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メディアグランプリ

メガネは心の充電器!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:相内 洋輔(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
ぼくは20数年間、ずっとメガネが嫌いでした。もう少し正確に書くと、メガネが似合わない自分が嫌いでした。
 
そんなぼくが高価なメガネを購入し、毎朝メガネを磨いて、鏡に映る自分を見てニヤける日が来るとは、夢にも思っていませんでした!
 
今では、メガネはぼくにとって充電器のような存在。毎日の活力を得るための大切なアイテムになっています。
 
メガネに対する印象が変わったきっかけは、「今年はアロハシャツを着て仕事をしたい!」という願望を仲間の前で口にしたことでした。
 
ぼくはワークショップデザイナーという仕事をしています。研修のためのワークショップを設計し、参加者の前に立って進行をする仕事です。簡単に書くと、研修講師です。
 
世の中には数多くの研修講師がいらっしゃるので、どうやってぼくのことを認知していただくかを考えることは、とても重要な戦略の1つになります。
 
そのため2020年以降は、「アロハシャツを着てワークショップをする人」として自分をブランディングして行こうと考えていました。
 
それを仲間に告げたところ、
 
「アロハいいじゃん、ぜひやろう! アイさんはメガネが普通だから、この機会に印象的なメガネに変えたら?」
 
とアドバイスをくれたのです。
 
(えー…。メガネ? 似合わないんだよなあ……)
 
ぼくは反射的に顔をしかめました。小学5年生の時からメガネをかけてきましたが、メガネをかけている自分について、褒めてもらった記憶が全く無かったからです。
 
だから出来る限りコンタクトレンズで外出をしてきました。メガネをかけるのは、就寝前のほんの僅かな時間だけ。
 
ところが34歳となった2019年の春ごろ、どれだけ目薬をさしても目がかすんでしまい、コンタクトレンズを装着するのが苦痛になってしまったのです。
 
レンズが合わなくなったのかも? と思い、潤いたっぷりの上位商品に変えてみたのですが、症状は変わりませんでした。
 
これが老化か……? 自分でもショックでした。
 
それで仕方なくコンタクトレンズを諦めて、大衆店でメガネを買いました。お値段はぴったり10,000円。似合いもしない物に、お金をかけても仕方ないと思ったのです。
 
だから今振り返れば「アイさんはメガネが普通だから、この機会に、印象的なメガネに変えたら?」という一言は、かなり的を射ていました。
 
(ぼくは全然メガネなんて好きじゃないんだけどな……)
 
そうした心の声も見透かされたのでしょう。
 
世界は欲しいモノにあふれてる、というNHKの番組を見るよう、強くおススメいただきました。ちょうど偶然にも、直近の放送が「人生が変わるメガネを探す旅 フランス」というテーマだったのです!
 
放映日は青森県でワークショップを実施していたため、急いで仙台まで帰り、番組が始まる22時30分ギリギリにテレビの前へと到着することができました。
 
スイッチを点けると、スタイリッシュなメガネをかけ、美しい白髪を流れるようにセットした、上品なオジサマが映っていました。アジアで初めて「世界一のメガネ店」に輝いた岡田哲哉さんです。
 
かっこいい……!
 
ほんの一瞬のうちに、ぼくは岡田さんの存在に魅了されていました。
 
岡田さんのプロフェッショナルな姿勢や、メガネへの愛情、どんなメガネをかけてもハマる雰囲気が本当に素敵で、気づいたらあっという間に、30分が過ぎていました。
 
(ぼくも上品なメガネをかけてみたい)
 
これまでに感じたことのなかった気持ちが、ふつふつと湧いていました。
 
翌日、居ても立ってもいられなかったぼくは、打ち合わせの合間に仙台駅前のパルコへ立ち寄り、メガネ屋さんを覗きました。
 
キラキラ光るショーケースに並んだメガネが目に入った瞬間、
 
(やっぱり場違いだ)
 
という気持ちがこみ上げてきました。この美しいメガネたちが自分に似合うとは、どうしても思えなかったんです。
 
(こんなに楽しみにして来たのに、寂しいな……)
 
そう思いながらお店を出ようとした時、視界の片隅に、ひときわ存在感を主張しているメガネの姿が飛び込んで来ました。
 
堅そうでいて遊び心があり、バランスの整った美しいデザイン。一本のメガネにすっかり心奪われて、息を吸うことも忘れてしまいそうでした。
 
そうしてしばらくメガネを眺めていた頃、意識の外から声が聞こえていることに気づきました。店員さんが話しかけてくださっていたのです。
 
す、すごく素敵なメガネですね。
 
少し慌てながら感想をお伝えすると
 
「このメガネはMOSCOTという、ニューヨークの老舗の定番商品なんです。フレームはサーモントと呼ばれているデザインで、セルとメタルが組み合わされているのが特徴です。世界中のメーカーがこのデザインを模倣しているんですけど、どんなに模倣されても、MOSCOTのサーモントより完成された一品は無いと言われています! ジョニー・デップなど、愛用している有名人も多いんですよ~」
 
とメガネについての情報を丁寧に教えてくださいました。
 
店員さんの話しを聞きながら、背景情報が増えるごとにワクワクが止まらなくなっている自分に気づき、心からこの一本に惚れてしまったのだ、と自覚するまで、そう時間はかかりませんでした。
 
(でも……)
 
(ぼくには似合わないかもしれない……)
 
ずっと無難なデザインのメガネしか着用したことがないぼくにとって、目の前のフレームは異世界の一品。試着してみることすらためらわれました。
 
何より、自分はとても気に入ったのに、実際にメガネをかけてみたらやっぱり似合わないということを突きつけられそうで、それがたまらなく嫌でした。
 
そこで恐る恐る、
 
「すごくいいなと思っているんですけど、ぼくに似合うでしょうか……」
 
と話しかけてみると、
 
「メガネはかけているうちに、顔に馴染んでいくものですから!」
 
と、ぼくにとっては思いもよらなかった答えが、店員さんから返って来ました。
 
同時にぼくの悩みは消えてなくなり、メガネを買おう、そして、このメガネが似合う自分になろう! と決意するに至ったのです。
 
「大丈夫! 似合いますよ!」とありきたりなセールストークで返されていたら、きっとぼくは勇気を出すことができなかっただろうと思います。
 
こうしたご縁のおかげで、ぼくは今、新しいメガネと共に毎日を過ごしています。
 
メガネを新調してからは鏡に映る自分を見るのが楽しみになって、朝の洗面台では「よし! 今日もイイ1日にするぞ~!」という気持ちが湧いてくるようになりました!
 
メガネをかける時にカチャっと鳴る上品な音も気に入っていて、おかげで日々の幸福度がとても高まっています。
 
メガネは似合わないけれど、生活のために仕方なく着用している、という方は、きっとたくさんいるのではないかと思います。ぼくもその1人でした。
 
でもたった1つのメガネとの出会いが、ぼくの人生をガラッと変えてくれました! お気に入りのメガネがあるだけで、こんなに毎日が楽しいなんて想像もしていませんでした!
 
だから心から思います。
 
この記事を読んでくださったあなたにもお気に入りの一本が見つかって、日々の楽しみが増えるといいなって!
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2020-03-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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