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そうか! 眠りが足りなかったのか!

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:稲垣憲治(ライティング・ゼミGW集中コース)
 
 
「会社、辞めたいと思っているんです」
20年ほど前、人事部門で働いていた時、よく若手社員からそんな相談を受けた。
 
私は採用担当だったから、彼らの学生時代の頃を知っている。
企業説明会の時のはつらつとした表情。
面接で質問に真剣に答える声。
グループディスカッションの時の面白いアイデア。
 
そんな素晴らしい若者の中から、とびきり優秀で会社の将来を創っていってくれると信じられる人たちを選りすぐって入社してもらった。
 
なのにどうしてなんだろう。ほんの3、4年の間に何があったんだ。
今はその頃の影も見られない。
うつむきながら、弱々しい声で、表情も悲しく固まっている。
まるで別人だ。
 
とても不思議だった。
職種別採用だったから、彼らはやりたい仕事についている。
少数精鋭を目指していた企業だったから、若手でも会社の業績に関わる重要な仕事を任されている人が多かった。給与も悪くないはずだ。
その若者の上司と話をすると、大体同じような返事が返ってきた。
 
「あいつは、ここんところ凡ミスが多いんですよね。覇気もないしね。2人で打ち合わせしててもこっちの話を聞いてない感じなんですよ。ボーっとしちゃってね。遅くまで会社にいるんだけどね。効率が悪いっていうかね。以前はそんな事なかったんだけど」
 
その頃の私は、自分が採用時に本人の適性やポテンシャルを見誤ったのか、企業風土に合わない何かがあったのか、と元気だった頃の彼らに申し訳ない気がして、悶々としていたものだった。
 
だが、大学の教員となった今はまるで違う理由だったと考えている。
それに気づくきっかけをくれたのは、私が行っている授業の受講生たちだった。
 
私の行っている授業の一つに、4、5人のチーム単位でリーダーシップに関する本を1冊取り上げ、その内容をインタラクティブにプレゼンテーションする、というものがある。
通常は、デール・カーネギーの『人を動かす』や、松下幸之助の著作から一冊など、いかにもな本が多い。
ところがあるチームが『スタンフォード式最高の睡眠』というおよそリーダーシップとは関係ないんじゃないかなという本を取り上げた。
 
彼らの主張はこうだった。
夜、睡眠をきちんと取ることによって、日中、元気でいられる。だからリーダーシップ行動をとることができる。
 
学生たちのプレゼンテーションだけではしっくり来なかった私は、その本をさっそく読んでみた。人生の1/3は寝ているのに、全くその仕組みも意味も知らなかったんだな、と驚いた。
 
その本に曰く。
最初の90分をいかに良質の眠りにするかが勝負。
脳と体をメンテナンスするために、その時間が一番大事である。
 
脳内の老廃物を除去するためには眠りが必須。
それが足りないとアルツハイマーになりやすくなる。
 
衝撃の事実に驚いた私は類書を何冊も読んだり、ネットで調べたりし始めた。
眠りというものにどんどん興味が湧いてきたのだ。
 
そして、さらにいろいろなことが分かってきた。
睡眠は、精神の正常な機能の維持、記憶の強化、能力の向上など、人として生きていく上で、非常に重要な役割を担っているのだった。
 
仕事が忙しいから寝ずにがんばれ! とか言ってる場合ではないのだ。
一晩徹夜した人間は、かなり酔っ払っているのと同じ状態なのだ。
特に注意力は格段に落ちる。
飲酒運転は5年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑事罰だ。
寝ずに頑張るって事は、罰せられはしないが、危険なことなのだ。
そりゃあ毎日夜遅くまでオフィスに残っていた若者たちが、凡ミスを繰り返したり、覇気が無くなったり、ボーとしても当然だ。
 
いろいろと学んでいく中で、一般社団法人日本快眠協会という団体にまでたどり着いた。
いろんな団体があるんだなあと思った。
その団体は、小さな子どもから高齢者までを対象に、保育園やお寺、カフェや街の文化センターなどで睡眠の大切さを教えているという。
いいことやってるじゃないか。
 
たまたまご縁が繋がり、会長の今枝さんにお話を聞く機会が持てた。
その快眠への熱い思いに感化され、私は会員になり、さらに睡眠について学び、今では講師の資格まで取ってしまった。
 
だから今なら言える。
若者たちに足りていなかったのは眠り、上質の十分な眠りだったんだと。
彼らは、日々の忙しさの中で、睡眠時間を削り、少しずつ、少しずつ自分の持つ力を奪われていったんだと。
学生の頃にはあった、機敏な動き、斬新なアイデアを生み出す閃き、少々のストレスも受け止められる心、病気にもなりにくい体。
それらを取り戻すには寝ることなんだ!
 
どんな自己啓発プログラムを目をこすりながら受けるより、ドリンク剤を飲むより、まずは寝ようじゃないか。
 
今夜、あなたがどれだけ気持ちよく眠るかで、明日のあなたのパフォーマンスは決まるのだから。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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