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頑張ることで幸せになる時代はもう終わった!?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大西 栄樹(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「○○部のAさんが休職したらしいよ」
 
Aさんと私は同じ部署ではなかったが、仕事以外での勉強会も一緒にするなど仲が良かった。
どちらかと言うと、要領がいいという方ではなく、女性らしい品の良さがあり、一つ一つ丁寧にするタイプ。たぶん、夏休みの宿題を毎日少しずつ計画的に片付けられる子だろう。
 
そのAさんが精神的な疲れで休職に入ったことを聞いた。そんな精神的な弱さなどを感じたことなかったのでとても驚いた。
 
「何故だろう?」
 
気になった私は、Aさんの部署の知り合いに聞いた。
 
何か大きな事件があったとかではなく、上司、部下の関係や仕事のストレスとかが積み重なったことが理由ということだった。
 
Aさんの上司のこともよく知っている。経営陣からの信頼もあつくて、仕事に対して非常に熱意を持っている人だ。そして何より同じ女性としてAさんを可愛がっていた。仕事には厳しいけれど、優しさも兼ねて備えていた。
 
だから、この2人の仲で、精神的なストレスによるAさんの休職ということが私には不思議で仕方がなかった。Aさんの部署は、仕事の特性上、経営層と近いことから、ミスできないといったプレッシャーがある職場だ。それでも、休職になるほどとは思えなかった。
 
すると、Aさんの部署でもう一人Cさんも休職に入ったと聞いた。
 
「Aさんに続いてCさんも連続で休職?」
 
さすがに、それはちょっと普通の状況じゃないな。
部外者とはいえ、気になるのでもう少し他の人にも話を聞いた。
 
すると、パワハラやセクハラといったわかりやすいものではない、まるでガンのように徐々に進行するような原因があることがわかった。しかも、それは今の様々な現代の企業や組織が抱える「潜在的な病気」なのだと気づいた。
 
どうやら、そのAさんの部署はここ1、2年で人数が2倍ほどに増えて仕事量が増加した。
上司は、非常に責任感も強く仕事を一生懸命にやり遂げることに集中していた。しかし、2倍に増えた仕事量をこなす結果、部下とのコミュニケーションが少なくなったという。
コミュニケーションを取るときは、報告の場合にほぼ限られた。
そうして、部下とのコミュニケーションがうまく取れずに、少ない時間で結果を求めることで、ネガティブな要素を指摘することが多くなったようだ。
 
そうなると、部下はいつも資料を修正させられるし、ミスだけ指摘される。ミスが怖くなるし、指摘されることが続くと怒られているようで、コミュニケーションとりづらくなる。こんなことが1年、2年と続いてきて、いよいよ気持ちの糸が切れたということのようだった。
 
「ここ1、2年で何か気軽に相談したりできる雰囲気ではなくなった」
「いつも緊張感があり、どこか安心できない」
 
こんな雰囲気ができあがっていったようだ。その結果、Cさんも辛くなってしまったという。
 
ここまでの話だと、よくある話のように聞こえる。そして、だいたい、上司が悪いとなる。
確かに、上司の責任であるのだが、私には簡単に上司の責任だと言い切ることができなかった。
 
その上司は、精一杯仕事で成果をあげようとしていた。一言で言えば、めちゃくちゃ頑張っていた。上司の期待に応えようとして、Aさんも一生懸命頑張っていた。上司は仕事外だと、人柄も穏やかで、何気ない話もする人でパーソナリティに問題があるわけではない。
 
学生の部活動で、ある試合に向けて、監督が叱咤激励しながらメンバーが頑張るといったようなものだ。
 
ただ、仕事においては、一つだけ違うことがあった。
それは、終わりがないことだ。それに、試合のように勝ち負けがつくことがほとんどない。
仕事では、目標がずっと与えられる。今期が終わると来期。さらに上の目標を。
ある目標をクリアしても、すぐに次の目標に向かう。
 
息を整える暇もない。
 
Aさんは頑張った。頑張り続けた。そしてある時、気づいたらもう息切れして走れなくなった。
恐ろしいのは途中で気づかないことだ。
まるで、マラソン選手が35kmを過ぎて急に失速して、ついには走れなくなってしまうように。
さらに、その監督も途中の20kmなどで選手の異変になかなか気づけない。
同じようにAさんの上司も頑張る部下の息切れに気づけなかった。
症状が現れたときには、もう足が止まってしまった。
 
Aさんも、その上司もどちらも頑張ったのだ。どちらが良い悪いのではない。
頑張っているうちに、知らずしらずに、「息切れ症候群」という病が進行していた。
 
頑張ることは大事だけれど、呼吸を整える時間がないといけない。
世の中の変化が速くなっている現代では、誰もが何かしら息切れ感に陥っているのではないだろうか。
特に、日本はあらゆることに細かい。本当に必要なのか?と思うような細かさがたくさんある。
 
やっぱり、みんな楽しく、幸せを感じながら仕事をしたいし、毎日過ごしたい。
この息切れは本当に怖い。
だから、私はまず自分の仕事のグループメンバーとこんなことを決めた。
 
「頑張る期間を決めよう。その後には、十分な休息時間を取ろう」
「本当にそこまで必要か、一度問いかけよう」
 
頑張っているあなた。
息をしっかりできていますか?
しっかり呼吸を整えてください。
頑張りすぎなくてもいいですよ。
 
もう、頑張るだけで幸せになる時代は終わったのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-02-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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