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僕の相棒でありお守り

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:石野敬祐(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「こいつをあの時知っておけば、今ごろ僕は違う人生を選んでいただろうか?」
 
いつからだろう、自分の喉の弱さにため息をつくようになったのは。仕事でも、友人や家族とでも、少し話しすぎかと思った直後に間違いなく喉が痛くなる。カラオケで歌ったりするときも言うまでもない。最初は喉の上のほう、鼻にかけてのあたりに乾燥を感じはじめる。徐々にその違和感は広がり、降りてきて、喉の下のほうまでくる。そうなると声もガラガラしてきて、たまにせき込むようになる。さらに悪い時には風邪につながることも。
僕にとっては致命的なことに、普通の生活をしていても喉を使うことが多いのだ。職業柄、お客様の前で話すことも少なくない。研修やセミナーの講師として一日話しっぱなしということもある。さらに、趣味の一つに「歌うこと」もある。
そんな感じで喉との戦いが日常茶飯事な僕。まずいと思った後にいかに早く元に戻せるか、そのために自分をつかった実験を続けている。マスク、のど飴、うがい薬、喉スプレー、マヌカハニー。採る水分にも工夫し続ける。ミネラルウォーター、スポーツドリンク、緑茶、炭酸飲料など。試す中でいくつか自分に合う解を探ってきたが、何か歯車がかみ合っていない感覚があった。
 
昨年の冬のある日。習っている歌の先生に、今日喉の調子が悪くて……などと相談をすると、吸入器というものを教えてもらった。水をミスト状にしてくれる機械で、そのミストを鼻や口から吸いこむと喉が潤うというのだ。これは試すしかない。
 
レッスン帰りにさっそく大きな家電量販店に寄り、某有名家電メーカーのポケット吸入器を購入した。本当は試してから買いたかったが、モノがモノなだけに衛生上試すということができないとのこと。有名なメーカーだから大丈夫だろうと、それを買って家に帰った。
残念ながら思っていたようにならなかった。喉もそこまで潤う感じもなく、さらに霧でむせるのだ。駆動音も思ったよりうるさかった。すぐに使わなくなった。
 
翌週、歌のレッスンで先生が使っている商品名を確認した。そのレッスン中にスマホから購入した。それが「のどミスト」だ。カタログ販売で有名な通販生活というサイトで取り扱っていた。間もなく、僕にはこいつがない生活に戻れなくなった。僕の中で歯車がカチッと噛み合う音がした。
 
こいつを使うと喉の潤いをちゃんと感じ、ちゃんと持続するのだ。こまめに水を飲んでもすぐに喉の奥が乾いていたのに。鼻の奥、喉の奥までミストが届いている感覚がある。先日買ってすぐ使わなくなったものと違う。むせにくい。駆動音も小さい。会社の執務エリアで使っても他の人に気付かれないぐらい。サイズも手のひらサイズ。スマホよりも軽い。ミストの元になる水も普通の水道水でよいので、水の補充もまず心配不要。有名な歌手や落語家が推薦する声も販売ページにも載っていた。難しいことはわからないが、「医療機器認証番号」なるものもついていた。効果は僕だけが感じているものではないということだろう。
 
家で使った後にカバンに入れ忘れ、外出先で使えないことが何度もあった。その度に見事に喉をやられた。ちゃんと持ってきていればと何度も悔やんだ。もう1本買って、自宅用と持ち運び用で分けよう。そう思い、また通販生活のサイトにアクセスした。「今シーズンは完売、在庫切れ」それだけ人気商品だったということなのか。季節が変わり、また冬が来た。本日無事に2本目ののどミストが僕の手元に届いた。
 
のどミストのおかげで、話すことに過剰に気を使うこともしなくなった。仕事でたくさん話す可能性がある日も不安はない。歌うことも続けている。今はこいつがあるから。
 
ただ、のどミストが当たり前になったある日、ふと思ったことがある。
僕は昔「先生」になりたかった。初めて転職で研修の会社に入り、「先生」という夢の入り口に立った。ゆくゆくは研修講師として独立することも夢を見た。しかし、他にも理由はないではないが喉への懸念が大きな懸念の一つだった僕は、講師業で生きていくことを辞めることにした。
それから約8年が経ち、僕はのどミストという相棒を手に入れた。今はその頃の気持ちに戻って講師業で勝負していこうとは思わない。講師業とは違うやりがいを得られるようになったから。ただ8年前の僕がこの相棒を得ていたとしたら、今ごろ僕は違う人生を選んでいただろうか?
 
この問いに正解はない。所詮たらればの話だ。
でも、こいつがあるせいで今も安心して続けられることもある。
 
次の土曜日、通っている歌のスクールの発表会だ。もちろん、のどミストはライブハウスの控室まで持っていく。これさえあれば喉は大丈夫。単なる吸入器を超えて、こいつはこれからも僕のお守りだ。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2020-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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