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メディアグランプリ

私を照らすストロボたち


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:森真由子(ライティング・ゼミGW集中コース)
 
 
他人ってなんだろうなぁ。
晴れたある休日、のんびりした時間の中で私はそんなことを考えていた。
忙しい平日では考えられないが、人は暇な時こそふと物思いに耽るものである。
 
いつも自分のことで精一杯だった私が、ある漫画を再読をしながら他人とはどういう存在なのか考えてみた。
常に新しいものに出会いたいから、私は一度読んだ本や漫画は再読しない派だったが、本棚を整理していた時に高校時代に読んでいた少女漫画を手に取っていた。
ろびこさんの『となりの怪物くん』。
この漫画は高校時代に夢中になり、他の女子だけでなく男子クラスメイトにもお勧めして貸していた程のお気に入りだった。
あれ? どんなストーリーだったけ? 最後どうなったんだ?
あんなにもお気に入りだったのに、年月が過ぎるとお気に入りだったこと以外はやはり忘れてしまっていた。こうして、いい年した大人がまた少女漫画の世界に浸っていった。
 
少女漫画は恋愛中心なものが多いが、これはもっと人間に焦点を当てた物語となっていた。
将来は年収一千万以上を稼ぐべく、勉強にだけ集中。そのためには友達も何も必要ないという冷血少女がこの物語の主人公。対照的に天性の才能で勉強はできるが、ただ友達がほしいだけの問題児な少年が出てくる。この二人が出会ってから、冷血少女は不器用ながらも他人と関わっていくことを知り、徐々に彼女自身も変わっていく。どう変わっていくかはぜひ漫画を読んでみていただきたい。
 
久しぶりに読んでみて、私は思わず感動してしまった。
当時、高校生だった私がどこまで理解して読んでいたかはもう今となっては定かではないが、人の成長物語としては定番だけれどもとても大事なことを示していたのだと分かった。
 
友達を必要としていなかった少女は寂しさを感じていた自分に戸惑っていたところ、ある男子からこう言われる。
「さみしいっつーのは相手がいるから感じるもんだよ」
 
そうだ、自分がどう感じるかというのは大抵相手がいてこそのこと。
本来は人見知りであまりアクティブではない私でも何人か親しい人達がいる。
その人達と接する時は楽しいが、たまに以前の自分からは想像していなかった自分自身の一面を発見しては驚くことがある。
 
1年に1〜3回程度会う付かず離れずな友人がいる。もう数少なくなってしまった幼馴染みだ。
彼女と久しぶりに会った時のことだった。
「前から思っていたけど、あなたって案外しっかりしていないのね」
幼馴染みということもあって、言われた言葉は変化球なしのストレート。
言われた瞬間はショックだった。
なにせ自分は結構まめでしっかりしている人間だと思っていたから。
ただ言われてみれば、そもそも自分がなぜしっかりしているのだと思い込んでいたのだろうか。友人たちからはさほど言われないのに、友人の母親たちからはそう言われることが何回かあった。大人から見た子供たちの中では私がしっかりしているように見えていたのだろうか。
 
よくよく考えると、私は大人しかっただけで、いつもしっかりしていたのは周りの友人たちだった。
レストランの店員さんを呼ぶのも、旅行の段取りを組むのも彼女たちがやってくれていた。
そうか、私と関係が遠い人にはそう見えてしまっていたかもしれないが、実は私って全然しっかりしていなかったんだ。
これは別にふてくされているとかではない。
もちろんいつもただ楽なポジションにいるのは友人にも申し訳ないし、自分でも気付いたことはちゃんとやらないといけないとは思っている。
 
この幼馴染みに言われた言葉を通して、単純に自分の一部を理解することができた。
理解することができたから自分も変わろうと思える。変化を起こすにはまず知るところからだ。
だからふてくされている場合ではなかった。
 
こう考えていると、他人というのはストロボのような存在かもしれないと思った。
ストロボとは要はカメラの発光装置、フラッシュのこと。明るい中でも暗闇でも対象物を照らすことができる。
 
自分というのは案外一番自分ではよく分からないもの。
誰かと比べないと自分はどういう人間かが見えてこない。
比べることで自己嫌悪になることもあるかもしれないが、そう感じたのも自分自身である。
他人に照らしてもらうことで、見えていなかった面が浮かび上がってくる。
 
幼馴染みから言われたしっかりしていない自分はほんの一部であって、たまに同じイメージの自分も存在していることがあるが、基本的に関わる人それぞれが違う自分を発見させてくれる。
私は彼ら彼女ら本人を見ながら、自分自身をも見ていたのだ。
そう思うと私の周りには色々なストロボたちが側にいてくれたんだと分かる。
 
こんなことを考えながら、またみんなに会いたいなぁ、と思った今日この頃であった。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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