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ライティング・ラボ

左利きは右から考える ―「上乗せ」発想という方法論―《天狼院ライティングラボ 秋山 智さん》


 

( こちらの記事は、天狼院ライティングラボの秋山 智さんに書いていただきました。)

僕はそれなりのメモ魔である。

もちろん、ほかの人と比べたことはないし、プランニングやライティングなどを職業としている人たちにとってみれば赤子のようなものだろう。

 

思い起こせば、メモは小学生のころからの習慣になっている。小学生のときは、遠足に鉛筆とノートを持って行き、見聞きしたことをそのまま書きなぐっていたし、高校生のときは、とある大会への移動中にネタ帳をしたためていた。その程度には取り留めもないことをメモする人間であった。

 

同じような感覚を持つ人もいるかと思われるが、僕はメディアに触れるとき、常に携帯端末やメモ帳を手にしていないと落ち着かない。どこで何を思いつくかわからないからだ。テレビを見るときには常にスマートフォンを手に持っているし、映像はパソコンで見て、考えやアイデアなどが頭をよぎった瞬間にテキストエディターでメモをする。

だから、たとえば映画や演劇などを見に行ったとき、大画面で視聴できたり、空気感や臨場感を味わえたりすることに満足はするものの、ファーストインプレッションをリアルタイムで記録できないことを少し残念に思う。

 

メモ帳としては、僕は普段、A4の横書きのリングノートを使っている。重要に思ったことをただ書き写すのではない。重要に思ったことと自分の考えを、3色のペンを使い分けながらメモしていく。

実をいうと僕は左利きなので、リングノートは書きにくい代物だ。右利きの人にはわからないかもしれないが、メモ帳と机との段差やリングに左手が当たり、書きにくいことこの上ない。それなら「なぜ使っているのか」と問われると困るが、スペースを取らないことと切り離しやすいことが一応の理由である。

 

とある冬の日。

喫茶店でいつものように、ペンを左手に、メモ帳をテーブルに置き、メモをしながら本を読んでいた。寒波の到来により、ひどく寒い日だったせいか、手がかじかんで思うように文字が書けない。左から右に文字を書こうとすると、段差やリングのせいで手が震えてしまう。

そこで僕は、いきなり空白のページの右半分から書き始めることにした。段差がない分、案の定、書きやすい。もったいないとは思いながらも、ページの左半分を空けたまま、右半分だけに縦にどんどんメモを書き込んでいく。

ページの下まで書き終えたとき、左側が空いていたので、矢印でつなげ、メモしたことから派生するアイデアを右側に書き込んでみた。左、さらに左へと。

たとえば、ちょうどこんな感じ。

 

「モテるチョコの雑学」←「バレンタインデー」←「季節のイベント商戦で無理やり本を売るには?」

一番右のメモが最初に書き込んだものである。

 

すると、思いのほかするするとアイデアが飛び出してくる。右から左へ、そしてまた右から左へと。

今日は調子がいいなと思った。そして、この喫茶店は居心地がいいなとすら思った。そしてこうも思った。果たしてこれは、自分の体調や環境が要因なのだろうか、と。

 

そこで気がついた。

これまで私はメモをするときに、メモした先から左手で、書いた内容を隠していたことに。

書いた内容が隠されてしまうと、先に記録した内容が見えず、白紙にメモを書き込むのとあまり変わらない状態になる。それはきっと脳にとって効率が悪いことなのだろう。

 

おそらく、発想は「上乗せ」で展開していくべきなのだ。

一つ考えたら、それを土台にして次のアイデアを展開する。マインドマップがそうであるように、それが効率的な発想法なのだろう。

我々は目に入るものを糧にしてしか発想できない。発想するためには、その前提となる「刺激」、つまり「情報」に触れていなければならないのだと思う。

人間は忘れやすい動物であるようだから、常に情報を「目」に入れ、目に入れた情報を統合して「考える」のが効率的なのだ。そして、前提となる情報が良質であればあるほど、それに「上乗せ」された発想も良質になる可能性が高くなる。

 

だからおそらく、良質かどうかわからない情報を多量に摂取しようするより、少量であっても、ある程度の検閲を経た良質の情報を摂取し、それをもとに発想しようとすることが大切なのではないだろうか。これが、良質な発想を生み、考える力を養うための、シンプルで実践しやすい方法ではないかと思う。

 

無理にゼロから発想しようとするな。

無理に多量の情報に触れようとするな。

良質で最小限の情報をもとに、自らの考えやアイデアを持ち、地図のように思考を広げていくことこそが、考える力につながるのだと思う。情報をただ浴びることが「考える」ことではない。情報をもとに自分の思考を広げていくことが「考える」ことであるはずである。

 

というわけで、左利きの皆さんは、ぜひこの方法を試してみてほしい。すでに周知のことなのかもしれないけれど。

そして、左利き用の横書きノートや手帳が開発されるといいなと思う。これは個人的な希望……。

 

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2015-01-06 | Posted in ライティング・ラボ, 記事

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