1日店長

書籍の装画で大人気のイラストレーター・げみさんインタビュー②「作品集が出るまでと、これからのこと」《『げみ作品集』(玄光社)出版記念企画/天狼院プロフェッショナル》

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ただ今、天狼院書店では、数々の書籍の装画を担当するイラストレーター・げみさんのイラスト作品集『げみ作品集』(玄光社)の出版記念企画を開催中!
8/7(日)げみさん1日店長イベント@天狼院書店を前に、特別インタビューを行わせていただきました。

【 インタビュー前編 はこちら】

インタビュー前半に引き続き、げみさんにとって大きな転機となった出来事、そして今回の作品集が出るまでとこれからのことについて、お伺いしました。

げみインタビュー2

(インタビュー前編はこちら)

げみ:大学を卒業してから1年間は、絵を描けなかったんです。
その間、実家がコーヒー屋なんですけど、そこの手伝いをしてました。このまま、たまに絵を描きながらお店をやろうかっていう意識までいってたんですよ。

その時、たまたま、アーティストのお知り合いの方が、そんな僕を見て「今、ローマにいるんだけど、ローマに来ない?」って誘ってくださって。2週間後くらいの飛行機のチケットを買って、ローマに飛びました。
イタリアでは美術館とか歴史的なところを回りながら作品なんかを解説していただいたり、その人のイタリア人のお友達にも会って、いろんな見たこと無い景色を見たときに、「ここを絵に描きたい」って純粋に思ったんですよね。

ちょうどその時期、mol-74 さんっていう京都のアーティストさんからCD ジャケットの依頼をいただいたんですが、絵が描く動機を与えられる、お願いされるところに価値があるのを知ったんですよ。それが僕にとっての初めての依頼でした。それから人から求められる事に価値があるんだと知って。これなら絵を描いていける、って思ったんですよね。
その時からから求められることに全力になろうって決めました。

ーイラストレーターとはどういうお仕事ですか?

0から価値を生み出す方々の作品を、その価値をまだ知らない第三者へと出来るだけわかりやすく翻訳し、より多くの人に届けることだと思っています。僕がいいボールを投げることが出来れば、それをキャッチしてくれる人がいる。求められればずっと絵が描ける。それなら時代に合ったいいボールを常に全力で投げたいって思うし、何が皆にとっていいボールなのか考え続けて自分もまた一緒に変わっていければいいなって思いました。お仕事でいろんな作品に触れる度に、自分の価値観も広がっていくので、一度空っぽになった僕にとっては天職だなと思いました。この仕事があってよかった。

例えば、小説家さんって、0を100にするような価値を生む人たちじゃないですか。アーティストだと思うんです。僕はアートができなかった分すごく尊敬します。
小説を読んだり、曲を聞いていて皆さん本当にすごいなと思う。

ーボールを投げるときに考えていることはありますか?

日頃考えているのは、受け取りやすいボールってどんなボールだろうってことです。
ボールの形がいびつだったら受け取ってくれない、スピードが早すぎても受け取りにくいし、受け取っても、汚れてたら「なんだこれ」って手放しちゃうかもしれないし。
どういうボールを投げたときに受け取ってもらえて、長く大切にしてくれるかを常々考えていています。

ー「受け取ってもらいやすいボール」を絵にしたときに、どういうところを意識していますか?

まず、色がきれいなこと。あと、キャラクターの個性を極力抑えて、あまり独特にしすぎないことです。フェチズムは極力抑えて、というか見えにくくして、共感を得られそうなモチーフに力を入れる。
ただそれをよくある視点で描くのは面白くないので、ちょっとズラすよう意識しています。ズラすためには自分が経験してみることが大事だなと思っています。それは絵を描くために現地へ行ったり、体験して取材をするということです。すると、定番の画角をどの角度で見るとおもしろくなるか思いつくんです。それを作品にして「こう見たほうが楽しいと思う!」「より伝わってくれるんじゃないか?」と皆に投げかけて確認をします。うまく行かない時もありますけどね(笑)。

今の時代、絵柄の流行って一つじゃないじゃないですか。ゲームや小説、漫画もアニメも、アートもなんでもそれぞれにいろんなジャンルがあって、絵柄もたくさんある。しかもそれがすぐに移り変わっていく。だから自分がどこに居たいのかを考えた時、何がベストか、または自分の絵は、今この瞬間どこに合っているのかを考えています。

ーげみさんの好きな本、影響を受けた本はありますか?

一番印象に残っているのは、小学校の時に読んだ『ふたりはともだち』(アーノルド・ノーベル/文化出版局)です。
風景の雰囲気がすごく好きで、ずっと絵を模写していました。手紙をただ待つ、というエピソードがありましたが、それを読んだ時は、子供の頃でも「返事がこないなあ」とか、ちょっとしたマイナスに考えちゃった時の切ない気持ちを感じていた気がしますね。
この前雑貨屋さんに行ったら、『ふたりはともだち』のかえるくんとがまくんの人形が売ってて、思わず買ってしまいました(笑)。

ー今回の作品集の出版が決まった経緯はどのようなものでしたか?

雑誌『イラストレーション』(玄光社)で特集をしていただいて、それがきっかけで編集さんと出会いました。ちょうどその月に自分にとって初の個展の開催があり、編集さんにも来ていただいたんですが、会場を見て「何か一つまとめられそうですね」というお話をいただいだのが最初のきっかけです。お仕事で担当した小説も全部展示していたので。

ー画集の出版が決まった時は、どんな気持ちでしたか?

東京オリンピックが決まった時、僕の中で、2020年が一つの目標になるなと思ったんです。子供から大人まで、全国の人がオリンピックに向けて頑張ろうとする指標じゃないですか。自分に置き換えた時、2020年に向けて何かやり遂げたいなっていう目標ができたんです。その中に「2020年までに画集を出すぞ!」という気持ちがありました。
だからそれに向かって全力で仕事をしていたんですけど、4年早くなって。画集の出版が決まった時には、すごくテンションが上がりましたね。本当に嬉しくて、親にすぐに報告しました。

僕は、最近まで兵庫県の実家に住んでいたんですが、親から見ると、家にこもって、部屋からも出てこずに絵を描いて、座っているだけに見えていたと思います。親の「働く」っていう認識と、僕の「働く」っていう認識が見た目で大きな違いがあるので、けっこうケンカもしてたんです(笑)。
けれど今回、画集が出ることが決まって、一番親孝行ができたというか。ケンカを何度もしても、僕を信じて絵を続けさせてくれた事に感謝しています。本当によかったなという気持ちです。

ー画集をつくる上で、頭を悩ませた部分はありますか?

画集のためのオリジナルの絵が、3点描き下ろしの話になった時、仕事のこととか考えずに、好きなものを描いてくださいっていうリクエストがありました。でも、仕事以外で自由に書くリクエストって、すごく難しくって。
これまで、どうやったら受け取ってもらえるかってことのみを考えていたので、いざ自分が好きなものを描いてと言われたときに、困ってしまったんですよね。それで、取材するしかない、自分の「好き」を見つけるしかないと思って、いろんな場所に行って取材をし、描きたいなって思っていた場所や物を純粋に描きました。

また、画集にどのイラストを入れるかも、最後の最後まで、ずっと編集さんと話し合っていましたね。どの作品も思い入れがあって、入れたいものがたくさんあったんです。今回は、70枚か80枚しか入ってないのですが、それでも描いてきた作品の半分以下なので、けっこう悩みましたが、世界観が近いもの、「僕ってこういう人ですよ」というものが見てもらえる作品を入れました。
入らなかった分は、いつか別の形で掲載したいなと思っています。

ーオリジナルの3点の作品を描く際のエピソードはありますか?

まず、「さざなみ」は、学校に取材に行く機会があったので、そこから着想を得ました。「まつりの花」は、画集が夏に出るので、祭りをモチーフにしたいなという気持ちがありました。金魚を描きたいなっていうのがあったので、それも掛け合わせて描きましたね。
「星が消えた夜」は、たまたま最寄りの駅から出た時に雨が降っていて、そのまま散歩をしていたら、タイル張りの柱がギラギラ光っていて綺麗だなって。タイルが好きなので、タイルと、夜景の光がぼけている風景、ビニール傘の透明感という今までに描いたことのある3つのモチーフを1枚の絵に合わせるというチャレンジがありました。画集の中にも、こういう順番で書いてましたという製作過程を載せているので、ぜひ見てください。

画集を発表した後だからこそチャレンジしたいことや、展望はありますか?

うーん、難しいですね(笑)。自分の絵がいつか動いてほしいなとは思っていますね。画集もまた2冊目を出したいです。
あと、広告系の仕事には興味がありますね。アニメにも興味あります。出すとキリがないです。

ただ今までの僕とは違った「げみさんのこれが見たい」という、新しいこと・見たことのないものにチャレンジさせてくれる依頼に今後取り組んでいけたらいいですね。夢は人が与えてくれると思っているで、いろんな人と関わって、たくさんの夢を持ちたいです。だから自分はもっと殻を破って、絵柄も仕事も幅広くやっていきたいなと思っています。

げみさん、本当にありがとうございました!
8/2発売『げみ作品集』(玄光社)の発売を記念した、 8/7(日)げみさん1日店長・トークイベント を天狼院書店で開催します!
作品集の販売を記念した、特別サイン会もおこなうレアな機会に、ぜひお越しください!


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*イラストレーター・げみさん初の作品集『げみ作品集』(玄光社)(税込2,160円)は、天狼院書店にてご予約いただけます。
ご予約は、お電話(東京天狼院:03-6914-3618/福岡天狼院:092-518-7435)、メール、または店頭でも承っています。

◼︎げみ
イラストレーター。1989年、兵庫県出身。京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース卒業後、イラストレーターとして作家活動を開始。書籍の装画やCDジャケットを中心に活躍中。Twitterフォロワーは3万人を数える。装丁を担当した近著に『路地裏わがまま眼鏡店』(マイナビ出版)、『鎌倉香房メモリーズ』(集英社)、『ヤマユリワラシ ―遠野供養絵異聞―』(早川書房)などがある。

 

【『げみ作品集』出版記念企画】

 《『げみ作品集』(玄光社)発売記念ギャラリー》
◼︎場所:天狼院書店〔営業時間 12:00〜22:00〕
7/27(水)〜8/7(日)@東京天狼院
8/10( 水)〜8/17(水)@福岡天狼院
(*天狼院書店は、書店ですので、入館料などはかかりません。自由にお入りいただき、ご覧いただけます)

《イラストレーター・げみ 1日店長イベント》
■日時:8月7日(日)
受付開始16:30/イベント開始 17:00/イベント終了 18:50
*げみさんは16:00頃から東京天狼院にいらっしゃいます。
■場所:天狼院書店「東京天狼院」「福岡天狼院」
*福岡は150インチのスクリーンによる同時中継となります。
*サイン会は東京のみです。
■定員:東京30名/福岡30名
■内容:
17:00〜18:15 げみさん トークライブ
18:15〜18:50 グッズ販売・サイン会
■参加費:東京2,000円/福岡1,500円
*別途1オーダー(280円〜)頂戴いたします。
*『げみ作品集』(玄光社)著者げみ 2,160円(税込)を当日ご購入ください。すでにお買い求め頂いた方は必ずお持ちください。
*高校生以下の方は参加費半額にてご参加いただけます。(学生証の提示をお願いする場合がございます)
*CLASS天狼院プラチナクラスの方は参加費半額にてご参加いただけます。
*天狼院読/書部ご参加の方は無料にてご参加いただけます。
■チケット購入方法:PEATIXでのチケット購入もしくは店頭、メール、電話でのご予約を承っております。
《PEATIXでのチケット購入はこちらから》
東京会場

福岡会場

・メール:master@tenro-in.com
*件名に【げみ1日店長イベント】と記載頂けると大変助かります。
*本文に氏名、ご連絡のつく電話番号、希望会場(東京・福岡)、希望座席数を記載してください。
・電話:東京天狼院 03-6914-3618/福岡天狼院 092−518−7435
■トークライブで聞いてみたいげみさんへの質問(任意):master@tenro-in.com宛に件名【げみさん質問】、本文に①氏名②予約した方法(PEATIX、店頭、メール、電話)③質問内容を記載してお送りください。トークライブの内容の参考にさせていただきます。(お名前の公表などはありません)

【天狼院書店へのお問い合わせ】

TEL:03-6914-3618

天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F

TEL:03-6914-3618
FAX:03-6914-3619

東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」

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TEL 092-518-7435 FAX 092-518-4941

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