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清水寺 舞台以外の楽しみ方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:太田智絵(ライティング・ゼミ平日コース)
 
清水寺といえば、「清水の舞台」が最も有名である。
一年365日を通して、清水の舞台を見に来る観光客で人が途切れることはない。
その清水の舞台は2017年から現在まで、平成の大改修のため、舞台には行けるものの大部分が幕や骨組み、足場で囲われている状態である。
この間、私は清水寺に2回ほど訪れた。
「あれ~なんか工事してる~」
「狭い~」
せっかく訪れた人達が、がっかりしている声も聞こえる。
「実はこの修復が50年に一度にしかないから、この姿を見れるのは、逆に貴重なんですよ!」
と説明するガイドさんもいる。
建築や文化財に造詣の深い人なら、普段お目にかかれない補修工事の方法や舞台の構造を見ることができて、非常に価値があると思う。
しかしながら、そんなに頻繁に清水寺に来れない場所から訪れた人にとっては、清水寺で清水の舞台が見れないなんて、東京に行ってスカイツリーが見れなかったり、シンガポールでマーライオンが見れなかったり、パリに行って凱旋門が見れなかったり、エジプトに行ってピラミッドが見れなかったりするぐらいのがっかりレベルだろう。
清水寺の顔というべき舞台が見えない。そんながっかりの気持ちを持ってほしくない。
そこで、今回は清水寺の舞台以外の楽しみ方を提案したい。
 
提案①随求堂(ずいくどう)の胎内めぐり
随求堂は清水寺の入り口の仁王門から少し進むと三重の塔が建っているがその隣にある。
随求堂とは、人々の願いや求めにしたがって、願いをかなえてくれる、大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)が、ご本尊として祀られている。このご本尊の大随求菩薩のおなかの中を歩く体験が「胎内めぐり」なのである。
随求堂の中に入ると、左側に地下への階段がある。
100円の拝観料を払えば、誰でも胎内めぐりを体験することができる。
一定の間隔毎に一人、また一人とその階段を下りていく。
が、地下は真っ暗である。
ほんの少しも明かりがない。
ただ、階段のところからある手すり、いや、手すりではなく大きな数珠がずっと壁沿いにあるので、数珠だけを頼りに前へと進んでいく。一本道ではないので、何度かカーブを曲ったりすることもある。周りの音や声も聞こえず不安になり、はやく出口につきたいと思うようになる。焦るように前へ前へと行った先に……何があるかはお楽しみ。
この長い長い数珠が母親のヘソをあらわしていて、真っ暗なお腹の中を歩いている体験ができるというわけだ。ほんの数分の体験だが、一度体験してほしい。
ちなみに私は何回行っても恐々進んでいる。
 
この随求堂の胎内めぐりは、東京ディズニーシーのアトラクションの「インディ・ジョーンズ」と似ている。謎に包まれたフィールドをドキドキハラハラしながら自力で進む、ただし、ここでは絶叫してはいけない。
 
提案②三重塔
随求堂のすぐ側に、朱い三重塔が建つ。
最初に塔が建てられたのは平安時代であるが、その後、何度か焼失し、何度も再建・修復されている。
高さは31mで国内の三重塔では最大の高さである。
さて、この三重塔にも秘密がある。
見てほしいのは屋根の部分の鬼瓦。
四隅の角のうち、南東の角だけは全て「龍」の鬼瓦になっている。
他の角は普通の鬼瓦。
「鬼」は火の神をあらわしている。
「龍」は水の神で火除けの意味があるので、二度と火災に遭わないようにとの願いが込められている。
このような「火の神」と「水の神」が同時にされている建築は非常に珍しい。
なかなかここは通り過ぎて、京都市内が見渡せる場所で写真を撮ったりしてしまいがちなので、是非、三重塔の屋根の部分を見上げてほしい。
 
「火の神」「水の神」が同じ建物にいるといえば、ディズニーシーでは「レイジングスピリッツ」がある。この三重塔はご自身で屋根の四隅をまわっていただくアトラクション。古代遺跡の秘密を短時間で体験可能。
 
提案③早朝拝観
早く起きられない人にとっては早朝拝観など文字を見ただけで「うわぁ~」と思うかもしれない。けれど、早起きをするだけで清水寺を最大限に楽しめるのだ。
清水寺の開門時間は朝6時。
朝6時に拝観できるお寺は京都市内では東寺や西本願寺・東本願寺ぐらいだ。
比較的、京都駅からアクセスが良く混みあうことがない上記の寺に比べて、京都駅から清水寺への日中のアクセスはもはや京都一と言って過言ではない。バスはすし詰め状態だ。
早朝は人もまばらで、京都本来の街の雰囲気を楽しめる。
いつもは観光バスやタクシーで連なっている五条坂や清水坂もほとんど車が通らない。
写真を撮る人で埋め尽くされる産寧坂(三年坂)もパンフレットにあるような風情のある景色を保っている。
朝6時になると、冬はまだ夜が明けない時間に開門される。
日中は多くの観光客で賑わう清水寺もこの時間は、人が少なく静かに、ゆったりと身も心も洗われるひとときを過ごせる。そうこうしているうちに夜明けの瞬間の清水寺も楽しめる。人もほとんどいないので、写真を撮りたい人はとてもおすすめ。気兼ねなく、好きなところで撮ることができる。もっとより独り占め感を楽しみたければ、多くの人が立ち止まる箇所を一気に通り過ぎて、出口付近から逆流して進めば、しばらくは貸切状態だろう。
 
清水寺の早朝拝観は、ディズニーシーにおけるファストパスである。
バス混みや人混みを避けて、効率的にまわることができる。
清水寺を堪能したあとは、参道の老舗喫茶店や京町家を改装したスタバでコーヒーを飲んで、ほっこりする(心が安らぐ)ひとときを堪能してほしい。
 
以上が、清水寺の舞台以外の楽しみ方である。
清水寺は顔である舞台以外にも、今日紹介した随求堂の胎内巡りや三重塔の他に、
音羽の滝、
阿吽ではなく阿阿の狛犬、
4本でなく6本柱の鐘楼(つりがね)、
弁慶の使った巨大な鉄杖と下駄、
恋愛を叶える首振り地蔵、
隠れフクロウの手水鉢、
などなど、まだまだ他にも魅力的なアトラクションで埋め尽くされているのだ。
もちろん、門前のお土産ストリートも充実している。
何度来ても新しい発見がある東京ディズニーシーは、リピーターが9割であるという。
清水寺こそ、何度訪れても飽きることの無い、京都が誇る最大の「冒険とイマジネーションの寺」なのだ。
ぜひ、時間をかけて、その魅力をたっぷりと楽しんでほしい。
 
 
 
 
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2020-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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