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怒っていいよ、お母さん


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:千神 弥生 ライティング・ゼミ(スピードライティングゼミ)
 
 
「早くお布団に入りなさいって言ってるでしょ!!」
 
めっちゃ怒鳴った。
 
でも、あとで冷静に考えると、怒鳴るほどのことでもなかった。
 
なぜあんなにイライラしたかというと、夫が21時に布団に入らせてないと超不機嫌になって私にブツブツ言ってくるので、それが嫌で怒鳴り声を上げてしまったのだ。
 
子供にとっては、ただのとばっちりだ。
 
だから私は、子供たちが寝た後、夫に相談した。
 
「私は本当はあんなに怒りたくないんよ。怒らなくても済む問題だって分かってる。あなたさえ21時に寝させるのをしつこく言わなければいい。もうやめて」と言った。
 
すると夫は、「オレも21時は譲れない」と言う。
 
もー! 腹立つわー!
 
それならと、娘のことが可愛くて仕方ない夫に、こう切り出してみた。
 
「リカちゃんがあんなに怒られてかわいそうじゃないの?」
 
すると驚くことに、こう返してきた。
 
「え? 全然。あれくらい怒ったうちに入らんじゃろ」
 
私は、正直、ここ数年で、覚えてる限りで一番驚いた!
 
「は!? あんなに怒鳴ってるのに!?」
 
「うん、全然! あんくらい平気じゃろ。オレに怒ってくる恐さに比べたらあんなの屁でもないわ」
 
……。
 
たしかに私は、怒ったら怖い。
ヤクザだと自分でも思う。
 
夫には、1000%の威力で怒っているので、それと比べたら、子供に「こらー!」と怒っているのは、全然怖くないのだそう。
 
あのヤクザ度と比べられても……と思ったのだが、続けてこう言われた。
 
「現に、子供も『ママ、あっかんべー!』って言ってるじゃん」と言われた。
 
そうなの!? そうか……。
そんな声、全然耳に入ってなかったけど、たしかに聞こえたような気もする……。
え、怖くないの? 怒られて悲しくないの?
 
黙って考えていると、さらに夫がこう言った。
 
「ママに怒られるくらいでちょうどエエんよ。オレがちょっとでも怒る方がやっぱり怖がっとるしな。ママが怒るのは何も問題ない。そもそも、オレみたいになったら困る」
 
うちの夫は、お母さんにもお父さんにもあまり怒られていない。
 
そのせいだと思うのだが、上司や他人から注意を受けたり、怒られたりするのがすごく、すごーく嫌なのだ!
 
だから、会社も辞めてしまったわけで……。
 
怒られ慣れていないと、社会で生きていくには、ちと不都合なことが多いと思っている、そういうことらしい。
 
洗濯物を干しながら、そう言う夫。(私は布団の中)
 
私は、自分が母親から怒られてばっかりだったと記憶していて(実際はそんなことないんだけど)、自分が子供を怒るということに関しては、かなり敏感だった。
 
「怒られたくなかった」からこそ「怒りたくない」といつも思っていた。
 
けれど……怒っても、いい?
いやむしろ、ある程度は怒った方が、いい?
 
いや……青天の霹靂、だった。
 
たしかにそう言われてみれば、会社で怒られることがあっても、「見てろよ!」とばかりに、その悔しさをバネにして逞しく生きてきた自分を思い出した。
 
夫は、私のそういうところを、密かに買っていたようだ。
 
そして、「怒る」「怒られる」ということに関しては、私のように「トラウマになったら」とか「かわいそう」とか「自己肯定感」などと、まったく結びつけていなかったのだ。
 
私は、「怒られる」ことのデメリットばかりにしか目が向いていなかった自分自身に気がつかされた。
 
そう、人の「怒り」を利用してこれたのは、紛れもなく、両親によく怒られていたからだ。
 
だからこそ、怒ることは、一時的な感情の爆発であり、その人の本来の人柄や愛情とはまったく別物だということもよく分かっている。
 
会社の上司や社長の怒りも、お客様の怒りも、愛情や寂しさと密接につながっていることにいつも目を向けられる自分がいた。
 
怒って、いい……。
怒って、いいんだ。
 
別に、どんどん怒っていこう! ということではない。
 
けれど、「怒り」は内側に溜める人と、外側に発散する人がいて、その表現方法が外側の人は、時々いや、しょっちゅう後悔するのを私は知っている。
 
子供を怒ってしまって、自分を責めてしまうお母さんを、私は知っている。
 
もし、子供を怒ってしまって後悔することがあっても、安心してほしいのです。
 
いつか、どこかで、親以外の人から「怒られる」ときが起きます。
 
そのとき、親から怒られた経験がある子供は、ある程度の免疫がついていますが、あまり怒られていない子供はかなりショックを受けることになります。
(もちろん、それはそれで、その子の貴重な経験ですから、良いも悪いもありません)
 
他人だと、その裏にある「愛情」や「寂しさ」などを想像することはとても難しいですが、親子というのは、根底で強い結びつきがあるので、絶大な信頼感のもとで「怒られる」ことになります。
 
それがどれだけ傷つくものであろうと、決して切れることのない繋がりの中で、先に「怒られる」経験をしておくことは、決して悪いことではないのではないでしょうか?
 
少なくとも、「怒られる」ことで、プラスになることもあるのだということを知ってほしいと思います。
 
そして、子供は必ず人生のどこかで「親から怒られた悲しみ」の何倍もの「親から与えられた愛情」を受け取る日がやってきます。
 
必ず、です。
 
だから、どうか、怒ってしまった自分を許してあげてください。
 
大丈夫、あなたが子供を愛している限りは、子供は絶対に、「そこ」と繋がっています。
 
これは、私がずっと抱えてきた、「子供を怒っていけない」「子供を怒りたくない」という、愛情がゆえの葛藤と戦いを終えた言葉です。
 
悩んでいた過去の私にも教えてあげたいと思います。
 
怒っていいよ。だいじょうぶ。
 
 
 
 
***
 
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2020-04-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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