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積読するヤツはフィットネスジムに入会するな


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記事:井上敬介(ライティング・ゼミ平日コース)
 
先月、半年通ったフィットネスジムを退会した。
 
去年の健康診断で人生初のC判定を言い渡され、「これはまずい」と思っていた矢先、近所に新しくオープンするジムがあるという話を聞き、申し込みを決めたのだった。
 
ジムの受付で入会手続きを終えた時、私は高揚していた……と思う。
 
これまでも時々ダイエットに挑戦していたのだが、いつもそこまで長く続かず。
始めたときこそ「やるぞ」というモチベーションがあるものの、それが次第になくなっていき、いつのまにかやめてしまうことが多かった。
 
ただ、ジムに通うというのは、人生で初めての体験だった。
また、安くない入会費や月会費を一括で払い、ちょっとハイになっていたこともある。
なんだか「これまでの自分から変わりそうな予感」がしていたのだ。
 
「これだけお金を払ったのだ、絶対に元を取ってやる!」
……そう意気込んでから6か月後、私はジムを退会した。
 
なんとなく予想はついていると思うが、体重は大して変わっていない。体脂肪率が下がって筋肉量が増えたとか、そういうことでもない。ジム入会前とほぼ変わらないカラダで、退会届をジムの受付に提出した。
 
ああ、また続かなかった。なんて自分は意志が弱いんだ……。
ジムに入ると決めた時には「やるぞ」と思っていたはずなのに……。
 
軽い自己嫌悪に陥りそうになりながら帰宅して、リビングで一息ついている時、机に積まれている数冊の本に目が留まった。
私の部屋にはそうやって積まれている本がそこかしこにある。時間がある時に読もうと思って購入した本だ。いわゆる「積読(つんどく)」というやつである。
 
「ああ、そういえば積んでたな。 そろそろ読まなくちゃ…」
 
そんなことを思いつつ本に手を伸ばした時、
「いや、こういう所がいけないのか……」と、ハタと気づいた。
 
私がジムに入会を決めた日には「これだけお金を払ったんだから、ちゃんと通わなきゃな」と思っていた。が、逆にいつでも通えるからこそ「今日は忙しいから」「ちょっと疲れてるしな」と、何かしら行かない理由を見つけて、どんどん行かないようになっていった。
 
今自分の目の前に積まれている本。
これも、書店で冒頭の部分を読んで「これは良さそうだ、よし、買って読むぞ」と意気込んで買ったはいいが「いつでも読めるしな」という思考が働いた結果、読まずに積まれているのではないか。
 
つまり私には「いつでもできることだと優先順位が下がる」というクセがあるのではないか……ということに、その時気づいたのだ。
 
そのことに気づいた私は、後日もう一度、ジムに向かった。
もう一度入会しに行ったわけではない。「日帰り利用(デイユース)」をしに行ったのだ。
 
月会費を払っていつでも行けるようにしていると、逆に行かなくなってしまう。
書いていて自分でも恥ずかしいのだが、私にこういうクセがあるのはもうしょうがないものと割り切って、ジムに行くたびにお金を払うやり方に変えてみたのである。
 
これが、意外と続いている。
月会費を払った方がお得、というところまではなかなか通えていないのだが、少なくともジムを退会する前の1,2か月の時よりは、定期的にジムに足を運ぶようになった。
 
また、ジムに行った時のトレーニングの質も上がった。
以前は「まあまた来ればいいしな」という気になって、そこまで時間をかけずにトレーニングを終えて帰ってしまうこともあった。
しかしデイユースの場合、1回の利用代金が割高になり、それを都度支払っているため「ちゃんとやらなくては」という気分になって、トレーニングにも自然と熱が入るようになったのだ。
 
更に言うと、精神衛生的にも、以前よりも今の方が良い感じだ。
以前は「今日はジムに行こう」と決めていた日に急遽仕事が入ったりすると「ああ、行けなかった……お金払ってるんだから、もっとちゃんと通わなきゃダメじゃないか……」と、自分で自分を責めたりもしていたのだが、今はそれがない。
 
ジムに通う数も増え、質も上がり、おまけに精神的にもグッド。
このスタイルに切り替えてからまだ1か月ほどだが、既に2kgの減量に成功。
もうしばらく、この方法を続けていこうと思っている。
 
ここまで読んでくれた方の中で「自分もちょっと体重が……」とお悩みの方がいたら。
まず、自分の身の回りを見回してみてほしい。
 
もし、読まずに積まれている本があったら……あなたは私と同じで「興味のあるものにサッとお金を使ってしまう」タイプなんだと思う。
 
それは悪いことではないが、唯一、今後ジムに通うかもしれない時が来たら……
その時は「入会」ではなく、デイユースという選択をする方が、あなたにとっては最良の選択になるかもしれない。
 
少なくとも僕はそうだった。
このアドバイスがあなたにとって、何かの役に立てれば幸いである。
 
 
 
 
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2020-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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