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「人妻」という言葉に官能的な響きを覚えるのは私だけだろうか?


記事:新倉義樹(ライティングラボ)


「人妻」という言葉に、どこか淫靡で官能的な響きを覚えるのは私だけだろうか?

似た状況にある女性を指す言葉として「主婦」と言う単語があるが、「主婦」と「人妻」を比べてみると、そのイメージは全然違う。

①「主婦と待ち合わせをして、一緒に食事をした」
②「人妻と待ち合わせをして、一緒に食事をした」

①が「平凡な女性と待ち合わせをして、昼のファミレスでランチを食べる」のに対し、②は「大人の色気を持つ美人と、夜に洒落たレストランで食事。その後バーで酒を飲んで、そして…」と想像は膨らんでいく。

もちろん勝手な偏見からくる妄想であるが、これは私が欲求不満だからではないだろう。

グーグルで「主婦」と「人妻」の両単語を検索してみると、その違いは大きい。
ここで多くは書かないが、そのイメージが大きく異なっているのは確かだ。

ある日フェイスブックを開くと、コンサートのチケットが取れたと喜ぶ友人の日記がアップされていた。80年代に人気アイドルとして活躍していた女優が、再びマイクを持つらしい。

コメント欄には「よく取れたね」「楽しんで来てね!」等々さまざまな書き込みがあった。私はヒガミからコメントは何も書き込まずに、ただ「いいね!」だけをポチッと押した。

そんな中に「誰と行くの?」というさりげない書き込みがあり、その返信が「人妻とw」だった。

私の目はそこで止まり、「人妻」という言葉を頭の中で繰り返していた。人妻、人妻、人妻…人妻?やがて、一緒に行くと思われる女性からの「人妻で~す(^o^)/」という明るい書き込みがあった。

私はここで少しの違和感を持った。

通常、自分で「私は人妻です」とは言わないが、そういう違和感ではない。
「人妻」とは、明るくオープンな存在なのだろうか?
承知の通り、人妻とは結婚している女性の事でそれ以下でもそれ以上でもない。
そして、結婚している女性は巷にあふれており、決して珍しい存在ではないのだ。

かくいう私も結婚しており、我が家にも人妻はいる。

信頼できる、できないと賛否のある、ネットサーフィンのお供「ウィキペディア(日本語版)」で「人妻」を調べてみると「人妻(ひとづま)とは、結婚している女性である。通常、夫以外の者から呼ばれる呼称である」とあり、天武天皇(7世紀後半)の頃から「現在のように「人の妻」として、奪う対象としての女という意味合いを込めて使われて…」とある。

奪う対象とは露骨だが、要は万葉の人々も「人妻?ムフッ」となっていたようだ。

しかし、先にも書いたが人妻など、な~んも珍しくない存在であるにも関わらず、人は、いや男は何故魅かれるのだろうか?

女性の立場や状況を表す言葉として「女子高生」や「OL」等々あるが、女子高生は「女子の高校生」、OLは「オフィスで働く女性」など、そのほとんどが「その女性自身」を指す言葉である。

一方「人妻」は「人の妻」の事であり、これは「鈴木さん」や「田中さん」という直接的な呼び方に対し「鈴木さんの奥さん」「花子ちゃんのママ」といった間接的な呼び方なのだ。

そこには他者の影がチラついてくる。

「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」

どこかで聞いた言葉だが、こんな自分勝手な人は少ないと思うかもしれない。
もし近くにこんな人がいたら、未来から来た青いロボットに助けてもらいたくなるだろう。
しかし、様々な場面で「隣の芝は青い」と感じる人は多いに違いない。

この流れでいくと「うちの奥さんより、あっちの奥さんの方がいいんじゃないの?」となる。
これまた自分勝手な男の話だ。

話を戻すが、友人と一緒にコンサートへ行くという女性の「人妻で~す(^o^)/」という明るい書き込みへの違和感が、ここではっきりとしてくる。

簡単に言い換えれば「人妻」とは、他の男たちが奪い合う「セクシークィーン」なのだ。
もちろん「人妻」という単語からくるイメージの問題であり、実際には奪い合いの対象にならない人妻も・・・いや、なんでもない。

友人とコンサートへ行く女性に、自分がイメージ上の奪い合いの対象となる自覚があったのか、なかったのか?それが違和感の原因なのだ。

ちなみに、その女性は私の友人でもあるので、今度彼女と会った時にその自覚があったのかをコンコンと問い詰めようかと思ったが、余計なお世話なのと変態だと思われると困るのでやめておく。

ところで、隣の芝は青いと思う事は私だけではなく、他の人も思っている事だろう。これは当然のことだが、私の妻も他からみれば人妻であり「青い芝」かもしれないのだ。

いや、青い芝であって欲しい。

ここで「お前んとこのはなぁ…」と言われたら、それはそれで悲しい。
色々な男からギラギラした視線を向けられるよりも避けたい事態である。

というわけで、私の妻も青い芝である事を前提に話を進めると、その青い芝と一緒に生活している私は幸せ者と言えるのではないだろうか。

うん、私は幸せ者だ。

***

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