ライティング・ラボ

AppleMusicスゲェ! からもたらされた3つの生活の変化


記事:藤塚 央(ライティング・ラボ)

 

Apple社の音楽配信サービスAppleMusicが今月から始まりました。なんでも月額980円で、AppleMusicに登録されているすべての音楽コンテンツがネット配信で好きなだけ聴ける(しかも最初の3ヶ月は無料)とか。音楽定額配信サービス自体はすでに他社が先行して始めていたようですが、iPhoneやiTuneストアで世界を席巻したApple社が始めるサービスとなると、期待せずにはいられません。そんなわけでサービス開始日からさっそく使い始めてみました。

使い方は非常に簡単。利用登録を済ませ、iPhoneのOSを更新すると、今まで普通に音楽視聴に使っていた「ミュージック」というアプリが勝手にAppleMusic仕様に変更されているので、とりあえずこれを実行します。すると自分が保存していた音楽ファイルに加えて、AppleMusicで配信されている無数の音楽ファイルにも、そのままアクセスできるようになっているのです。

 

あとは検索して聞きたい曲やミュージシャンを見つけてもいいし、「For You」という機能を使えば、視聴履歴から使用者の好みに合いそうな曲を自動で選んでくれます。

 

……こうしてサービス利用開始から、2週間ちょっと経ちました。たった2週間でしたが、私はこんなことになるとは思っていませんでした。AppleMusic、スゲェ。便利だとか面白いを通り越して、ただただ凄い。そして皆さんに伝えたいこと、

 

私はAppleMusicによって完全に生活が変わってしまいました!

×    ×

何しろ、今まで「ずっと聞きたかった」音楽から「ちょっと欲しいけど買うほどでもなかった」音楽まで、月額料金内で好きなだけ聞くことができるんです。それも、いつでもどこでも場所時間を問わず。例えて言うならば、通勤カバンに入れていた文庫本が、突然国会図書館になったみたいな状態。こんな無茶苦茶な例えでもとても追いつかないくらい、AppleMusic、スゲェ!

 

それで「生活が変わった」とは具体的にどういうことか。

 

まず一つ目に、この二週間の間、一日中常に音楽を聴き続ける状態が続いています。私は今まで時間があればラジオを聞いていることが多かったのですが、今はひたすらAppleMusicの虜です。自宅にいても通勤中でも、仕事中の車の中でもひたすら聴いていますが、終わりがない。これで月額980円か!

 

二つ目の生活の変化は、ちょっとだけ、部屋が広くなりました。不要になった手持ちのCDを、中古レコード屋さんに持っていったのです。中古レコ屋さんで買い取り査定を待ちながら、この店の人たちの仕事はこの先どうなるんだろうと心配に思いました。月額980円でここに並んでいるほとんどの音楽が聴けるんだもんなぁ……。

 

そして三つ目の生活の変化。これはちょっと長い話になりますが、AppleMusicのある弱点に関係があります。

 

AppleMusicの音楽データは圧縮されているので、どうしても音質に限界があります。iPhoneのイヤホンや小さいスピーカーで聞く分にはほとんど気にならないのですが、ちゃんとした視聴環境で聴き比べてみると、やっぱりCDのほうが音に厚みや細かさがあり、違いを感じます。

 

いい音で聴きたい曲だけはCDで残しておかなきゃダメだなと思った時、ふと頭に大学の友人M村のことが浮かびました。

 

M村は僕なんかをずっと上回る音楽好きでした。というより音楽好きを通り越して「音好き」でした。音そのものに快感を覚える変態で、音にこだわるあまり色々なオーディオ機器を分解したり、その中に入っている部品のトランジスタを集めてアニメーションを作ったりする、とにかく変態でした。

 

そんな変態の友人が、CDよりも音質がいいものがあると言っていたのを思い出したのです。それは、アナログレコードなのです。デジタルデータ化されたCDの音源よりも、アナログ音源のほうが録音時の音に近いから、良いというのです。なるほど、それならば本当に大事な曲はCDよりアナログレコードで残しておくほうが良いということになる。そこでM村に電話して詳しく聴いてみました。するとさらに大変な事実が判明するのです。

 

M村「アナログレコードの中でも、45回転シングル盤のモノラルが良い」

 

細かい解説は省きますが、レコードはレコードでも、アルバムではなくシングル盤の方が音が良く(回転数の違いによる)、さらにステレオ録音よりもモノラル録音のもののほうが音が良い(音溝の作りによる)。よってモノラル録音されたシングル盤のレコードが一番音が良い、という結論になりました。話が、どんどんマニアックな方向に進んでいく!

 

そんな話をしていたら居ても立ってもいられなくなって、なんでもいいからその音質のいいレコードを聞きたくなってしまいました。うーん、どんだけ違うんだ。でもレコードプレイヤーは引っ越しで処分しちゃったし、45回転のモノラル盤なんて持ってない。そうM村に話すと、彼は電話口でにやりと(多分)笑いながら「そんなに聞きたいなら、今度うちで珠玉のレコード聴き会をやろうぜ」と誘ってくれたのです。これは面白いことになってきた!

 

というわけでAppleMusicがもたらす3つ目の生活の変化は、大学の友人とアナログレコードを聴く週末を迎えること。これはちょっと、予想していなかった。

 

 

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2015-07-23 | Posted in ライティング・ラボ, 記事

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