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メディアグランプリ

ライティングゼミを受け、私は恋をしたくなった

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:高橋拓己(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
去年の冬から、天狼院という書店でライディングゼミという講座が開催されている。そこでは全八回に渡り文章上達を学ぶことで人生が変わるという。
私は小説を書いている為、文章上達だけを目的に講座を申し込んだ。そこでは課題として2000字の文章を書き、良い課題作品は天狼院で紹介されるという。
この課題を書いている時点で講座は六回終わった。今の所、私の評価は上がっていない。
 
そんな私だが、学んだモノと欲は新たに持つことが出来た。
私はマーケティングについて考え始めるという学びが出来た。
そして私は、恋をしたいという欲が出来た。より性格に言うなら、人に愛されたいという欲に気がつくことが出来た。
売れる本を作りたい。人に愛される人間になりたかった。そんな思いが、日々の私を渦巻き始めている。
 
マーケティングという学びは、私の手作り小説活動に影響を与えた。私は自分で小説を製本し、同人誌として定期的に販売している。
先週も“秋コレ”という、秋葉原で開催された同人誌即売会に本を出した。私が出した本は、おおざっぱに言うと近未来の英国で仮面ライダーなどに出てきそうな特撮怪人が人を襲うという、SF×英国×怪人という作品だ。アイデア自体は数年前から考えており、誰にも思いつかない新ジャンルとして客の目を引かせるべく今まで構想していた。
友人である絵師も表紙絵としての仕事だけでなく、作品のアイデアについても相談にのってくれるほど、出だしは好調に作品製作が始まった。
 
これまでは自分の思いをありったけ乗せて文を書いていた。
しかし今回、私は今までの活動の中で最も難航した。新ジャンルということで書き方が分からないのは理由の中にあった。
一番の理由は、何を売りにして宣伝すればいいのかであった。SFの何をメインに出せば客の目が引くか、英国と聞いてどんな要素が客の目を引くか、特撮怪人というジャンルは秋コレ来場者のニーズに合っているか。
ニーズの点で私は最も悩んだ。どのぐらいかというと製本二週間前、当初予定していた主人公を少年から少女へいきなり変えた程だ。この時点で物語を出だしすら書けていない。
 
「どうして変更なんか言い出すんだ?」
 
友人はこのとき心配したのだろう。性別すら変えるといった変更は、今までしなかったからだ。
しかし次に飛んだ私の発言の方が、もっと彼を心配にさせただろう。
 
「少女の方が、売れるかと思うから」
 
結局、そんなこんなで新たに出したシリーズは一冊も売れなかった。どうして客の心を掴めなかったか。
私は電車に乗った帰り道の間、自分が何を売りたかったのか考え続けた。その日は偶然だがライディングゼミの会場講座の帰り道でもあった。その日は「15分間文字を書き続けろ」というグループワークが開催された。
 
私は延々と、売れるモノが書けないことについて書き続けた。自分自身の思いを吐露するのはかなり久しぶりであった。
 
その日出来あがった文章は、人に対する憎悪が込められた文章だった。
どうして俺の発表する文は誰も受け取ってくれないんだ?
どうして俺の発表する文は売れないんだ?
どうして俺は売れるモノが出せないんだ?
どうして誰も俺を買ってくれないんだ?
 
出来上がった文章に私はどん引きした。発表されると気づいた時、自分が発表者として白羽の矢が立たないか心配であった。
 
電車に山ほどの同人誌の在庫を抱える帰り道、今日の即売会の成果と講座で書いた文章について延々と考え続けた。
結局、私は文章を書いて何がしたかったんだろうか。自分が小説を書くことが、自分についてどんな意味を持っているのだろうか。
 
私は認めるしかなかった。私は自分自身を人に受け入れてももらいたかった。
今まで私は人の目に、自分の持っているモノだけを人に受け取ってもらいたかった。私自身のことはどうでもよかった。私は口下手で、怠け者で、落ち込み屋だ。そんな自分が人に愛される自身がないからこそ、代わりに作品という形で受け取ってもらいたかった。
 
私は自分の感性を売りたかったのだ。例え暴力的だろうがグロテスクでインモラルだろうが、自分の抱いている何かを、それが好きだという人に届けたかった。だけど実際は売れない。マーケティングが出来ていない。公性も共感もない物しか私は持っていないし、それ以外を持とうとしても何を持てばいいか分からないし無理して持つのも気持ち悪い。
そのまま私の評価は上がらない。何をしても売れない。私は自分の持っている物しか売れない、それを売れるようになりたい。
文章上達したいという思いが、いつの間にか売れる物を書きたいという思いに変わった。何を売ればいいんだ? 何を売れば人の目に止まってもらえる? 何を売れば手に取ってもらえる?
 
それは全て、自分という人間を誰かに受け取ってもらいたいという思いを下地として、それが天狼院の講座や課題で気づかれ出来あがった思いだ。
私は自分を人に受け取ってもらいたいと気がつけた。誰か私の持っているモノを好きになってくれる、そんな人を見つけたかった。
 
今の私は、モノを売ることについて悩み続け、人からの愛を欲し続ける悩みに苛まれ続けている。
それが天狼院の言う人生の変わりというなら、構ってちゃんぶりでおぞましくも、自分に気づけた解放感を得られたことについて感謝したい。
15分ワークについても、実は私はどん引きはしたが久しぶりにスッキリすることも出来た。ようやく自分の考えを整理することも出来た。
 
天狼院にとって、ここまでおぞましく気持ちの悪い悲劇のヒロイン気どりへの成長は予想外であろう。
そんな予想外だとしても、私にとってこれは人生の転機であり成長であり、誰かにこの思いを届けたいというのを目標に、これからも文章を書き続けるだろう。
 
 
 
 
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2020-02-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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