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外出自粛の最中に飲み会に参加してみた

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:柴沼由美子(ライティングゼミ平日コース)
 
 
「飲み会出てくるね~」
コロナウィルスのため外出自粛の最中、脳天気な声をあげながら私は部屋を出た。
 
数分後、私は飲み会会場にいた。
自宅のパソコンの前で、コンビニで買ったレモンサワーを片手に飲み会参加者に挨拶をしていた。
そう、私が参加した飲み会は「オンライン飲み会」ビデオ会議システムZOOMを使った飲み会である。
私が参加しているオンラインでの音楽コミュニティでは、以前からオンライン飲み会も盛んに開催されていた。
ただ、私はオンラインでの飲み会には懐疑的であった。
「オンラインで自宅呑みなんてつまらなそう」
「お店にいって、そこでしか味わえないお酒や料理を楽しみたい」
「直接会って言葉を交わしてこそ、楽しい飲み会でしょ」
「ほろ酔いの帰り道がまたいいんだよ」
参加しない理由は山ほどあった。
 
しかしコミュニティの参加者は全国津々浦々に散らばっている。集まることも難しい。音楽仲間としてもっと交流を持ちたい気持ちもあり、懐疑的ながらも興味はあった。
そんな折、急なお誘いがコミュニティのグループメッセージに流れてきた。
「20時からオンライン飲み会開催します」
自粛に次ぐ自粛、人と話すことはめっきり減った。人と好きな音楽について話がしたい。オンラインでもかまわない。そう思うようになった私は立ち寄ったコンビニでレモンサワーとハイボールを買い込んだ。時間が空く22時になっても飲み会が終わっていないなら参加しようと決めた。
22時にパソコンの前に座る。映し出された画面には思い思いの恰好でくつろぎながらお酒を飲む人達。
「こんばんは、お邪魔します」
挨拶をして早速会話に加わる。
参加者は4~5人。都合のいい時間に出たり入ったり自由にしているようだ。楽器が一緒に映っている人もいて、ミュージシャンの集まりらしく馴染みやすい。
ほとんどが初めて顔を合わせる人ばかりなのも新鮮だった。問われるままに音楽を始めたきっかけや好きな音楽について話していた。
地元の音楽仲間とはお互いの音楽の好みなど知り尽くしているため、今さらきっかけなどは話さなくても知っている。そのため改めて語るのは久しぶりで新鮮だった。
もし面白くなかったり、馴染めなかったりしたら何か理由をつけて退出しようと思っていたが、最後まで会話を楽しんだ。
フェイスブックでつながる人もできた。また参加したいし、できれば実際に会ってみたい、そう思うようになった。
 
オンライン飲み会の良さは、なんといっても全国どこにいても時間の都合さえつけば参加できることである。自宅がどこにあろうと、同じ時間に飲みながら話ができる。飲み過ぎてもそこは自宅だ。帰りの心配はいらない。
「一緒に飲みたいね」
と、思ったらすぐにも飲み会が開催できる。特に今のように外出が思うようにできない場合はネットが大活躍する。
リアルの飲み会だと、幹事が特に大変だ。日程をすり合わせる、お店を選ぶ、集金や支払いに至るまで気を使うことが多すぎる。
リアルの飲み会参加のハードルがぐんと低くなるのが、オンライン飲み会なのだ。
 
しかし、簡単で便利なオンライン飲み会が楽しかったからこそ
「実際に会ってみたい」
という気持ちが大きくなった。楽しかったからこそ、満足したからこそ、会って同じ空気の中で会話や飲食を楽しみたい。
パソコンの画面の向こうに感じたその人の人柄や雰囲気を直に感じてみたい。もっと顔を見て、直接話したい。
その逆は、おそらくない。
直接会って楽しかったから、
「では、今度はぜひオンラインで飲みましょう」
とはならない。
それでは私のオンライン飲み会への認識は相変わらずネガティブなだけなのか、と問われれば答えはNoである。
 
体育の授業で跳び箱を跳んだ経験がある人がほとんどだと思う。オンライン飲み会は、跳び箱の踏切板のようなものである。踏切板でジャンプがしやすくなるように、直接会って話すことが容易になる。一度も会ったことのない人といきなり会うために遠くまではいかないが、今回の飲み会メンバーと会うために東京まで行くことはあるかもしれない。
もちろんその容易さから生じる危険性、実際に事件が多いことは十分承知の上だが、ここでは割愛する。
 
これは私にとって意外な発見だった。オンライン飲み会は直接会う飲み会の代替品、としか思っていなかったのだ。ライブをライブ会場に見に行くか、動画配信で見るかの違いと一緒だと。しかしオンライン飲み会は動画配信とは違った。やはりそれは、一方通行ではなく人と人が対話をする場所であったからだろう。対話をして相手の人となりを知った。今度は直接会う、直接触れ合うことでもっと深く知り合いたいと思うようになったのだ。
そう、オンラインでもリアルでも結局は人と人の関わりであり、私たちは皆、それをこそ欲しているのだ。
 
後日グループメッセージで
「楽しかったですか」
と聞かれて、即座に
「すごく楽しかったです」
と返した。
またオンライン飲み会があったら参加したい。そしてコロナウィルスが終息し自由に出歩ける日が来たら、東京まで出かけていき飲み会やセッションにも参加しよう。
その新しい可能性に今ちょっとワクワクしている。
 
私にとってオンライン飲み会は、オンラインとリアルをつなげ世界を広げる「どこでもドア」だった。
 
 
 
 
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2020-04-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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