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私がマスクをつける理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ittu(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
ガガガガーーーー。ガコッ。
とある夜、私は「はっ」と目を覚ました。そう、私を起こした原因はいびき。
そして、そのいびきの発生元は私自身だった。
夫のいびきで目が覚め、知らん顔して眠っている夫に腹を立て、ケリを入れたことがこれまでに何度もあった。しかし、自分のいびきで自分が起きてしまうなんて……。
まさか自分が。もう女として終わりだ。あんなに大きいいびきをかくなんて。
 
しばらくして、夫に、何気なく聞いてみると
「え、知らんかったの。酔っ払ってるときは、本当に凄いよ」と、嘲笑された。
やはりそうだったか。夫は知っていて黙っていてくれたようだ。私は怒って制裁を加えていたのに……「ごめん」と笑って謝った。
そういえば、旅行に行ったとき、娘に「おかあさんのイビキがうるさくて眠れなかった」と文句をいわれたことがある。
その時は、全く相手にしていなかったが、さすがに自分で気づいてしまうと焦る。どうやら、知らなかったのは私だけだ。そんなにすごいのだろか……。
 
調べてみると、いびきは肥満、飲酒や不規則な生活習慣、疲れなどが原因とあった。すべてが思い当たるが、特に思い当たるものは口呼吸。
夜中、目覚めたときに、のどが渇き、痛いことがある。カラオケ歌いすぎたかと反省したが、どうやら、寝ている間も歌い続けていたようだ。夜中にのどが渇いて目が覚め、ぐっすりと眠れないことが多くなっている。口を空いて、いびきをかいているからだとようやく気づく。
 
口を閉じているといびきは起きない、口を閉じて横向きに寝ると効果が高いことも分かった。まず、鼻呼吸に取り組んでみよう。
とはいえ、眠っている間、口を閉じることに意識を保つことは不可能だ。どうやったら鼻呼吸をキープできるのだろう。薬局に行くと、口にテープを貼る「口閉じテープ」なるものを発見した。よくある鼻腔を拡げて気道を確保するタイプではない。通常のサージカルテープよりデリケートなものらしい。早速、買い込んで、試してみる。期待に反して、朝起きたらテープがない。丸まって枕の下におちていた。違和感があったのか、寝ている間に無意識に剥いでしまったようだ。
ちぇ。ダメか。
でももったいないし、せっかく買ったのだからこの1箱は使いきろう。そうすると4~5日で慣れ、朝まで貼ったままで眠ることができたのだ。
のども痛くない! これはいい! 私は、毎晩、口にテープを貼って寝た。
 
2箱目を使い終わろうとした頃、友人との酒宴の場でこの話を披露した。そうすると一人が、「ウチのお父さん、セロテープを貼ってるよ」と笑った。
肌に優しいテープだということを伝えると、彼女も納得し、お父さんにプレゼントしようかなと言う。
しかし、「何回くらい使えるの?」と続いた。もちろん、使い捨てだが、そう言われると、なんだかもったいないような気がしてきた。
 
モヤモヤしていると、今度は、「安眠マスク」に行きついた。洗って繰り返し使える布製。麻でできているので、軽いしむれにくい、顔のサイズに合わせて耳ゴムを調整できる。
自分の呼吸で適度な湿度をマスク内に保てる。このマスクもテープ同様、慣れることが必要で、朝になるとベッドの下に落ちていることも多い。昼も夜もマスクをつけるのは正直大変だ。それでも私には向いているようで使い心地も良い。しばらくこれで様子をみることにしよう。
 
いびきは、性別にあまり関係なく、女性は加齢やホルモンバランスの崩れによることということも解ってきた。アラフィフの私。ホルモンの減少によって舌周りの筋肉が緩んだということも原因かもしれない。そんなところからも老いがやってくるのかと失望していたが、いびき対策用に、舌周りの筋肉を鍛えるエクササイズを発見した。
 
舌を積極的に動かして、口の周りの筋肉を鍛えるというもの。
舌で口の周りの頬を内側からぐるぐるマッサージするものや、顔を上に向けた状態で、舌を上に突き出すストレッチ。喉付近の筋肉が、ぐーっと動いているのがわかる。
 
これってあれだ!ほうれい線対策、TVで話題になっていたやつだ!
なるほど、筋肉はいろんなところで働いているんだ。もし、いびき解消に効果がなくても、小じわ対策になるならまあいいか、もし効果があるようであれば一石二鳥だ。
ほうれい線対策はしばらく、やっていなかったがまた再開することにしよう。人に見られるのはさすがに恥ずかしいので、お風呂の中や、一人の時に。
でも、誰もいびき対策とは思わないだろう。
 
色々と試してみて、いびきが減れば、ぐっすりと眠れる。一番望んでいたのは、睡眠の質を上げることなのだ。そして今日も安眠のためにマスクをつけて眠る。
 
 
 
 
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2020-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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