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オンライン飲み会は沖縄の夜を彷彿させる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:下田直人(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 

新型コロナウイルスの影響で、オンラインでの飲み会が流行っている。

 

居酒屋が遅くまで開いていない今は、酒好き、人好きは飲みたく飲みたくてうずうずしている。
そんな酒好き、人好きが、せめてオンラインででも、顔を見ながら「いっぱいやろう!」と企み、オンラインで飲み始める。
 

私も3月から結構な回数のオンライン飲み会に参加もしたし、主催もした。
やってみると意外に楽しい。
思っていた以上に会話も盛り上がり、これはこれで成立することがわかった。
 

しかし、何回かやっているうちに決定的な問題があることが判明した。
それは、飲み会の時間が長くなるということだ。
 

みんな自宅で飲んでいるので、電車を気にする必要がなくなった。
リアルな飲み会だったら、「そろそろ電車もなくなるから帰らないと」となる。
しかし、自宅が故に、そのようなきっかけがない。さらに、酔っているから時間の感覚も薄れてエンドレス化していく。
 

私も何回かのオンライン飲み会で、エンドレス状態に突入した。
その時、ふと「この感覚はどこかで経験したことがある」と思ったのだ。
 

ダラダラ飲み続けてしまうこの感覚。
そう、これは沖縄の飲み会の感覚だ。
 

私は去年の11月まで沖縄本島の北部、名護という街に住んでいた。
ご存知の方も多いと思うが、沖縄は鉄道が走っていない。公共交通機関としてはバスはあるが、北部では申し訳ない程度にしか走っていないのが現実だ。
多くの人は、飲み会に自動車で来て、帰りは運転代行にて帰る。もしくは、タクシーで来て、タクシーで帰るかのどちらかになる。
 

これだと、帰るきっかけを失う。そして、ダラダラとしたエンドレス飲み会が始まっていくのだ。こうして、帰りたいのに帰れない。そんな、いたずらに時間を費やすことになる。

 

といっても、沖縄の人はなれたもので、ダラダラにならない術を身につけている。
私も2年目あたりからはその術を身につけた。
 

東京に戻ってきて、まさかそれが役立つとは思わなかった。

 

ここで、その術を皆さんにもこっそりお教えしようと思う。

 

これには、初級編、中級編、上級編、番外編とある。

 

初級編としては、常識的な方法だが、「最初に退出する時間を言っておく」ということだ。
宴会が始まる前、もしくは始まった直後に「●●時に失礼する」と伝えておく。
これは極めて紳士的な方法で、誠実な印象を相手に与える。
途中で退出しやすくなるだけではなく、みんなに宣言することで、後ろ髪を引かれる思いを断ち切ることができる。
自分に厳しくする意味合いもある。
 

次の方法は、店を早くチェンジするやり方だ。
つまり、ひとつのお店でダラダラ飲まないで、テンポよく店を変えていく。特に2軒目から3軒目などは1〜2杯飲んだら店を出るぐらいの勢いでチェンジする。
店を変えるタイミングで「そろそろ」と切り出しやすくなる。
オンラインでやる場合も、それぞれの家の中で「部屋を変えよう」などして切り替える場面を意図的に作ってみるといいと思う。
もしくは、時間ごとのテーマを決める。例えば、この時間は、「青色の服をみんなで着る」などテーマを決める。そのテーマを短い時間でどんどん変えていく。
そうすると「そろそろ」を言い出しやすくなる。
 

次は少し難易度が上がって、中級編だ。
中級者になると飲み会をあえて掛け持ちする。
沖縄の人は、飲み会の掛け持ちが多い。
みんなも慣れているので、途中で「もう一軒あるからこれでごめんね」と言うと、みんな意外とあっさり解放してくれる。
中には、本当は掛け持ちしていない場合もあるに違いない。
そうだとしても、言い訳として使っているだけで、みんなも薄々わかっているが、あえて突っ込まないことも多いのだと思う。
これはオンラインでもいける。
私は、まだオンライン飲み会で掛け持ちはしたことがないが、友人は掛け持ちをしたと話していた。これもオンラインでも成立すると思われる。
 

さらに難易度が上がって、上級編になると、黙ってその場をフェードアウトするという技が使える。これが、できる人は達人だ。

 

達人は、酔ったふりして何も言わずその場から消え去ってしまう。
それなのに、周りの人に恨まれたり、心配されたりもしない。
なぜ、恨まれたりしないのか。
それは、フェードアウトするこちら側の心のありようによるところが大きいと思う。
こちらがあまりにも堂々と消え去ると、相手は意外となんとも思わない。
普通の人は、「黙っていなくなったら、みんなになんて思われるだろう」と心配になってしまいビクビクしたオーラを醸し出してしまう。
しかし、達人は堂々とそうする。その堂々としたオーラが、周りに嫌な思いをさせないのだ。
 

これもオンラインでもいける気がする。
「ちょっと、WIFIの調子が悪い」とかで切断されてしまった(切断してしまった?)後、そのままにして置くなどだ。達人のような堂々っぷりだと、周りもあまり気にしなくなる。
 

最後に、番外編だ。
これは、飲み会にスター時点から参加しないという方法だ。
 

これも沖縄の飲み会では一般的である。沖縄の人は、飲み会の開始時間に店に来ている人は少ない。
それは時間にルーズというのではない。沖縄の人は、飲み会は最初から最後までいるものという認識がなく、どこかで顔を出せばいいという感覚なのだ。
オンライン飲み会でも、途中で抜けることが難しのであれば、途中から参加するというのも手である。
ただ、この場合、みんなのテンションがすでに上がっているので、追いつくために飲み過ぎてしまう可能性がある。
 

以上、沖縄暮らしで身につけた飲み会を切り上げる術をご紹介した。
この術がオンライン飲み会でも役に立つのではないかと思っている。
 
 
 
 
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2020-04-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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