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メディアグランプリ

いつもギリギリ。朝の駆け込み乗車がやめられないのはなぜか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:関戸りえ(スピード・ライティングゼミ)
 
 
「駆け込み乗車は大変危険ですからおやめください」
 
朝のラッシュアワーの駅構内のアナウンスがひっきりなしに聞こえる。
 
首都圏の鉄道交通事情はかなり過密である。
 
3、4分おきに次の電車がホームにやってくる。
 
なぜ毎朝あのアナウンスが止むことはないのか?
 
私は学生時代、池袋までラッシュアワーの電車の中に押し込まれて運ばれていた。
 
何を隠そう、あのアナウンスの原因の一端は私のせいなのだ。
 
毎朝決まった時刻の電車に乗るために、家からダッシュをするのが日常だった。
 
「この電車を逃すと遅刻する」
 
それが理由だ。だったら余裕を持って家を出ればよいのに、なぜかいつもギリギリになってしまうのだ。
 
腕時計をチラチラ確認しながら走る様は、さながらマラソン選手のようだ。周りには私と同じように駅に向かって走っている人が結構いるのだ。
 
私は彼らに勝手に仲間意識を抱くと同時に、「この人よりも早く走ろう」とターゲットを決めて、必死に走るのである。
 
駅に到着。改札を抜けたところで、乗るはずの電車がホームへ滑り込む音がする。
さあここからがラストスパート。
 
一段飛ばしで階段を駆け下りる。発車の合図の音楽が鳴り止むのと同時に滑り込みセーフ。
朝のラッシュ時は、ドア口ギリギリまで人が立っているので、その中を割り込んで突入するのだ。制服を着た女子高生にぎゅーっと奥まで押し込まれたおじさま達は、どう思っていたのだろうか?
 
ここで、ドアが閉まって無事発車できればクリア。時々カバンや制服の裾が挟まり、周りの人にドアをこじ開けてもらったり、駅員さんがホームから押し込んでくれることもあった。
全く迷惑な乗客だ。
 
しかし、なぜこんな迷惑なことを毎日繰り返すのか?
 
年齢的にダッシュで走ることができない今だからわかること。
 
あれは、あえてギリギリの時間に家を出発し、間に合うか間に合わないかのゲームを楽しんでいたのだ。
 
スリル満点。朝からアドレナリンを出しまくり、無事乗車できれば、ミッションクリア。その日1日気分良く過ごせるのである。
 
逆に、その電車を逃してしまうと、待っているのは校門から締め出しをくらい、遅刻者リストに載ることになり、何度か繰り返すと罰を受ける羽目になるのだ。そんなことは高校生の私にとっては痛くも痒くもなかったのだ。それよりも、スリル満点なゲームを楽しむことが快感だった。
 
だからといって、駆け込み乗車は絶対にやってはいけない。本当に危険だし、駅員さん達にとっては、ストレス以外のなにものでもない。申し訳ありません。
 
電車の出発は遅れるし、最近ではわずか10秒でも遅れると乗り換えに間に合わないほど、都心の電車は複雑に様々な鉄道会社の路線が乗り入れているのだ。
 
時間や期限ギリギリで行動を始めるのは、目標が低いからである。
 
現にほぼ毎朝予定通りの電車に乗れていたではないか。失敗しないという確信がどこかにあって、成功体験の積み重ねをしていたのだ。
 
この成功体験が、今私自身の首を絞めている。
 
 
 
私は今、性懲りもなく、時間ギリギリを楽しむゲームにハマっている。天狼院ライティングゼミに参加しているのだが、毎週の課題提出が課されている。それには厳しい締め切りがある。毎週月曜日の23時59分。午前0時ぴったりに窓口は「ピシャッ」と閉まるのだ。
 
これを書いている今現在、23時40分。湧き上がってくる文章を必死にタイプしている。競馬で例えれば、第4コーナーを抜けて、ゴールに向けてジョッキーがペシペシとムチを打っているところだ。
 
アドレナリン大放出中だ。
 
時計の針が私のすぐ後ろに迫っている。締切りに間に合わなければ、フィードバックを受けるという機会を失ってしまう。
 
このフィードバックは、読者の方に読んでもらうためのスキルを高めるために大変貴重なものなのだ。その機会を失いたくはない。
 
私は気づいてしまったのだ。スリルを味わうために、締切りギリギリに記事を書き始めているのだということに。
 
もし、この記事が時間内に投稿できなくても、そのスリルを味わえたことが成功なのだ。いや、むしろ間に合わないことを潜在的に望んでいるのかもしれない。
 
顕在意識は無論そんな悠長なことは思っていない。お金を払ってフィードバックを受ける権利を買っているようなものだから、絶対締切りに間に合わせたいのだ。出来がよければ書店WEBページに掲載されて、より多くの人に読んでもらえるチャンスが与えられるし、たとえ選ばれなくても、フィードバックを受けることができるのだ。これが次への課題提出へのモチベーションを上げてくれる。
 
文章を書くのに時間のかかる私にとって、格好のゲームなのだ。
 
ライティングゼミの講師を担当する三浦さんが、「締め切り1時間前から書きはじめれば、超集中できて、いい文章が書けるよ」というので先週チャレンジしてみた。自分の能力を知らずに、無謀な挑戦をするものではない。見事に午前0時を2分回ったところで書き終えたが、タイムアウトである。フィードバックを受けるチャンスを失った。
 
ライティングゼミ も含め、すでに10回以上の課題提出を終えているが、ようやく自分の実力がわかってきたところだ。書き終わった後の爽快感が快感になって来ている。
 
ギリギリの行動は、ときに大切なものや機会を失うかもしれない。自分の能力を把握した上で、それに見合った目標をたて、ギリギリでクリアできるところから行動開始することが、何より大切である。賢さを私はライティングゼミに参加することで得た。思いがけない学びに感謝である。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2020-01-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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