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メディアグランプリ

オンラインカフェは、むしろ放送事故がOK


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:下田直人(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 

中央線の中の秘境と呼ばれる西国分駅前にとあるカフェがある。
クルミドコーヒーというカフェだ。
店主の影山知明さんの著書「ゆっくり、いそげ」がベストセラーになり、また、それ以外の視点からでも全国的に注目されているカフェである。
 

そのクルミドコーヒーでは、オンラインでカフェをやっている時間がある。
営業はしているが、店内にはお客さんがいない。
たまたまいないのではなく、お客様は店内に入れない。
いわば、無観客試合のような感じである。
 

その中で、店主の影山さんがカメラの前に座り、コーヒーを飲み、デザートを食べている。
その様子が、YouTubeで放送されている。
この番組は、1時間で300円と有料だ。
 

カメラの前の影山さんは、椅子から動かない。手帳を見たりしている。時々呟き、時々YouTubeのコメント欄にあがってきた質問に答える。
そうやって、1時間が終わる。
 

観ている側は、様々なところでモニターの前で、その場を味わっている。

 

店の雰囲気を味わっている人。
影山さんとの対話を楽しんでいる人。
ただ単に、バックミュージックならぬ、バック動画として流しているだけの人もいるのだろう。
 

その使い方は、自由だ。
そのあたりもリアルなカフェと似ている。
 

本来、カフェの使い方は、人それぞれだ。
一人でぼーっとしに来た人。
本を読みに来た人。
誰かと話すために来た人。
純粋にお腹を満たすために来た人。
 

オンラインでもその使い方は自由なのだ。

 

だから、カフェは、リアルでなくても、オンラインでも成立する。

 

そして、改めて考えみる。

 

カフェが成立する要素は何なのだろうか?
もちろん、人にもよるし、カフェといってもいろいろなカテゴリーがあるだろう。
 

商談のような具体的利益を得たいために使う時もある。
移動と移動の間の10分間の時間つぶしに使う時もある。
僕自身もそうだ。
 

それは、どちらかというと、カフェでなくてもよくて、機能から考えたメリットを追求した取捨選択の結果でのカフェだ。
つまり、消極的選択の結果だともいえる。
 

そうではなくて、積極的に選択する場面ではどうだろうか。
そこに行かなくてもいいのだけれど、ついつい行ってしまう場面では何が、そこを選択させてしまうのだろうか。
それが、カフェの成立する要素なのだと思う。
 

それは、人によって、好みがあるのだろう。
だから、これが正解というものはない。
 

ただ、僕なりの答えは、「場」だと思う。
それって、答えのようであって、答えではないのかもしれない。
 

だけれども、「場」とは、醸し出す空気感であり、それは、テーブルや椅子やインテリア、食べ物やコーヒーの匂いから出るオーラみたいなものだ。
それを味わいたい。
そこに浸りたい。
 

だから、それが得られるならば、コーヒーがなくてもいい。
(本当は、その匂いや味も含めてのオーラかもしれないけれど、僕にとっては絶対的要素ではない)
 

全体から醸し出されるオーラが調和しているところに「場」というものを感じる。
それは、単にその空間を指す意味の「場」とはちょっと違う。
 

インテリアや食事などが互いに作用しあって、ちょうどいい空間を作り出している感じだ。
それは、騒がしくなく、かといって音がない世界でもない。そこに関わる物質もそうでないものも含めたすべてが、「今のこの雰囲気を壊したくないな」という心地でそこにいる感じなのだ。
 

それは時空を超えてでも十分に堪能できる。

 

繰り返すが、だから、オンラインカフェは成立するのだ。
そうすると、ふと思うことがある。
 

ならば、人が映っている必要はないのではないか。
むしろ邪魔なのではないか。
ただ、店内の風景を映しているだけでいいのではないか。
 

これつにいては、実際にYouTubeを観た者として書かせてもらうと、即座に「NO」と否定できる。
先ほど書いたように、僕にとって居心地の良い場は、調和なのだ。
カフェという場所には人が存在する。
人がいて、気ままに、会話をしている。
それも含めての調和だ。
 

だから、オンラインでも人が映っていて、時折言葉を発する。時折質問に答える。
そのあとに、しばらく静かな時間が続く。
これが、カフェが成立する要素で、自然な空間だと思う。
 

そして、オンラインならば何でも良いというのではなく、YouTubeだから成立する。

 

これが、例えばzoomだとしたらばどうだろう。
多分、カフェ側の人間が、パソコン上にあるあらゆる人の視線に耐えられなくなり、むやみにたくさん話してしまうか、ぎこちない動作になってしまうに違いない。
こらがラジオのように、音声だけの伝達だとすれば、ずっと話をしていないといけない。無音が続くラジオがあったとしたらば、それはもはや放送事故だ。
カフェで一人がずっと話し続けるというのは不自然な行為である。
 

時折、話をする。そして、「場」の空間を味わう。また、少し話をしてみる。
その時間の調和も「場」を成立させる。
 

これは、一方的にお店の側を観てもらうYouTubeがぴったりだと思う。
YouTubeだと放送事故が心地よい場づくりを手伝っている。
 

その放送事故が起きている空間。
この時間の流れが、オンラインカフェを居心地よくさせる、なくてはならないものなのだ。
 
 
 
 

***
 
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2020-04-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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