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ガパオが食べたい2020


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:スガイユカ(ライティング・ゼミ通信コース)
 
 
「ガパオが食べたい……」
そんなことを思ったのは、新型ウイルスによる自粛生活で、オフィスへの通勤がなくなって1ヶ月ほど経った時のことだった。
 
我が家は休校中の小学校2年生になる双子がいる状態での在宅生活。
12時頃、お昼休みの時間を使って子どもたちの昼食を用意し、自分も簡単に昼食を済ませる。通勤しているころは、同僚とランチに行ったり、キッチンカーでごはんを買っていたのが懐かしい。
 
家で作る昼食、しかも仕事の合間ともなると、麺料理やおにぎりなど簡単なものが多くなる。だんだん自分が作った料理にも飽きてくる。そんな時、ふと「ガパオが食べたい」そんな気持ちがこみ上げてきた。
 
職場のある表参道には、美味しいランチが食べられるお店がたくさんある。自粛生活にそんなに不満はなかったけど、足りないものがあるとすれば「ガパオだな」そんなことを思ってしまった。
 
ガパオとは、肉とパプリカ、たまねぎ、バジルなどを炒めてご飯の上にかけてたべる人気のタイ料理だ。
私は、ゴールデンウィーク中にガパオを作ると心に決めた。
 
待ちに待ったゴールデンウィーク初日、まずはナンプラーを買いに行くことにした。どうせなら、美味しいガパオが食べたい。そのためには美味しい調味料が必要だ。そこで、私の中で「裏切らない調味料」を扱っている食料品店へ向かった。
 
そこにはナンプラーが1種類だけ置いてあった。この店の調味料にハズレはない。と思いつつ、ナンプラーなんて今まで買ったことがなかったので、買う前に一度検索してみた。
すると、「このナンプラーは、癖がなくて美味しいです」との口コミを発見。ナンプラーって、魚醤特有のあの癖を求めて買うのだが、大丈夫かな?と思いながらも、とりあえず購入してみた。
 
次にガパオの材料となる食材を買いに向かった。
 
スーパーで買い物リストを片手に、必要なものをカゴに入れていく。
パプリカ。ピーマン。たまねぎ。生バジル……。生バジル、ガパオの肝とも言うべき生バジルがない!
 
抜かった、生バジルが売っているか事前に押さえていなかった自分のミスに落ち込みつつ、ここで私のガパオ計画は頓挫するかと思われた。しかし私には引くに引けない事情があった。
 
今日のガパオに併せて、大好物の生春巻きを作ってしまっているのだ。
ガパオと生春巻きでアジアンディナーをキメる心づもりでいたのに。生バジルがないなんて。こんなことってある……。
 
一人ショックを隠しきれず、カートを押しながら思考を整理した。
生春巻きは、明日までは持たない。たとえ生バジルが手に入らなくとも、今日はガパオを決行した方が良い。
 
気持ちを切り替え、スマホで「ガパオ・バジル・代替」と検索してみたところ、2つのパターンが想定できた。一つは乾燥バジルを使う方法。もう一つは、大葉を使う。というものだった。
 
なるほど、生バジルもシソ科の植物。香りの強い大葉を入れればよいのか。もともと大葉は大好きなので、今日は大葉で代替することにした。
 
ひき肉を購入し、材料は揃った。生バジル不在のショックは隠しきれないが、仕方ない。気を取り直して、料理上手な知人に教えてもらった、簡単なガパオの作り方メモを参考に調理していく。
 
野菜の下準備を終え、調味料も準備した。ひとり3分クッキングのつもりでフライパンに油をひいた。
 
そこに、にんにくを入れて香りが出たらひき肉を投入する。ひき肉に火が通ったら、ナンプラーの登場だ。見慣れない容器に手間取りながら、ナンプラーをフライパンに入れると、あの、ナンプラー特有の香りがキッチンに広がった。料理好きの息子は「なんか、変なニオイがするね」とフライパンをのぞきに来た。
 
「ナンプラーっていう、タイの醤油だよ。お魚でできている醤油だよ」と伝えると「ふーん」と言って去って行った。リビングで、娘が「なんか、変なニオイがするね」と息子と会話している。「うん、ナントカ−っていう、たいの醤油だって。お魚の鯛だって」と、とんだ誤報を流しているけど、調理中のため訂正は後にすることにした。
 
そして、ひき肉にオイスターソース、醤油、砂糖を投入し、野菜を入れて炒める。最後に生バジルを入れて、完成の予定だった。が生バジルはないため、大葉を投入。
 
思った以上に簡単だった。
 
お腹を空かせた子どもたちが、今日のご飯はなにとキッチンをウロウロし始めたので、目玉焼きを焼いて、ガパオもどきを仕上げた。
 
念願のガパオが完成した! さっそく味見をしてみる。バジルではなく大葉のため、想像していたガパオではないが、十分美味しい。自分の中では99点の出来栄えだった。
 
子どもたちにとっては初めてのタイ料理。果たして食べるだろうか。ドキドキしていると、ピーマンが苦手な娘は怪訝そうにお皿を見つめていたが、一口食べると「美味しい!」そう言って無言で食べだした。「これ、鯛の醤油で作ったんでしょ」とネタのような話をしてくる息子には、「タイと鯛の違い」の説明をしておいた。夫も「これ美味しい!」と絶賛してくれて、私のガパオ欲は120%満たされた。
 
自粛生活がなければ、私は自宅でガパオを作ろうなんて思いもしなかっただろう。この生活のおかげで料理のレパートリーが1つ増えて、家族と美味しい時間を過ごすことができた。制約のある暮らしではあるが、次はどんな料理を作ろうかワクワクしている。
 
 
 
 
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2020-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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