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ミニマリストもどきのすすめ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本枝摩(ライティング・ゼミGW集中コース)
 
 
「どうしてこんなに物があるの? こんなに荷物、あったっけ」
深夜1時、眠気と戦いながらひとり呟いてしまった。
右手にはいつ買ったかわからないケーキ型、左手にはいつも使っているボウル。目線はまずは両手に、次いで私の周りのモノたちに向けられた。
とりあえず一息、目線を斜め下に降ろし、静止する。しかし制止する暇なんてない。あと数日で段ボールに全ての荷物を詰め込み、この家から出ねばならぬのだ。
 
そう、引っ越し準備の真っ最中なのだ。
引っ越しを決意したのが1月、やっとのことで気に入った物件を見つけたのが8月3日。契約が8月17日。引っ越しが8月22日。翌日部屋の引き渡し。そして今日、8月18日。残念なことに私にはあと4日しかない。にも拘わらず、今荷物を詰め込んだ段ボールは2箱。残り18箱にすべてを詰め込まなければならない。契約上、20箱がマックスなのだ。しかし今、私は段ボール18個には入りきらない自分の所有物たちに追い込められている。
 
壁だ。
そう、大量の所有物が大きな壁となり、前に進もうとする私の行動を阻むのだ。
時間がどんどん流れるようにすぎていく中、正直どう行動すればいいのか、わからなくなっていた。
どうしてこうなったのか。
 
思い起こしてみる。引っ越してきた当時、余分な荷物はなかった。赤帽でサクッと引っ越せたんだもの。
「物が増えても家は大きくなりません」
以前片付け講座で先生から聞いたこの言葉を聞いてから、いつも気を付けていたつもりだった。収納から外には物ははみ出していない。部屋にはベッド、ソファ、テレビボードにテレビのみだ。
でも今、困っている。何か間違っていたのか。
 
さて、どうしよう。
ぼんやり考えながらスマホをいじっているとある動画にたどり着いた。がらんと、というかフローリングの上にはほぼ何もない部屋。
ミニマリストだ。
がらんとした部屋のルームツアーをしている。
ミニマリストは昔から知っていたけど、知った当時あまり興味はなかった。そういえば、かつてテレビで取材されたミニマリストが言っていた。
「今の生活は幸せです」と。
彼らはあまり物をもたない。なぜ幸せなのか、その当時の私にはわからなかった。
 
ぼんやり動画を見てみると、そのミニマリストも不幸そうに見えない。むしろ充実しているようだ。なぜなのか知りたくなり、眠かったが動画を見あさってみることにした。
幸せそうな理由も知りたかったが、片付けに関してヒントがあるに違いない。そう信じていた。
 
動画を見始めてから約2時間、何人かのミニマリストの動画を見続け、自分の中で結論が出た。
そう、私は片付け方を間違っていた。
必要なものを厳選する必要があったのだ。
クローゼットを開けて現実と向き合う。パイプハンガーにはパイプがたわむほどの大量の洋服が掛けられいた。クローゼット内にはみっちりと収納ケースが収められている。そして靴箱にはぎっちりみちみちに入った靴が鎮座していた。
でも私にとって、どれも使っていた物だ。
しかし全てがよく使われているかというと、違った。
30足の靴があったが、なんだかんだでお気に入りで履きやすいものしか履いていなかった。洋服も同じ。いらないモノはなかったつもりだが明らかにあまり着たくないモノもクローゼットに押し込まれていた。
本当に使うものだけ残して、あとは処分しよう。
そこから夢中で作業を開始した。
 
動画をいくつか見た私の総括はこうだ。
使っていないものはスペースを取り、片付けるための時間を使い、収納するためにそのスペース分の家賃を生じさせる。
これがなくなるとスペースもでき、無駄なお金の出費もなく、片付けや購入に費やした時間が節約できる。その時間、スペース、お金で好きなことをしたり、学びを得たりするために使う。
まずは使っていないモノを家から排除し、使用頻度の高いもののみにすることで、ミニマリストのいう“幸せ”を実感できるようだ。
 
そこからは早かった。
毎日モノを厳選して、本当に使うもののみを残し、すべて処分した。
荷造りが引っ越し開始の5分前に終了。荷物は段ボール20箱に収まった。荷物はすぐトラックに運び込まれ、あっという間に新居に運び込まれた。
荷ほどきにかかった時間、たった1時間。
瞬く間に段ボールはなくなり、普通の居住空間になった。
その晩は祝杯をあげた。新しい生活と新しい自分の暮らし方のために。
 
ちなみに今。家具は増えたが、引っ越してきた当初より少し物が少なくなった。
ミニマリストになったわけではない。
しかしやっと多くのミニマリストが言っていた“幸せ“がわかった気がする。
部屋から余分な物がなくなる分、掃除がし易い。持っている量は少ないけど、好きな洋服と靴しかないから服装考えるのが楽しいし時間の節約になる。必要なものを購入する際、クオリティ・機能重視で購入するので、使用時に満足しないことがなくなった。
やっと肌身で実感したのだ。必要なものだけで自分を囲うことで、生活の質や幸福度がぐっと上がることを。
 
前に頑張って片付けで空けたスペース、今は嬉しいことに2匹の猫が走り回るための遊び場になっている。
見ているだけで幸せだ。
私の空いた時間やお金も、かわいい猫たちに費やされている。
猫たちも留守番中、危ないモノが部屋にないので安全に部屋で過ごすことができている。
あの時、所有物の取捨選択ができていなければこんなことはなかっただろう。
 
この幸せな生活を続けるためにも、今後も所有物の整理は続けていくつもりだ。そしてついつい周りの人にも、“持ち物の見極め”をついついおすすめしたくなる今日この頃である。
 
 
 
 
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2020-05-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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