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自分の空間を創造する、圧巻の5K !《週刊READING LIFE Vol.66 買ってよかった! 2020年おすすめツール》


記事:黒崎良英(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 

あなたはパソコンを買い換える際、何に注目するだろうか?
 
様々な機能?
携帯性?
それともデザインや音響?
 
様々あるが、昨今ではこんな選択も迫られる。
 
すなわち、MacBookなどのApple社の製品か、マイクロソフト社のWindowsをOSに搭載したパソコンか、である。
 
長らく後者のWindows派であった私だが、この度購入選んだのはApple社の製品である。
 
そしてこれが今回、私が紹介したい“買い”であった物だ。
 
2019年末、私は、およそ7年ぶりにPCを新調した。
 
一応言っておくと、2020年にサポートが終了するマイクロソフト社のOS、Windows7が関係している訳ではない。
もちろん、まだWindows7のままのパソコンも所持しているが、これはまぁ、Windows10にOSだけ入れ替えればよかろう。
 
問題は、メインとして使っているマシンが、Apple社の「Mac Book Air」の2012年モデルだということである。
 
確かに優秀な機体であるが、流石に無理が出てきてしまった。
それに、私がしたいことが増えた。写真編集ならまだ耐えられるが、動画編集となると、やはり無理が出てくる。
 
動画の勉強を始めることもあって、良い機会だからと、私は愛機の新調を決心したである。
 
結論から言おう。
私が新たな愛機として選んだのは、
 
『iMac Retina 5Kディスプレイ』である。
 
簡単に紹介すると、Apple社のMacシリーズの中での「デスクトップパソコン」の立ち位置である。驚くほど薄い画面に本体も入っている、いわゆる「画面一体型パソコン」だ。
 
さて、Apple社製品に詳しい方もそうでない方も、「あれ? ノートパソコンにしないの?」と思われるかもしれない。
確かに、この時代「モバイル性=持ち運びができるか」というのは大きな問題である。
テレワーク然り、仕事は何も仕事場でしなくても良いし、また、どこでも可能である方が望ましい。
また、住居においても、結構なスペースを占拠するデスクトップパソコンは、時として邪魔となる場合もある。その日の気分で仕事や作業を異なる場所で行いたい、というのが、現代の潮流ではあると思う。
 
実際、私もノート型のApple社製パソコン『MacBook Pro 16型』を考えた。そして悩みに悩んだ末の決断であった。
 
私も文章を書くときは家を飛び出して他所で書く場合が多いが、それを犠牲にしてでもこの据え置き型にする価値は、大いにあったわけである。
 
まずは、何と言ってもそのモニターの巨大さである。やはり「27インチ」と「5K」の文字は伊達ではない。幅65㎝、台座含めた高さは51.6㎝もある。ただ、画面の大きさに反して、奥行きは20.3㎝と、意外と普通のモニターである。
私の家の仕事机にも難なく(というのは流石に言い過ぎだが、少なくとも特別な問題もなく)設置ができた。
この大画面かつ省スペースを可能にしたフォルムも、私の触手が動いた一因である。
やはり、「大画面」というのは素晴らしい。それだけで大きなアドバンテージとなっている。しかも画面の一つ一つの素子が、網膜=Retinaより小さく、その存在が視認できない「Retinaディスプレイ」である。とかく美しいことこの上ない。
試しにYouTubeの4K動画を全画面再生してみたが、何とそれでも少し「粗さ」が見えてしまうくらい、高精細であった。
 
流石にノート型であるMacBook Proには4Kディスプレイを搭載されていない。
これを別に外部出力で4Kディスプレイに表示しても良いが、それではコストがかかり過ぎる。
 
ならば、こちらとて5Kモデルではなく、4Kモデルで良いのでは、と思われるかもしれない。
 
実際、私も当初iMacにするならば4Kモデルを考えていたし、5Kとなるとオーバースペックかなと、思ったものだ。しかし、これがコストという面を考えたとき、意外な方向に答えが導き出せる。
 
私はとにかく、重い動画編集にも耐えられる、中級〜上級程度の性能を持つマシンを探していた。
そこで押さえておきたかったのは、メモリ容量である。
念のため説明しておくと、メモリとは、簡単にいうなら仕事をするスペースである。これが広ければ(=数値が高ければ)同時にいくつもの作業ができたり、作業自体が早くなったりする。
で、このメモリ、普通は8GBという数値で搭載されている場合が基本となる。増やそうと思うと、オプションとなり、すなわち追加料金が発生してしまう。
これが曲者だ。
メモリを16GBにしようと、つまりもう8GBを追加しようとすると、何と、2,200円も跳ね上がってしまうのだ。市販の物を変えば5000円足らずで購入できるものを……。
これに加えてiMac4Kモデルを、私が望むスペックまで性能を上げると、公式サイトだと基本スペックの5Kモデルに値段が近くなるのである。さらに買おうと思っていた場所は家電量販店であり、そこでは10,000円引きのキャンペーンを行なっていた。もちろんポイントもつき、それでMac用Officeを手に入れることができた。こういう値引きができるのが、大手家電量販店の強みである。
 
ところで先ほどのメモリの話だが、では他の場合でも、例えば最初に買おうとしていた4Kモデルでも、自分でメモリを買って付け足せば良いと思われるかもしれないが、残念ながらそれはできない仕様になっている。
 
そう、iMac5Kモデルは、外部から自分でメモリを挿入できる、Apple唯一のマシンでもあるのだ。
 
このメモリの力であるが、今回大いに驚かされたことの一つである。今までネット上の動画が遅い理由を、ネット回線の遅さだとすっかり思っていたが、なんの、やはり光回線は偉大だ、と理解することができたぐらいである。
4K・5K動画がするする動くのである。ストリーミング再生も然り。ローディング時間がない。どうも今までの動画の遅さは、やはり低いメモリに因るものであったようだ。
 
ハード本体も優秀だ。「Fusion Drive」という、SSDとHDDの合いの子みたいな物を使っている。プログラムを走らせる部分ではSSD部分を使い、保存等はHDDを使う、という風なもので、流石に全てをSSDにした物ほどの速さは出ないが、作業上遜色なく、ストレスのない作業が可能となっている。ちなみにこれも、公式サイトで全部をSSDにする選択肢も取れるが、やはりコストはグンと上ってしまう。
 
マウスとキーボードも付属する。マウスはApple社お得意の「マジックマウス」という奴である。表面がツルツルとしたもので、普通のマウスにあるべきボタンも、ホイールもない。ではどうすれば良いかというと、ホイールの代わりにそのツルツルな面をなぞれば良い。それでホイールを回したように、画面をスクロールできるのである。摩訶不思議である。まさにマジックマウス。ボタンも何となく右側を押せば右クリック扱いになるし、人差し指あたりを押せば普通にクリックとなる。もちろんキーボード共々無線接続である。
設定でもそこらへんの操作は変更可能だし、どうしても使いづらければ他社製のマウスも使用可能である(ただしマウス自体の説明書をよく読み、適用可能か確認の上で使用したい)。
 
そして、注目すべきはお値段である。具体的には出さないが、これだけ込みで、あのMacBook Pro16型より安いのである。いつの世もデスクトップ型はノート型に比べコストパフォーマンスに優れているとはいえ、5Kディスプレイをつけてこの値段というのは驚きである。
 
さあ、もはや大きいこと以外に欠点はないかに見えるiMac5Kモデルであるが、その通り、この大きさが最大の長所であり欠点でもあるのだ。
 
素晴らしさを詰め込んだこのハイスペックマシンであるが、当然ながら持ち出してどこかで作業をする、なんてことは不可能である。そして昨今のパソコン購入基準には、このモバイル性がすこぶる重要視される。確かにスペックだけ見れば、MacBook Proと同程度である。そして値段もそれより安価だ。
だが、それはモバイル性を犠牲にしたからこそ為せる技である。
逆にいえば、このスペックとモバイル性を両立させたからこそ、MacBook Proは名機と名高く、またそれ相応の値段なのである。
 
私も様々な人に相談した。iMacかMacBook Proか。
そして大体の人が後者を推薦するのである。なるほど、確かに皆アクティブに活動する方々である。家だけではなく、様々な場所で仕事ができる方が良い、少しの時間も無駄にせず、移動中の電車の中、飛行機の中、様々な場所で作業ができる方が良い、というのだ。
 
その意見には大いに賛成である。しかし、だ。作業というならば、私の場合、その7年前に買ったMacBook Airで事足りるのである。もし移動中に仕事をするのならば、十中八九、私が行うのは文書作成である。写真編集や動画編集を、外に出てまで行おうとは思わない。
 
であるならば、これはもう主力ベースマシンと割り切って、据え置きにしてしまっても良いのではないか。何よりあのコストパフォーマンスはかなり優秀なのだし。
 
そうして、私はiMac Retina5Kモデルを選択したのである。
 
ただし、これは万人に推薦できるかというと、必ずしもそうではない。これにはいくつかの幸運、というか条件が合わさっていた。
 
まず、この巨大モニターを置ける机のスペースがあったこと。割引キャンペーンをしていたこと。そして、モバイル機器は別に持っていたことである。
 
では、これが据え置きであることと、美しく迫力を持ったモニターを備えていることで、出来うることは何であろうかと考える。
もちろんやりたいことは具体的にいくつかある。また抽象的なこともいくつかある。
そういったことを含め、私はこれで、自分の創造空間を構築したいと思っている。
 
このノートパソコンが当たり前で、一箇所に固執しないで仕事や作業がなされるべき世の中で、私はあえて、私が安心できる空間を創りあげたい。
かっこよく言えば本拠地とか、基地とか、ともかく、仕事を含め私が創作活動を行うに当たって、基盤となる場所・空間である。
 
これがあるから安心、この場所へ行けばあれやこれや何でもできる。場所の自由さを失う代わりに、私は一ところで腰を据えて、時にじっくりと考え、時にスピーディーに作業をする、というカッコイイ自分を夢想する。
いや、それくらい許されるであろう。
 
良いツールは使用者のライフスタイルも変える。
皆さんにも、この生活感の変化を味わって欲しいものである。
 
「光陰矢の如し」
 
とはよく言ったものだ。
技術の進歩は目覚ましく、10年一昔と言われていたのが3年一昔になり、もはや1年単位で一昔になりそうな勢いである。
 
その中にあって、性能的にそろそろ打ち止めかなぁ、と思っていたのが「パソコン」である。
 
もちろん、パソコンの技術は実際まだまだ進化し続けている。ある会社は小型軽量を追い求め、ある会社はコストと速さの両立を追求し、はたまた音響や映像に力を入れる会社もある。
 
まだまだパソコンは伸びしろを残しているツールである。
 
それなだけに、私は、「要求されるべきスペックは、もはやどのパソコンでも満たしているな」と感じたのである。
 
様々な技術・機能が年を追うごとに搭載されて行くパソコン。従って、新しい機能が搭載されたパソコンが欲しい、と思っても、それをしのぐ機能が次の年、いや、下手をすると次の月にはもう出現しているかもしれない。
 
これではキリがないと思い、自分に言い聞かせる意味でも、「パソコンもそろそろ打ち止めかな」と思うようにしていたのである。いつ買っても、後悔しないように、と。
 
しかし今回のiMacを手にして、私は襟首を正す、いや、正座でもする気持ちである。
 
パソコンは日々進化する。だが、その時その時が間違いなく買い時であり、今回手に入れたこのツールは、間違いなく“買い”なツールであった。
 
 
 
 
 

◽︎黒崎良英(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
山梨県在住。大学にて国文学を専攻する傍ら、情報科の教員免許を取得。現在は故郷山梨の高校で、国語科と情報科を教えている。また、大学在学中、夏目漱石の孫である夏目房之介教授の、現代マンガ学講義を受け、オタクコンテンツの教育的利用を考えるようになる。ただし未だに効果的な授業になった試しが無い。デジタルとアナログの融合を図るデジタル好きなアナログ人間。趣味は広く浅くで多岐にわたる。

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