人一倍強い。何に対しても強い。その三浦さんがついていくとなればななみも安心である。

しかし、安心したのはつかの間のことだった
「でも、それだと帰り道、僕一人で帰ってこなくちゃいけないのかぁ。」
強い。怖いものなんてない。そんな人がどうしたことだろう。
この日はなぜか弱腰だったように思う。

「怖いからみんなで行こう」

かくして、私の開いたばかりのパソコンは一瞬にして閉じられ、三浦さんななみとともに三人で目的地へと向かうこととなった。

一度外に出ると、外はもう冬の訪れを知らせているようだった。

全員で縮こまりながら、たわいのない話を続ける。
誰が意識するわけでもなく、
いつもより大きな声で。
いつもより明るい声で。
まるで何かの恐怖心をかき消すかのように。

3分も歩くとそこからはもうそこは雑司ヶ谷霊園である。
確かにこれは一人では歩けない。
暗く。真っ直ぐな道。
三人が広がって歩けばその道は埋まってしまうほどの幅である。

どこに目線を向けても墓石。そこに書かれたお名前を無意識に目でおってしまう。

あ、

しまった。

後ろを振り返る。
どうしたことか、どの道を曲がったか、どの道を歩いてきたかわからなくなってしまった。

目線を下に向け足元ばかり見ていたせいだろうか。
見渡す限りの墓石がさっきよりも冷たく。大きく感じていた。
道はあるのに、地面をしっかりと踏んでいるのに。
ここがどこで、自分がどこからきて、これからどこに行くのか。すべてのことがわからなくなるような感覚がした。

「こっちだよ」

声がする。

聞き覚えのある声。
5メートルほど離れた距離から大きな光のもとで三浦さんが私を手招いていた。

「ここ、ここだよ。やっとたどり着いた」
いつの間にか霊園を抜けていて、私達はある建物の前にいた。
目を細めて壁にある文字をみるとそこには「区民会館」とある。

「僕毎回通ってるからもう道覚えたから。ね?ほら、迷わなかったでしょ?」
そう得意気にいう三浦さんはなれた様子でそそくさと建物の中に入っていく。

ガラス部分から漏れる光吸い寄せられるようにして私もドアを開けた。

靴を脱いで、更に奥に進む。
目の前の部屋を開けるとそこには
男女5人がラフな格好でそれぞれに佇んでいた。

「はーい、はじめまーす!あのシーンから!どおぞ!」
大きな、通る声がした。
すると場の雰囲気が一気に締まり、二人の男性の演技が始まった。

そう、
ここは劇団天狼院の稽古場だったのだ。
公演に向けて稽古をしている真っ最中。

劇団天狼院とはその名の通り天狼院の劇団。今までにもう2回公演をしている。3回目の公演は天狼院の大文化祭の初日に行われる。
変わったところといえばそのキャスト、裏方の中に、プロだけでなく天狼院のお客様や
スタッフも一員として活動しているところで、今回もオーディションを勝ち取った俳優たちが区民館を稽古場として最終の追い込みをしてるところだった。

室内の光はそこまで強くないはずなのに、その場は目がくらむほどに眩しかった。
それはただ単に暗がりを歩いてきたからというだけではないと思う。
その場にいる劇団員がいきいきと。輝いているように見えたからだと、そう思う。

舞台を見に行ったことはあるけれど、
稽古場にいったのは初めてだった。稽古を見ることも初めてだった。

そこにはもう一つの天狼院があった。
その場にある椅子はただのパイプ椅子でなのに座り方一つで天狼院にあるこたつに見えたし、
何もない壁には本棚があるように見えた。

そこにあるものの使い方や体の動き、目線、相槌、歩き方、しぐさの一つ一つを細かく演出されていた。
ラフなジャージはスーツやジャケットのように思えた。
決して演技が特別うまい、というわけではない。ただ、ただ自然で活き活きとしていた。
それもそのはずで、役者の性格人柄を十分に理解しているからこそそ子に合わせたキャラクター像演じてもらっていたのだ。いわゆる当て書きというやつである。

「殺し屋のマーケティング」

11月16日に行われる劇団天狼院の公演のタイトル。
役者たちの演技もさることながらこのストーリーにも大いに魅せられた。

私が見たのは稽古をしていたたったの3シーンだけ。
たった3シーンだけであるのに。この舞台を最初っから最後まで入り込んで見てしまいたい!
とそう思った。

「怖い」

演劇を見てこう思ったのははじめてだ。

これから起こるであろうエンターテイメントが計り知れないこと、この劇団天狼院のポテンシャルに恐怖を覚えた。

「あ!仕事やらなきゃ!なつ!行くよ!」
三浦さんのその言葉を合図に私はしぶしぶ席をたった。でも一方で少し安心もしていた。

「この舞台は本番まで見る楽しみをとっておきたい」
いつの間にかこう思っていたからである。

演劇はすごい。そして劇団天狼院はすごい。
これほどまでに衝撃を受けるとは。この熱量が冷めてしまう前に。
これは、なんとしても。
この文章を綴らなければ。いろんな方に見ていただかなくては。

これは、なんとしても。
そんな使命感を感じながらこの文を電車の中で打っている。
これは、本当になんとしても。なんとしても。

2015年11月16日(月)劇団天狼院の幕があがる。
その可能性はまだまだ計り知れない。その伸びしろに、その面白さに恐怖した一日。
これが天狼院の怖い話。

気づけば「1時間半」電車に乗っていた。
ちょうど最寄り駅に到着したようだ。
しっかり前を向いて歩いて行こう。
迷子にならないように。

【概要】劇団天狼院秋公演『殺し屋のマーケティング』
日時:11月16日(月)
19:30〜20:10
参加費:1日(11月17日)通し券前売券特別価格¥5,000/全日(3日間)通し券前売券特別価格¥10,000
*前売券をご希望の方はPeatixまたは店頭で事前に決済してください。
*出演者招待の方は、招待受付で紹介者とご自身のお名前をお教えください。リストと照合させていただきます。
場所:豊島公会堂

【「天狼院の大文化祭」プログラム】

【11/16(月)】
17:45 開場・受付開始
18:20〜18:40 映画『20歳女子大生が撮るR-18映画』
19:00~20:10 劇団天狼院秋公演『殺し屋のマーケティング』
20:30~21:40 『グラゼニ』原作者・森高夕次×『インベスターZ』漫画家・三田紀房 氏スペシャルトークLIVE「金の話をしよう!」
21:40~22:10 漂流書店「天狼院書店 豊島公会堂店」オープン

【11/17(火)】
17:30 開場・受付開始
18:00~19:00 天狼院「起業ゼミ」キックオフ!ストックビジネスを作ろう!『ストックビジネスの教科書』出版記念イベント
19:15~20:15 天狼院「文芸部」始動!~本気で小説家になるプロジェクト
20:30~21:50 「ミリオンズ・サミット」100万部のトップクリエイターが集結!ミリオンズは今何を考え、未来に何を描こうとしているのか?
21:50~22:10 漂流書店「天狼院書店 豊島公会堂店」オープン

【11/18(水)】
18:00 開場・受付開始
18:30~19:30 天狼院「落語部」立川小談志 祝・真打昇進!記念公演
19:50~21:00 「糸井重里秘本」ご開帳特別LIVE(出演者:篠原勝之/糸井重里/南伸坊/みうらじゅん)
21:10~21:40 天狼院マーケティング・ラボ「長岡大花火ではなぜ本が売れないのか?」
21:40~22:10 漂流書店「天狼院書店 豊島公会堂店」オープン

【チケット各種】

〔前売り券〕
□3日間通し券(11/16〜18)¥10,000
□11/16 1日通し券 ¥5,000
□11/17 1日通し券 ¥5,000
□11/18 1日通し券 ¥5,000
*3日間通し券をご購入の方には、特典として、文化祭受付時に〔特製チケット〕をお渡しいたします。

〔当日券〕
□11/16 1日通し券 ¥7,000
□11/17 1日通し券 ¥7,000
□11/18 1日通し券 ¥7,000

 

【前売りチケットは、こちらのPeatixページよりご購入いただけます】


*当日は、Peatixのご購入完了バーコード画面/決済完了画面を、会場受付でご提示ください。
*Peatix以外に、天狼院書店(東京天狼院/天狼院STYLE表参道)店頭でのチケットご購入も受け付けております。
店頭で代金をお支払くださいませ。領収書がチケット代わりとなりますので、当日まで大事にお持ち下さい。

 

【会場】
「豊島公会堂」
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-19-1
アクセス:「東京メトロ池袋駅」(東口)より徒歩5分/「JR池袋駅」(東口)より徒歩5分

 

【天狼院書店へのお問い合わせ】
ご不明点・ご質問がありましたら、お電話/メッセージでお気軽にお問い合わせください。

TEL:03-6914-3618

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2015-11-16 | Posted in 天狼院の大文化祭

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