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善に傷つけられる私たち


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:千神 弥生 ライティング・ゼミ(日曜コース)
 
 
「マキちゃんが、桜ちゃんを独り占めした!」
 
小1の娘は、大好きな桜ちゃんというお友達が他の子に取られた、と怒ってよく報告してきます。
 
桜ちゃんが大好き過ぎて、他の子と遊ぶ姿を見るのが辛いんだそうです。
 
こういう時に、普通なら「みんなで仲良くしようね」と教えることが多いかもしれません。
 
実際に、小学校の道徳の教科書には、人に優しくしようとか、みんな平等にとか、自分がされて嫌なことは相手にもしない、などと書いています。
 
確かにこれは、とても大切なことで、私も子供の頃からずっとそう習ってきました。
 
ただ、その前に、もっと大切な部分が抜け落ちたまま「良い行いをしましょう」と習っていたんだなと思った私は、娘にこう言いました。
 
「分かる! 大好きなお友達は独り占めしたいよね。悔しい気持ち、ママも同じだったからよく分かる」
 
さらに続けました。
 
「マキちゃんも桜ちゃんのこと好きだから独り占めしたいんじゃない? マキちゃんの気持ち、リカちゃんが一番よく分かったりして!」と言うと、
 
娘は「たしかに! リカちゃんその気持ちよく分かるわ!」と一人でウケていました。
 
「独り占めしてマキちゃんに腹が立つ気持ちも、桜ちゃんが大好きな気持ちも、どっちもリカちゃんの大事な気持ち。大切にしてな。」
 
そう言うと、娘は頷きながら、
「明日はリカちゃんと遊ばせてって、マキちゃんに言ってみる!」と言っていました。
 
お友達を独り占めしたいという嫉妬や独占欲、劣等感を感じてつい意地悪なことを言ってしまう自分、そういうネガティブな闇のような気持ちがあるのは当たり前のことなのに、
 
実際の社会では、それはおかしいことだ、持ってはいけない、あるべきではない、そんな意識で子供に教えている気がします。
 
それが、ゆくゆくは「素晴らしい自分になれない自分を責める」ということに発展していくのだと思います。
 
本当は、自分に「悪」「陰」の闇の心があるのをみんな知っています。
 
でも、私たちは、そういう自分はダメな人間で、もっと人に優しくて良いことができる自分を自分自身に望み、できなければ責める、というのを繰り返して大人になったのではないでしょうか。
 
誰しもが、ポジティブさ(光・陽)とネガティブさ(闇・陰)を持ち併せていて、その2つで一人の人間が作られている。
 
このシンプルで当たり前の事実は、公には認められずにきたように思います。
 
私が今でもよく覚えている出来事があります。
 
今の娘と同じ、小1の時の授業参観、その日は道徳の授業でした。
 
先生が「お友達から優しくしてもらって嬉しかったことを発表してください」と言いました。
 
みんな手を挙げて、先生にあてられたらこう言います。
「〇〇くんから転んだ時に『大丈夫?』と言ってもらいました!」
 
お母さん達と先生が拍手をして、その〇〇くんは先生が作ったピンクのハートの形をしたメダルをもらいました。
 
「はい、次の人は誰かな?」と先生が言うと、またみんなハイハイ! と手を挙げてお友達の名前を言い、その名前を言われた子がメダルをもらいます。
 
それをずっと繰り返していくのですが、悲しいかな私の名前は一向に呼ばれず、とうとう授業参観は終わってしまったんですよね。
 
後日、また道徳の時間にこの続きが行われたのですが、そこには残った8人ほどがいて、みんなそれぞれ心の中でこう思っていました。
 
「私があなたの名前を言うから、今度はあなたが私の名前を言ってね」
 
暗黙の了解が目と目で交わされ、無事私はピンクのハート型のメダルをもらえました。
 
そこには「やさしくしてくれてありがとう」という文字と、可愛いクマの絵が描かれていました。
 
憧れたメダルを手にしても、ちっとも嬉しくない、むしろ、この授業参観という母親に一番褒められたい場面で名前を呼ばれず、最後まで残ってしまった自分を恥じ、さらに「私は優しくないダメな人間なのだ」と心にハッキリと刻んだのでした。
 
これは大人になってもずっと心の奥底にあり続け、セラピーやコンサルなどを受けることで「うぉりゃっー!! むしろかなり優しいヤツだったわ! コノヤロめ!!」と、自分のことを認識し直すまで、実に30年以上かかりました。
 
学校や大人たちが口を揃えて言う「みんなに優しく」「良いことをしよう」という、光の部分のみを評価するあり方は、そうなれない自分を責めることになり、
 
一方で、隠しておくべき気持ち、外に出してはいけないこと、そういった闇、陰、悪の自分の存在は許されないと封じ込めてしまいます。
 
その葛藤で生じる不安や怒りが、“自分が何者だか分からない大人“を作りあげてしまうと思うんです。
-人には「光と闇」両方ある-
 
これを「人には右手と左手がある」というのと同じレベルで、小さい頃から「心の仕組みの知識」として教えることで、苦しむ人が激減するのではないでしょうか。
 
みんなが共通の認識として知っておくことが、本当の意味で自分自身を理解することになり、結果的に相手のことも理解してあげられることに繋がると思うんです。
人と仲良くするためには、相手の気持ちを考えましょうと習ってきましたが、でも、その前に、まずは自分の気持ちを理解することが大切だと今やっと言われ始めました。
さらにその前に必要な「単なる知識」として、光と闇の2つで1つの心なんだよ、と知っておくことは、もうこれからは必須項目にしてはどうかと思いました。
 
だって、自分のありのままを好きになること、それこそが「真のしあわせ」だと思うから。
 
こうやって書きながら、改めて子供にこのことを伝えていこうと思いました。
 
 
 
 
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2020-02-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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