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全裸リモートワークのススメ


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記事:ムックブック(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
解放された心身。
この胸の高鳴り。
初めての経験。
すべてを脱ぎ捨て。
痛みを感じながら。
私はPCと心のスイッチを入れる。
 
そう。
これから私は、初の全裸リモートワークに臨むのだ。
 
さて。
東京は変わらず、閉じこもりの日々が続く。
心身が慣れてきたような気もしていたが、自転車に乗ったら、ぎっくり腰になった。
知人の整体師は言う。
このリモートワークで、知らず知らずに心身で悲鳴を上げている人が多いらしい。
私は、気づいていなかった。
運動不足解消のため、ちょっと遠出してスーパーに行っただけなのに。
 
知人の整体師から、もう一つ言われたのは「今、気づけて良かったね」ということだ。
痛みは、危険シグナル。
それが感じられるうちに自己認識できたのは、良いことなのだという。
なるほど。
私は、ポジティブに捉えることにした。
 
ただ抜けている要素もあった。
心身のうち「心」だ。
では、心の痛みはどう察すればいいのか。
 
しばらく悩み、試行錯誤をした後、私は全裸でリモートワークをしていた。
自らに、精神的な苦痛を与えるために。
 
今、リモートワークにおけるセルフコントロールをどうすればいいのか。
わかりにくい心のケアで、衣服にヒントがありそうだということを今回、言いたい。
ストレスに気づきたいなら、裸になってみよう。
今こそ、裸リモートワークである。
 
最近、洗濯をしていて気づいた。
リモートワークのおかげで、着ている服が固定化されている。
シャツ2~3枚と下着くらいでのローテションだ。
外に出ないし、リモートではそんなに良いものを着ていない。
 
ふと思った。
それは、高揚する服を着ていない。
仕事の勝負服を着ていない状況なのではないか。
それで本当に仕事に集中できているのだろうか。
 
通勤が激減した中、皆さんはどこで仕事モードに入るのだろうか。
仕事スイッチは、何だろうか。
男性であれば、スーツを着てネクタイを締めた瞬間かもしれないし。
女性であれば、メイクを決めた瞬間かもしれない。
(アラフォーおっさんなので、若干偏っているのかもしれません)
 
人間、仕事だけして生きているわけではない。
いろいろな役割を担っている。
私は、例えるなら、いろいろなコスプレをしているのだと思っている。
リモートワークが始まり、私は仕事のコスプレが疎かになっていた。
 
自宅で仕事ができる開放感に浸っていたはずが、どうも違ったようだ。
リモートワークに適した勝負服を探す。
私の挑戦が始まった。
 
まずはこれまでの仕事着に、気分をゆるめることをせず、毎日着替えることにした。
ピンと来なかった。
 
ジャケットを着てみた。
ピンと来なかった。
 
いろいろやった結果。
最終的に、裸になってみた。
全裸でリモートワークをしていた。
 
そうしたら、別の気づきがあった。
PCのデュアルモニタに反射した自分のたるんだ身体、猫背な姿勢。
椅子の背もたれは、つくと冷やっとするので、不自然に寄りかかっていたのもわかった。
そういえば、腕時計も全然着けていなかった。
というか、宅急便が来たらどうしよう。
 
恥ずかしかった。
一人部屋に籠り、アラフォーのおっさんが全裸でPCに向かっている姿も滑稽だ。
ただ、やってみないとわからないことばかりだった。
 
そして、ストレスの根本原因も、おぼろげに掴めてきた。
仕事のときと同じ服で、なぜ気分があがらないのか。
私のストレスは、リラックスすべき自宅で、仕事に追われるということそのものにあったようだ。
 
だから自分の切り替えスイッチを探した。
結論として、私は愛用のロレックスだった。
 
社会人になってから5年目。
高級時計が似合うビジネスパーソンになりたくて、貯金をはたいて買った。
仕事で成長をしたいという原体験を呼び覚ますスイッチだった。
だから毎朝、始業前には、螺子巻きをすることにした。
そう気づいた瞬間、全裸にロレックスだったのは、ここだけの話。
 
リモートワークで、本気で仕事ができていなかった。
それが心の不調であった。
それなら、ぜひ一度、自省をしてみて欲しい。
もしかしたら、気軽に気づくことは難しいかもしれない。
だから、あえて自らの心に痛みを与えて、その有り様を感じてほしい。
 
恥ずかしがる必要はない。
私たちは、時代に合わせて仕事着が変わることを体感している。
クールビズが始まったら、ネクタイやジャケットはスイッチではなくなった。
リモートワークであれば、モニタに映らない部分は気にする必要すらない。
それであれば、まず裸になってから、痛みを感じてみてはいかがだろうか。
 
だから、私はオススメする。
リモートワークに息苦しくなったら、裸になろう。
誰も見ていない、新しい自分に気づけるはずだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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