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■デール・カーネギー「人を動かす」を実践した結果は……


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:バロン(ライティング・ゼミ特講)
 
 
人間関係の神様と呼ばれる、デール・カーネギーの著書
「人を動かす」(創元社)では、こんな一節がある。
 
「人間は、たとえ自分がどんなに間違っていたとしても、決して自分が悪いとは思いたがらないものだ」
「自尊心を傷つけられた相手は、結局、反抗心をおこすことになる」
と。
 
人は、当たっていることを指摘されると腹が立つもの。
それが、正しければ正しいものほど、認めたがらず、自己防衛を始める。
 
そんな出来事が身近に起こった話である。
 
私は、4世帯が入居している車庫付きアパートに住んでいる。
妻との2人暮らし。
車庫にはそれぞれの世帯、1台分の車を入れることができる。
 
我が家では、2台の車を保有している。
2台目の車は、自分たちの車庫の前に駐車している。
 
車庫に入っている車を使うときは、ちょっと不便だ。
なぜなら、車庫前に駐車している車を、いったん移動させてから、車庫に入っている車を出し入れするからだ。
 
2台の車を保有するアパートの世帯は、通常、このようなスタイルをとっている。
ある日、同じアパートに住む30代の夫婦が、2台目の車を購入した。一番の古株世帯だ。
どうやら奥さん用の軽自動車らしい。
 
購入した日から、その車を、自分たちの車庫の前ではなく、
アパートの入り口前に駐車するようになった。
 
入り口玄関前は、共有スペースである。
来客用の車は、多少の時間、そこに駐車することは許容範囲とされていた。
 
しかし、その30代夫婦は、
本来であれば、2台目の車は、自分の車庫の前に置かなければならないところを、共同玄関前を駐車場として使い始めたのだ。
おそらく、車庫の中にある車をいちいち移動させるのが面倒だったのだろう。
 
アパートの玄関前に駐車されたことにより、出入りする際には、狭くなり、不便でストレスを抱える生活が始まった。
 
買い物などで荷物を持っている場合でも、車に触れないよう注意しながら出入りしなければならなくなった。
 
特に冬は除雪問題がある。
私が住んでいるところは、北海道の豪雪地帯である。
雪が降ると、除雪車が車庫前の雪を取っていってくれる。
しかし、その年の冬からは、共同玄関前の軽自動車が邪魔になり、きれいに雪を取っていくことができなくなった。
 
共同玄関のすぐ隣にある私の車庫前には、いつも雪が残る。
その残った雪を、いちいち自分たちで捨てなければならない。
そんな手間が発生するようになった。
お金を払って除雪車を依頼しているのに、他人の車が邪魔できれいにとってもらえないという、ストレスを抱えていた。
 
特に、うちの妻は、
「共同スペースを駐車場代わりに使うのはおかしい」
「なぜ、私たちが不便を我慢しなきゃならないの」と
不満を漏らしていた。
 
約2年間、狭くなった共同玄関と除雪問題などで我慢する生活を送った。
 
ある日、ちょうど声をかけるのに良い日がやってきた。
共同玄関に駐車してある車の近くに、持ち主夫婦のダンナさんがいた。タイミングを見計らって、私の妻が声をかけた。
 
「共同玄関前に車を駐車することは、大家さんに許可をとっているのですか?」と、聞いた。
 
人は直接攻撃をされると、自己防衛が始まる。
そのため、間接的に、やんわりと言ったつもりだった。
 
これは、デール・カーネギーの著書「人を動かす」に記してある、「遠回しに注意を与える」ということを実践した。
 
すると、ダンナさんは、かなり慌てた様子で、
「いえ、大家さんには話してはいないです」と答えた。
そして、立て続けに、「すみません、すぐに移動させます」と言った。
 
私の妻は、許可をとっているのか? と聞いただけだ。
 
おそらく、本人も内心では共同玄関前は悪いと分かっていて、駐車していたのだろう。
「言われるまではOK」だと思っていたのかもしれない。
 
ただ、最後に一言、「言われて良かったです」と言って去っていった。
そのときは、他人に迷惑を与えていると、素直に認めてくれたものだと、安心した。
 
その日以降、共同玄関の前には軽自動車はなくなった。
 
アパートの玄関前は広くなり、冬季間の除雪問題は解消され、ストレスのない快適な共有スペースを取り戻した。
 
しかし、その日以来、例の夫婦は、私たちには、挨拶をしなくなった。
 
それまでは、軽く挨拶程度はする関係ではあったが、その日を境に、挨拶をかわすことはなく、現在に至っている。
 
やはり、デール・カーネギーの著書「人を動かす」の中で言われていることは、本当であると実感した。
 
その場では、「非」を認めていたが、時間が経過するとともに、反抗心が起こってきたのだろう。
それが図星であればあるほど、腹が立つものなのかもしれない。
 
ただし、その対処法として、「相手の立場を考える」「遠回しに注意を与える」など、これも著書にあるとおりのことを実践していたつもりだった。
だが、本のとおりに上手くいかないこともあるものだ。
 
今回は、良好な人間関係を取り戻すことはできなかったが、快適な住環境を取り戻すことができただけでも、良しとしている。
 
 
 
 
***
 
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2020-01-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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