メディアグランプリ

アイリスオーヤマの食洗機が私に自信をくれた

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:蓑島 絵美(ライティング・ゼミ特講)
 
 
帰宅してドアを開ける。臭い。仕方ない。
生ゴミも捨て忘れたし、排水口は詰まっている。洗い物にはとうとう青いカビのコロニーが発生している。コバエが湧く。
 
台所と居間の間の戸をそっと閉める。
やだもう寝る。
 
ギリギリに起きて、慌てて出勤する。帰宅して……の無限ループにハマり続けること20年余り。
 
しかし、今は違う。
シンクには洗い物がほとんどなく、従って洗い物のニオイもない。
 
とうとう食洗機を買ったのだ。
 
洗濯乾燥機は既に買って大満足していた。しかし食洗機といえば水栓工事の必要なものが多い。だが唯一「jaime」という見かけないメーカーのものはタンクに水を溜める方式で工事が要らなかった。欲しいなあ。
しかし周りは反対した。
「その都度洗ったらいいやん、1人分やろ」
 
悩んだ。悩み抜いた。Amazonの欲しいものリストに入れてから2年悩んだ。4万円近い出費に見合う買い物なのか? このメーカー大丈夫なの? 心配だから電機店で実物も見た。うーん、うーん。
 
だがとうとうその時が近づいて来た。
後発で堅実な品質のモノを出してくるので評判のメーカーが競合機種を出してきたのだ。
 
そう。アイリスオーヤマがカチこんで来たのだ。
 
比べる。口コミを見る。Amazon を見る。楽天を見る。メーカーのサイトを見る。やっぱり欲しい。しかしjaimeのよりちょっと高い。そっと画面を閉じる。
 
宙を仰いで考える。詰め込みすぎたプライベートの予定と先の見えない仕事の状況。社今回はなんとかポーナスが出たけれど業績からして今後収入の減少も想定される。次の人生も考えたい。転職か? 副業か? まずは生活環境を立て直そう。節約もしたい。ダイエットもしたい。自炊の回数を増やせば解決だ。でもなあ……。
 
1月9日、正月休みも明け、本当に仕事行くのがイヤになっちゃう木曜日の晩。
 
「ポチッ」
 
注文ボタンを押した。「在庫あと5台」の表示を見て、正直なところ発作的に押した。結局アイリスオーヤマにした。二日ほどで届くという。私は設置予定地となる流しの横のワゴンを掃除し、食洗機専用の洗剤を購入し、彼が来るのを待った。
 
しかし、来ない。不在通知も入っていない。Amazonの注文履歴を見ると、いつの間にか「発送日未定」となっている。タッチの差で品切れになっていたようだ。それから、ジリジリと食洗機を待つ日々が続いた。「発送日未定」「発送日未定」「発送日未定」。楽天を見る。「再入荷待ち」よほど飛ぶように売れているらしい。
 
イヤイヤながらお皿を洗う。食洗機が来たらこれやらなくていいのかな。それともやっぱりイマイチ落ちなくて場所塞ぎなハコに辟易することになるのだろうか。買ってよかったのかな……キャンセルできるかな……。
 
「ヤマトでーす」
1月27日の朝。その時は突然来た。全く予定と外れて突然彼が配達されてきたのだ。とりあえず家にあげてもらってその日は出勤した。会社にいても気もそぞろだった。帰宅してすぐ、開梱し説明書を読んで付属品を取り付け、使い終わったお皿をセットし、洗剤を所定のところに投入し、付属の水差しでタンクに水を注入してスイッチを押した。
 
「ガコンガコンガコンガコン、ジャー」
洗浄が始まった。アイリスオーヤマのものは、jaimeのものと違って窓がない。中で何が起きているのか見えない。ノズルが回りながらお湯を出して洗っているとメーカーサイトには書いてあった。でももしかしたら中でちっさいオッサンが洗ってくれているのかもしれない。とは思わないけど、中が見えないのも悪くない。それにちょっとオシャレだ。操作パネルもボタンの境目のようなものがなくフラットだ。濡れた手で操作するなら汚れがたまらなくて良いだろう。じりじりと待つうちに、洗浄が終わった。ほの温かい食器をチェックした。よく落ちていると思う。よかった。これだけ落ちていれば十分だ。
 
さすが、後発なだけあって、細かなところに配慮が行き届いている。扉は上に手をかけて手前に開くようになっており、そこにカゴを引き出してくることができるようになっている。庫内は冷蔵庫のように小さな照明もついている。
この細かな配慮は、最初あまり気にならなかったのだが使い続けるうちに大きく効いてくる。
 
この機種はファンが弱いので、乾燥機能には全く期待しない方が良い。これは、Amazonのレビューでも触れられていて納得済だった。なので手洗いの頃から使っている洗い上げカゴに、キレイになったお皿をそこに移すことにしている。その際、カゴを引き出せる機能は便利である。
 
使い終わったお皿はすぐ食洗機に入れる。食洗機の中で密閉されるので匂いが漏れない。これが予想外によかった。部屋が無臭の時間が多くなると自然とその状態を保とうとするもので、ゴミ捨ても励行するようになった。
食洗機にお皿が入っているのがデフォルトとなると、洗ったか洗ってないかわからなくなる時もあるが、庫内が明るいのでわかりやすい。
 
現在、我が家のシンクは清潔が保たれている。こんなことは今までなかった。私ったら、シンクの清潔すら保てないダメな女だと思っていたけれど、そんなことはない。たったの36,851円で、私は真人間になれた。シンクに洗い物を溜めない真人間になれた。ありがとう、アイリスオーヤマ。ありがとう、食洗機。もう、ずっと一緒だよ。
 
 
 
 
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2020-03-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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