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「自分がこの世界の主人公だと思っていた話」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:進藤雄介(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「自分がこの世界の主人公だ!」
 
と、小学校低学年の私は
本気で思っていた。
 
友達や親、街を歩いている人など
私以外の人間は、私主演の映画の出演者のように
神様から役割を与えられて演じていると考えていた。
 
だから、
 
「出演者の人は私がいない時は
どんな生活を送っているんだろう?」
 
と想像したこともある。
 
世界は自分を中心に回っていると
本気で思い込んでいる
とんでもない自意識過剰ボーイである。
 
幼い頃に、私と同じような妄想に取り憑かれていた人は
結構多いんじゃないかと思っていたのだが、
 
妻に聞いたら
 
「何ソレ、面白い!」
 
「そんなこと考えたことない。1回も」
 
という返答だった。
 
少なくとも全員が通る道ではないようだ。
 
思えば、小学生の頃の私は主人公っぽい要素があった。
(ここから自慢話が始まるが、自意識過剰ボーイの言うことなので許していただきたい)
 
勉強はよくできて「天才」と呼ばれていたし、
運動神経もよく、マラソン・跳び箱・鉄棒などなんでもできた。
 
友達にも恵まれ、女子にもモテたし、
弱い人の味方であろうとして、困っている人がいたら助けた。
 
困難なことが起きても、
神様的な人から試されているんだと考えていた。
 
自信に満ち溢れた少年だった。
 
だが、小学校を卒業したとたん、
その「妄想」に異変が生じる。
 
主人公の人生にしては
何かおかしいなと思うことが増えてきたのである。
 
私が行った中高一貫の学校は、
野球部が甲子園にでもでるようなスポーツ校であり、
たまに東大・京大の合格者が出るような進学校でもあった。
 
その学校で、今まで小学校では、ちやほやされてきた自分が
突然、勉強もスポーツも中の下くらいになったのだ。
 
この時は「井の中の蛙大海を知らず」
ということわざを思い出した。
 
誘われて入ったサッカー部も性に合わずに
すぐに辞め、帰宅部になった。
 
中学2年生の頃には
競馬の騎手を目指すことになるのだが、
何度受験しても競馬学校への入学試験に受からなくて
体重も増えてきたので途中で断念した。
 
男子校だったので女性との出会いも皆無で
主人公にはありがちな恋の予感もない。
 
「ん? なんか違うな?」ということが
重なって自信をなくしていった。
 
友人関係も、心を開ける人がおらず、
周りの友達に話を合わたりしていたが、
そんな自分にも嫌気がさして
人とコミュニケーションをとるのを避けて
1人で過ごした時期もある。
 
高校生になると、
ちょっと変わった格好をしたり、
フランスとか日本の難解な映画を見たりした。
 
自分は人と違うんだということを
自分と周りに示すためにいろんなことをした。
 
しかし、
 
いつの頃か記憶がないが
 
「どうやら、自分はこの世界の主人公ではないんだ」
 
と、明確に気づいた。
 
この気づきは、ずっと妄想の中で生きてきた私には
すごく残酷な内容だった。
 
主人公ではないとしたら
自分は何のために生きているのか?
 
などと答えのないことも考えた。
 
でも、人の慣れは恐ろしいもので、
自分はちっぽけな人間なんだということを受け入れていった。
 
そして、大学生になった。
 
私は大学デビューをした。
 
自分の中では中途半端な青春時代をすごした気持ちでいたので
大学生になって、変わってやるぞと思っていた。
 
1人暮らしをして、髪を染めて、車の免許をとった。
 
日本一の優勝回数という文句に誘われて
体育会のヨット部にも入った。
 
初めての彼女もできた。
 
全てが自然とうまくいく
なんか久しぶりの感覚だ。
 
大学生なので、さすがに
自分が世界の主人公とまでは思わないが
何をやってもできる気がした。
 
また自意識過剰が始まった。
 
大学3年生になり、就職活動が始まった。
 
将来、どんな仕事をしたいのか?
 
昔からぼんやり考えてはいたが、
具体的な局面になった時には
何も浮かばなかった。
 
中途半端に就職活動をした。
ことごとく落ちた。
 
世の中のことを全然知らないくせに
普通のサラリーマンになるのが嫌だった。
 
ここでも、普通の人生は嫌で
映画監督を目指した。
 
しかし、また挫折。
 
自分がどれだけ頑張っても
一番になれない世界があることを知った。
 
そして、また自分が
無力な存在なんだと思い知る。
 
状況によって、
自分は何でもできると自信満々になったり
何もできないと落ち込んだり、
上がったり下がったりを繰り返してきた。
 
しかし、最近は、自分への自信は
状況に左右されなくなってきた。
 
仕事柄、心理学やら量子学やらの勉強をするなかで
自分なりにこの世界のカラクリがわかったのだ。
 
人間は自ら、自分の望む現実を作っていて
見ている現実は人によってまったく違う
 
ということだ。
 
つまり、
 
自分が主人公だと思ったら
自分が主人公である現実になり、
 
自分はダメな人間だと思ったら
ダメな人間としての現実になるということだ。
 
ということは、
 
自分が思い込んでいたら
そういう現実になるということである。
 
ということは、
誰もが、自分の人生の創造主であり、
この世界の創造主、
 
つまり、世界の主人公だといえる。
 
小さい頃から思っていた
「自分はこの世界の主人公だ」という妄想は、
大人になって360°回って、
今は自分の大切な考え方になっている。
 
中二病ならぬ、小二病にいまもかかり続けているが
一生一緒にすごしていきたい。
 
 
 
 
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2020-04-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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