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占い好き女子を嫌いにならないで!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:プラム・レイン(ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
 
 
女子の90%ぐらいは、占いが好きだと思う。
でもこの気持ち、男性にはわかってもらえないのだ。
 
私は、6年前占いにはまっていた。それは、とても身近な人を好きになってしまったからだ。誰にも言えず、ただ毎日緊張の連続。でも心が苦しいような、ドキドキが楽しい日々が続いた。
そんな時に飲み仲間のRちゃんが「いつも行っているバーで、占いを始めたそうですよ! 今日行きませんか?」
「そうなんだ、面白そう! 行こう」と即決した。
 
バーに着き、早速占い師さんに占いをお願いしたところ
「料金は20分2,000円。それ以上延長する場合は10分単位で追加料金1,000円です」と占い師さん。
最初にRちゃん、そして私の順番で、通されたカウンターから、声が聞こえるか聞こえないぐらい離れた席でひとりずつ占いをしてもらった。
いよいよ私の番になった。
占い師さんは、私より少し若いが、キャピキャピした感じがなく落ち着いていて、どこか影があるような女性でした。アラビアンな格好をした占い師さんは、タロットカードと火がついた蝋燭が置かれていたテーブルの前に座っていた。
「何を占いましょうか?」
「私が結婚できるかどうか占ってください」
「それはできません。未来を決定づけるようなことはしません」
ちょっとがっかり。
どうしても占って欲しかったことを小さな声で
「私は身近のSさんのことが好きです。この恋がどうなるかを占って欲しいです」と言うと、占い師さんはタロットカードを握り、シャッフルしながら、占いを始めた。
そして、やや大きめな声で「では、Sさんとの恋を占います」
「えー! 大きな声で言わないでください」と私は慌てて、占い師さんに自分の顔を近づけた。すると、私の前髪の毛に火がつき燃えた。占い師さんもびっくり。一緒に髪の毛をパンパン叩いて、やっと消えた。
実は、私が密かに思いをよせているSさんは、Rちゃんも知っている人。一緒に占いにきているが、どうしても私の密かな恋の悩みを聞かれたくなかった。
何かを察した占い師さんは、シャッフルしたカード中から私が選んだカードを見ながら、今度は小さな声で
「占います。う~ん、彼も、あなたのことを想っていますが、どうしようかと迷っています」
「そ、そうですか」と、私はニッコリ。
言って欲しいことを言われて、嬉しかった。
さらに続けて、
「身近すぎて、思いを伝えるかどうか悩んでいます。どうしたら、いいですか?」
「待っていれば、その恋は実るでしょう」と。
占いは20分という短い時間だったが、初対面の占い師さんは「私の恋」について客観的に淡々とアドバイスをしてくれた。
それからはというと、Rちゃんとたびたび占いに通うこととなった。
私たちが占いに通い続けていることは、同じバーでたまに会うKくんにばれた。この時期、ちょうど売れっ子のタレントさんが占い師に洗脳されて、番組を降りたというニュースが賑わせていた時と重なっていた。
Kくん「占いに通っているんだって! 大丈夫? 占い師に洗脳されているの?」と、ドストレートの質問。
私「いやー、なんか話聞いてくれるから、面白くって」
まさか密かに恋しているSさんのことを相談しているなんて、言えない。ほっといて欲しいと力強く思った。男性には、この気持ちわかってもらえないだろう。
それから占いに何度か行っていたが、金欠になったのと、密かな恋は占い通りに全く良い方向へと進まなく、結局占いに飽きてしまって通わなくなった。でも、占い師さんの占いが当たらない。お金を返して欲しいとは、全く思わなかった。
その後、定期的に占ってもらおうとは思わなくなったが、友人同士で占いについて盛り上がり、たまに占いには行っていた。
女子4人で、有名占い師Sちゃんの韓国料理を食べて、占いをしてもらおうという会をしたことがある。
Sちゃんは、辛口占い師としてテレビに出演していて、なかなか占いをしてもらえないほど人気だった。どうにか電話をかけまくり、予約が取れた。まずお店に行って韓国料理を食べ、その後順々にテーブルを回ってきて、テーブルごとに占いをしてくれた。
誕生日と名前を書いた紙をSちゃんに渡した。
「何を占ってもらいたい? 4人いっぺん占うよ」
「では、結婚できるか占ってください」
「A子とB子は結婚できる、まじめだから。もう2・3年したらできるね」
「あなたとC子は変わってる。結婚できないよ。でも、結婚できない分、やることないから、仕事できるね。そして、同じマンションの隣同士で死ぬまで仲良しが続くね」と噂どおり辛口の占いをしてくれた。
 
そして月日が経ち、Sちゃんの占いどおり、A子とB子は結婚した。そして結婚できないと言われた2人組の私とC子は、結婚しておらず、でも仕事は順調というほど稼げてなく、働き続けている。確かに占いは、ほぼ当たったが、占い師Sちゃんに対して、すごいとか、ついていきたいという感じはなく、その時のエピソードは今でも笑い話になっていて4人の思い出だ。
 
私が占いに行く以前は、友人に「占いは当たらないよ。インチキでお金取られるのは嫌だ」と言ったことがある。友人は「占いは統計学だから、インチキではないよ。それに、政治家の先生や大企業の社長が決まった占い師に相談に行くことはよくある話だよ」
占いは、インチキ? 統計学? と答えはよくわからない。
占いに依存する人もいるにはいる。
 
でも、占い好き女子が占いに行くのは、当たるか当たらないかより、まず自分の悩みを聞いてもらって、ひと安心。そして、幸せの青い鳥を探してくれるような道先案内人が占い師さんに思えるのでしょう。ほとんどの女子は、自分の未来は自分でどうにかしなければならないことは、わかっています。
だから、占い好き女子を嫌いにならないでください。
ちょっと道に迷ったので、誰かの意見を聞きたいだけです。
 
 
 
 
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2020-01-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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