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メディアグランプリ

【ありのままでいる、という偉業】


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:杉下真絹子(ライテイングゼミ日曜コース)
 
 
めちゃくちゃ震えた。
久し振りに魂が震えるまでの音色を聴いた。
 
彼女が出すピアノの音色が、まるでそこに居た人たちにやさしく語り掛け、映像が浮かぶ、
そんな音を奏でる人に出逢った。
 
それだけでなく、音と音の間にある沈黙にも物語と感動が見えるのだ。
 
平日の夕方、たまたま義理の姉にピアノコンサートがあると誘われ、子連れ(しかも無料)でも大丈夫と言われたので、軽い気持ちで見に行ったら……。
 
ピアノの曲が流れ始めると、
それを聴く私の心は、完全に鷲づかみにされ、
どこからやってきたのかとさえ思える感情が私の内側から溢れ出し、
私は気が付いたらピアノの音色に共鳴し、大粒の涙を流していた。
 
野田あすかさんというピアニスト。
生まれつき自閉症スペクトラム障害を持っているそうで、幼少時代から多くの困難を超えて、ここまで来られたとのこと。
http://www.nodaasuka.com/
 
だからこそ、彼女自身が作曲したピアノ曲
「生きる。」
(写真家井上浩輝さんと共に北海道の雪の中に生きるキタキツネを見た感動から作った曲)
 
「木漏れ日の記憶」
(友達もできず、寂しさいっぱいの校庭の木の下で一人座っていた時に、上を見上げた時に差し込んできた木漏れ日の思い出の曲)
 
などの音色を聞いていると、私たちも一体感と共に、見る見るうちにそこに居る、
そんな体験だった。
 
実はこの感覚、私だけでなく、そこにいた方の多くが音色に共鳴し、感動し、涙を流していたのである。
 
彼女の凄さとは、何なのだろうか。
どうしてここまで彼女の織りなす音色に共鳴し、感動できるのだろうか。
 
今や、巷に音楽は溢れかえり、携帯でダウンロードすれば、タダで好きなだけ聴ける。
テレビでも、携帯でも、音楽はBGMのようにずっと私たちの日常生活の中で流れ続けている。
もはや、音楽はもう当たり前すぎて、雑音にしかなっていないこともある。
 
そんな雑音ばかりが耳に入ってくる生活をしていると、素晴らしい音楽も見逃してしまうのではないかと思えるが、人間の感性はまだまだ衰えてはいないことが分かった。
 
あすかさんは、幼少期から自閉症と知らない中、周囲との違いを自覚しながらも、いじめ、不登校、転校、退学、自傷行為などを繰り返し、壮絶な少女時代を過ごしてきた。
 
そんな中、彼女の人生の中で、自分は「ありのまま、そのままでいいのだ」と思える出来事が二つやって来たそうだ。
 
一つは、「広汎性発達障害」という診断が確定したこと。
この障害は先天性であり、そもそも自分の努力だけでは難しいことや、両親の育て方ではないことが分かったことだけでも、すべてを受け入れやすくなったそうだ。
 
もう一つは、素晴らしい音楽の先生に出逢ったこと。
それまで、これはダメ、あれはダメと否定され続け、自分を否定し諦める人生を過ごしてきた彼女に、
「あなたの(ピアノの音)は、いい音ね。あなたは、あなたの音のままでとても素敵よ。あなたは、あなたのままでいいの!」と言ってくれた言葉が、彼女の人生に光を射したことだった。
 
そんな彼女の壮絶な人生の先に見えてきた
【ありのまま(の自分)をそのまま表現する】
 
とても純粋で神聖な彼女のハートの奥深くから、私たち一人一人にダイレクトに語り掛けてくるため、普段感情をオブラートに包んで、感じないようにしている私たちの心の奥深く、にまで浸透しないわけがないのである。
 
彼女は、見事に様々な感情を音色で表現することができる。
寂しい、嬉しい、楽しい、疲れた、我慢できない、大好き、喜び、などなど……
 
その音色や感情に共鳴して、聴き手である私たちは、様々な映像や色んな思い出が其々の中に蘇ってくるのだ。
それは、すでに封印してしまった感情かもしれない、遠い昔の喜びに溢れた思い出かもしれない。どんな感情であれ、映像であれ、思い出であれ、それは各人の中では、今まさしく大切な感覚としてやってくるのである。
 
私は、「生きる。」のピアノ曲を聴きながら、二匹の(姉と弟)キタキツネが、厳しい冬、真っ白な雪の中を、寒さを忘れるほどにぴょんぴょん跳ねながら、遊んでいるイメージが出てきた。
まさしく、キタキツネの【喜び】を表現する音色を聴きながら、私自身の奥深くに眠る【喜び】の感情にも触れることができたのである。
 
そこには、常に【あなたのままでいい】というメッセージがぎっしりと込められているのである。そして、そこに私の魂が共鳴していたのだと思う。
 
思想家・哲学者のラルフ・エマーソンの
「絶えずあなたを何者かに変えようとする世界の中で、自分らしくあり続けること。それがもっとも素晴らしい偉業である(To be yourself in a world that is constantly trying to make you something else is the greatest accomplishment)」
という言葉が、あすかさんの曲を聴きながら、ずっしりと感じられた。
 
多くの大人たちが、忘れ去ってしまった「ありのままの自分」を
こうして本物の音楽を通して取り戻していく……
なかなかステキなことだと思いませんか。
 
 
 
 
***
 
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2020-01-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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