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メディアグランプリ

家計相談は見えないものを見つけ出す作業

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:音羽 ひろ(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
ファイナンシャルプランナーとして家計相談にのっているというと、たいがい2つの反応がある。「お金持ちが相談するものでしょ」「うちは人様に見せられる家計じゃないから、恥ずかしい」。さらには、家計の中身を見られたら「おこられそう」ともいわれる。
その気持ちは主婦としてとても、わかる。例えば、ハウスクリーニングを頼みたいけど、その前に掃除しとかないと、という心境に近い。ちゃんとやってないことを責められるようで気後れしてしまうのだ。
「まあ、こんなに汚いレンジフードは初めて見たわ」「いったいどのくらい掃除しなかったら、こんなにサッシに埃がたまるの」と思われるにきまってる。妄想の中であっても身がすくむ。
しかし、実際の家計相談はそういった展開にならない。むしろ「心が軽くなった」「安心した」と言っていただくことが多い。それは、たぶん家計を見る視点の違いだと思う。
家計相談というと、収入がいくらで、年間の支出がこれだけ、ならば年〇万円貯まりますね、みたいな足し引きや運用率といった数字のみ注目しているように思われている。数字だから、収入と貯蓄残高は多ければ多いほど良いし、そのために支出は少ないほどよくなる。
このように数字というのはわかりやすく比較できるため思いのほか影響力が強い。例えば、〇代の平均貯蓄額は~、とか平均年収は~という数字があるが、実際には同じ年代でも金額の幅は驚くほど広い。同年代であっても生き方や事情は様々だという当たり前のことが見えづらくなっている。そこに、プラスアルファの感情がのっかってしまうと、収入や貯蓄残高が高いことは社会的な能力の高さや表していると刷り込まれ、平均から外れることで無用な優越感や劣等感が生まれてしまう。
さらにいえば、平均に縛られることは自分の生活スタイルを外側の価値観に合わせてしまうことなので、自分の本当に大事にしたいことが見えなくなる恐れがある。以前老後資金には年金以外に2,000万円必要という金融庁の報告書が炎上してしまったが、これは単なる計算上の数字ということを超えて、不安や自尊感情に火をつけてしまったのだと思う。
そもそも、お金にはなぞの万能感がある。お金は将来「何か」と交換できる可能性の大きさを表しており、「何か」は交換できるものすべてなので、それこそ「何にでも」換えられると錯覚してしまう。そこが落とし穴だ。私たちはその「何でも」に本当に何でもおっかぶせてしまう。
将来病気になったら、将来介護状態になったら、仕事がなくなったら……。こうした不安を解決する具体策は案外ある。保険に入ったり、福祉を利用したり。でも、それの準備で消えない不安があるとしたらそれはお金の問題ではない。
そもそもお金は関係ないのだ。本当の問題はむしろ目に見えない。
不安の元凶はたぶん自分を大事にしてほしいという自己承認の気持ちだ。でも、それはお金では手に入らない。他人にそれを求め続けても得られないだろう。結局自分が自分を大切にするしかないのだ。
そうなると、いかにして自分を大切にしたらよいか、を考えることが大事になる。そのヒントが家計の中にちりばめられている。
数字の羅列の中で、数字以外のことを見る。それが家計相談のだいご味だ。
相談に来られる方は、将来何かを得るためにお金を貯めたいと考えている。マイホームや教育費、老後資金などだ。しかし、その動機を深く探っていくと、本当の望みではなくむしろ葛藤から欲している場合もよく見られる。親や社会から期待されたものを自分の欲しているものだと思い込んでいるケースは多い。
反対に、外側に合わせた目的を優先するあまり切り捨ててきたものに、本人が大切にしている価値が埋もれていたりする。そういう時は、もし残高がずっと1億円キープし続ける口座を持っていたら何をしまうか、と質問してみる。すると、これまで口にしていない使い道を教えてくださる方もいる。じゃあ、それに近づけるためのお金の使い方を一緒に考えてみましょうと水を向けると、とたんに生き生きと活気づいてくる。そこにご自身の大切にしているエッセンスがあるのだ。
家計を見ればびっくりするほどその人が見える。お金は現実で、何を考えどう行動してきたかがわかるからだ。そこにその人らしさが現れるので、それを伸ばすことで家計は改善していく。
多くの人はこれさえ守れれば他にはないもいらない、というものを持っている。それは、案外収入にゆとりのある時ほどそれが見えなくなっているものだ。他人の欲望に侵食されてしまい、本当は欲しくもないものを手に入れてしまう。
今、新型コロナウイルスの影響で、多くの人が将来の経済にうすぼんやり(人によっては切実に)不安を抱いている。しかしこういう時期の方が、自分の本当に必要なものが見つけられる。それが見つかればお金から自由になれる。
 
 
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2020-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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