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心の中で麒麟を飼う


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:片山峻(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
麒麟(きりん)って知ってますか?
あの首の長い動物のことではないですよ。
どちらかというと、某ビール会社の缶や瓶の銘柄に書いてある、あのよく分からない生き物のことです。
あれはビール会社が独自のイメージで描いたものではなく、もともとちゃんと由来がある架空の生き物なのです。
 
麒麟、とは中国の神話で「聖なる獣」とされている架空の生き物です。
龍の顔、牛の尻尾、馬の蹄、身体には鱗、の外見特徴を持っていて、国がまっとうに治められている時に現れ、傷ついていたり死んでいたりすると国や人民が荒んでいるとされています。
麒麟が死ぬ時、それはすなわち物事や時代の終わりを示す時とされています。
 
中国に限らず、日本やいろんな国にこういった「伝説」の生き物って手を替え品を替え存在しますよね。
実際に存在していない(かもしれない)生き物をなぜ、人は思い描き、絵や偶像で形にし、時には崇め時には怖がるのでしょうか。
 
その時々の時代や人々の心、世相を具現化したかったのではないか、と私は思っています。
 
今もまさに新型ウイルスが世界中で蔓延しまくってるという状況ですが、今はまだ医学があり、専門家がこれまでのデータや技術を駆使して沈静化に向けて必死に動いてくれています。
 
一方、私たちが歴史の授業で学んできた時代は、科学が発達していない時代、参照したい理論やデータや技術がない時代です。
災害や戦争、疫病はその時代にもたくさん存在しました。
 
そんな時に、当時の人はどう対処したのでしょうか。
もちろん解決に向けて動いていただろうと思います。
 
ですが、多くの人は災害、戦争、疫病、想像の域を超える出来事が起こった時、
その嫌な出来事が早く終わり平穏が訪れるのを願う時、
伝説の生き物を思い描き、絵や偶像で形にし、時には崇め、時には鎮まるのを願うことでひたすら祈り耐えてきたのだと思います。
そうすることでせめて心を安らかにしたかったのだろうと思います。
 
自分をはじめ、私たち人間はいろんな感情をやり過ごしながら生きています。
嬉しいことがあれば喜び満たされ、嫌なことや辛いことがあると落ち込んだり相手にあたったりします。
 
私はどちらかと言うと、嫌だと思うことや辛いと思う数の方が多いとなんとなく思っています。
嫌なことがあった時、お酒に頼りながらバカヤローと思うのもいいでしょう。
ですが、どちらかというと、
「なんで自分はあんな選択をしてしまったのか」
「なんて自分はダメなんだろう」と
自分の行動や存在自体を自分で勝手に卑下してしまうことも多いと思います。
優しい人ほどそうなりがちです。
 
一方で、いいことがあったら満たされるのもまた人間です。
この「いいことがあったら」にちょっと目を向けてみましょう。
 
この「いいこと」はたまたまやってきた、偶発的な出来事のみでしか発生しないのでしょうか。
私はそうは思いません。
自分を「満たす」という行動は自分から湧き起こすことができると思っています。
 
「相談に乗ってあげたら相手に喜んでもらえた、私ってスゲー」
「部屋を整理したら気分がすっきりした、あー得した」
と自分で自分を喜ばすことができるのも人間なのです。
私も一日一回以上はやっています。
 
でもそれをあまりやらない、やり方を忘れてしまっている人もいます。
自分で自分を喜ばせる、という行為をやらなさすぎだからです。
自転車にずっと乗っていないと乗り方をふと忘れるのと一緒だと思います。
 
そうならないために「心の中で麒麟を飼う」のです。
麒麟は良い政治によって人の心が「穏やかな時」にしか現れません。
これは自分の心にとっても同じだとすれば、自分の中にも麒麟が現れるようにするにはどうするか。
麒麟に餌をあげる感覚で、「自分にとって喜ばしい感情」を積み上げていくのです。
 
ペットに餌をあげないとペットは機嫌が悪くなったり具合が悪くなったりします。下手すりゃ死にます。
そうなったら悲しいじゃないですか。
 
ここで事前に言っておきたいのですが、嫌なことがあっても無理やりポジティブになろうとしないでください。自分に嘘をつくのと同義です。
 
私もよくやってしまいますが、嫌なことがあった時に、
「これはこういう機会と捉えればいいんだ」と無理やりポジティブに捉えようとすることがありました。
ただこれをやっても「嫌だと感じた自分」を自分で無視する行為になるので、何にもプラスになりません。ドMの上塗りです。
 
嫌なことがあった時は、素直に「嫌だと思った」「こいつムカつく」でいいんです。
それからじゃあどうすればいいか考えればいいのです。
「次はこうやるようにしよう」と思えばいいのです。
 
「こうなったら良くなりそう」まで行けばこちらのものです。
心の中で麒麟を飼う、というのはそういうことです。
自分で全知全能感を生み出し、心のベクトルを上向きにするのです。
 
自分より頭がいい人、優しい人、仕事ができる人なんて世の中に腐る程います。
であれば自分の心の中ぐらい全知全能で居たいじゃないですか。
 
心の中で麒麟を飼い、餌を与えてあげる感覚で「自分で自分を満たす」ことを続けていけば、勝手に疲弊することはなくなります。
「じゃあ次はこういう風に仕事をしよう」
「こんなスキルを身につけてみたい」
という意欲が湧いてくるはずです。
 
これが続けられるようになれば、自分の生活、ひいては人生がより楽しく有意義に過ごせるようになってくるはずです。
 
災害や疫病と同じように、どうにもならない事態になるのは自分の感情も一緒です。
でも自分の感情は解釈である程度コントロールすることができます。
 
身体の健康と同じように、心の健康も自分で整えていきましょう。
 
ちなみに私が好きなビールはキリンよりアサヒです。
 
 
 
 
***
 
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2020-04-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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