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たのしくておいしい手作り味噌のススメ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大野百恵(ライティング・ゼミ特講)
 
 
私は料理がとても苦手である。40代にもなって1人暮らしも長いが、料理ができない。ご飯はかろうじて炊ける。あと作るものといったら味噌汁くらいで、納豆、漬け物が毎日の献立だ。一時期は玄米菜食にはまったこともあるが、今は肉でも魚でもなんでも食べる。とはいえ、料理ができないので、肉料理や魚料理は外食で食べるくらいだ。
 
そんな私だが、味噌だけは毎年手作りする。この町に住むようになり、地元の方とお話しすると、味噌を自分でつくっている人が多いのである。
 
「え! 味噌って作れるの?」
 
最初はびっくりしたが、みんな「簡単だし、おいしいから作ってみたらいいよ」というので、私も作ってみようと思った。
7年くらい前にたまたまみつけた味噌づくり教室に参加し、それ以来毎年作るようになった。
 
本当に簡単だし、おいしいのである。なによりも味噌づくりは楽しいのだ。
 
私がいつもつくるときの材料は、大豆1キロ、こうじ1キロ、塩500グラムである。これらはすべてスーパーで手に入る。できれば、地元の直売所や自然食品店で購入すると、スーパーで買うよりも安くて質がいいと思う。もっとこだわる人はこうじも手作りするようだが、そこまではやったことはない。
 
材料とは別に味噌を仕込む容器とラップも必要だ。初めてつくったときはホームセンターでホーローの容器を購入したが、今は陶器のかめをつかっている。ラップはカビがはえないように味噌を覆うもので、ササの葉でもよい。
 
味噌づくりをするなら今、冬が適している。これにはいくつか理由がある。調べたところによると、①低温でゆっくり時間をかけて発酵させた方がおいしくなる。②冬は雑菌が少ない。③大豆もこうじ(米)も秋に収穫するので新鮮な材料を使えるからだという。
味噌を作る日を決めたら、前日までに材料をそろえ、前日から大豆1キロを水に浸しておく。
 
当日は、大豆をとにかく柔らかくなるまで煮る。圧力鍋を使えば短時間でやわらかくなる。うちは薪ストーブなので、大豆と水をいれたなべを薪ストーブの上に4~5時間置いたままにしておくと、柔らかくなっている。
(薪ストーブを使えるという意味でも冬は味噌づくりに適している)
 
大豆が手でつぶせるほど柔らかくなったら、大豆をとりだし、大きな容器(私はたらいを使う)にこうじ1キロと塩430グラムくらいと、大豆の煮汁を入れて混ぜる。このとき煮汁が熱いとこうじが死んでしまうので、人肌に冷まさなければならない。
 
そのあとに大豆をとにかくつぶす!すり鉢やマッシャーなどいろいろ道具があるようだが、私はとにかく手で握りつぶしまくる。これがとても楽しいのだ。子どもの頃のどろんこ遊びを思い出す。柔らかくなった大豆は手で握るとぎゅっとつぶれて指のすきまから飛び出す。なるべく原型を保った大豆がなくなるようにまんべんなくつぶしまくる。つぶし終わるまで、だいたい1時間くらいかかる。
 
大豆をつぶしている間に、こうじと塩、大豆の煮汁がちょうどいい具合にふやけているので、そこにつぶした大豆を投入。再度混ぜる。そのあと手で丸めて、樽の中にたたきつける。これも楽しい。くるくるっと丸めて、えいやっとたたきつける。とてもストレス解消になる。最後はなるべく平らになるようにたたきつけて、残しておいた70グラムくらいの塩をふり、ラップやササの葉で覆って、重石をいれて蓋をして終わりである。重石がなければ塩の入った袋でもいい。大豆が煮てある状態からだいたい2〜3時間もあれば終了である。
 
夏になったら、天地返しといって、蓋をあけて、カビを取り除き、上から味噌を取り出し、別の容器にくるくるっと丸めて叩き付けて同じようにラップなどで覆って蓋をしておく。した方が美味しくなるというだけで、しなくてもいい。次の冬には食べられる。
 
要は、大豆:こうじ:塩=2:2:1の重量割合で用意して、大豆をやわらかくなるまで煮て、それらをすべて混ぜてぐちゃぐちゃにして、くるくるっと丸めてたたきつけて1年間ほっておくだけなのである。
 
それなのに、めちゃくちゃ美味しい。手作り味噌を食べると市販の味噌が食べられなくなる。発酵に詳しい友人によると、これには理由があって、大豆をつぶしたり、丸めるときに、作る人の手に住んでいる菌たちが味噌に入り込んでいるから、作る人にとって最もおいしいと感じるそうである。子どもにとっては、お母さんがつくる味噌が一番おいしい。私にとっては、私がつくる味噌が一番美味しい。
私の腸内菌が手作り味噌で育って、健康に過ごすこともできる。
 
こうしてつくった味噌は、一人でちょうど1年間で食べきるくらいの量である。
 
今年も味噌づくりの季節がやってきた。大豆と塩は手に入れた。こうじはどこから購入しようか。いつもはラップを使っていたが、今年は雪が少なく、ササの葉も出ているのでササの葉をとりにいこう。今年はプラスチックのラップではなく、自然のササの葉で覆うようにしようと思う。
 
こんなに簡単で楽しい味噌づくり。しかもちょっとはお金も節約できて、健康にもいい。
みなさんもぜひ一度つくってみてはいかがでしょうか。
 
 
 
 
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2020-01-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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