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メディアグランプリ

2番目でいい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:三谷 智子(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
私は同じ職場の彼に恋をしました。
その日は、失恋での落ち込みを必死に堪え、仕事をしていました。おかげさまで誰も気づきません。でも、彼は気づきました。帰宅後スマホを見ると、「大丈夫ですか? 話聞きますよ」と、彼からラインがきていました。
彼に急ぎ電話しました。本当は、誰かに聞いて欲しかった。電話口で1時間、ただ泣きじゃくりました。彼はひたすら聞いていました。私は彼に惚れました。
 
彼に惚れて間もなく、私の母の病気が発覚しました。余命が半年もありませんでした。
私はハチャメチャな精神状態になりました。辛い気持ちを聞いて欲しい。私を救って欲しい。前後不覚になりました。聞くに耐えぬ話ばかりで、周囲の人は私と距離を置いていきました。でも彼はそばにいました。私の機微をキャッチし、絶妙なタイミングで気持ちを上げてくれました。私は、彼も私への愛情があると錯覚してしまいました。
 
関係が壊れることも恐ろしく、彼に付き合って欲しいとも言えませんでした。朝に夜に辛さをぶつけたラインは送れるのに。誰にも見せたくない泣き顔を、彼には見せられるのに。彼へ「好き」とは言えませんでした。
 
私のもたつきがいけなかったのでしょうか。彼に惚れてから8か月後、彼は私ではない女性と付き合い始めました。彼が付き合い始めたことを、人づてに知らされました。付き合い始めたことを素知らぬふりをし、慌てて告白しました。彼女のことは伏せられたまま、フラれました。
 
私は大爆発しました。自分の不甲斐なさ、恋愛スキルの低さ、勇気の無さ。自分を罵り続けました。すると、眠れない、食べられない私が出来上がりました。
自分を幸せにする方法を一生懸命考えました。彼しかありませんでした。2番目の女でも、セフレでもなんでもいい。彼に近づきたいと思いました。
 
捨て身な気持ちを持ったとはいえ、どうしたらいいか分かりませんでした。効果的な行動をしたいと思っても、何もできません。
「私は2番目でもいい。そばにいたい」自分の心の中で思うのが、精一杯でした。
 
毎日話をする。ラインをする。ご飯に行こうと誘う。私のできる行動は、ここまででした。ラインの返事はくる。ご飯はなんとか数回行けた。楽しく毎日会話できる。自分の頑張り次第で、突破口が開けるかもしれない。淡い期待を持てる程度に、彼から反応はありました。踏ん切りをつけることもできず、苦しみました。
 
そうして数か月が経ったある日、彼が結婚することを知りました。彼女のときもそうでしたが、ある日突然、彼以外の人から知らされました。
彼との日々の会話からは、彼女について一切匂わされることはありませんでした。彼から直接「結婚する」と聞きたかった。もっと前に、「大切な女性がいる」と彼から聞きたかったです。
人づてに知らされるくらい、私と彼との間はなんら絆が無かった。やっと理解できた瞬間でした。
 
再び酷く落ち込む日々となりました。苦しんで、苦しんで、納得しよう。失恋したことを、しっかり受け止めようとしました。想いがたくさんあった分、受け止めるのも大変でした。
 
彼は結婚してからも、今まで通りの私との関係が続くと思っていたようです。
私は彼からの挨拶だけでも、とても辛かったです。私の独りよがりだったと、自覚はしました。それでも彼からの挨拶は、「独りよがり」を突き付けられるようで辛かったです。
 
勇気を持って彼へ、「周囲に人がいないときは、挨拶をしなくてもいい」と伝えました。もはや彼に、変な人と思われた方が好都合だと思いました。元通りになれない。なりたくない。自分の意思表示も込めました。
彼は憤怒の表情を浮かべ、「納得できない」と返答してきました。
 
そして今。私は、彼から熱心に挨拶されるようになりました。思わぬ展開でした。
今の私は、彼を無視しています。周囲から不審がられることも、私の言動を叱られることも覚悟しました。今のところ誰からも、何も言われません。誰も気づいていないようです。私と彼の関係は、随分前から希薄だったのです。改めて気づかされました。
 
すべて幸せになろうと思い選んだ行動でした。失敗しようとは、決して思っていません。
でも失敗しました。どの失敗も、とても痛かったです。
 
「違ってるよ」と出来事そのものが私に伝えるために、私は痛みを感じていたのだと思います。痛みを無視して、痛みをなかったことにして、次の行動を決めていました。落ち着いた今でも、痛みはリアルです。痛みを実感しだしたので、むしろ強烈に感じている毎日です。
 
沢山の失敗を重ねたからこそ、痛みは大切だと実感できました。おかげさまで、負の感情もしっかり受け止める覚悟を持ちました。自分の選択肢が増えました。
 
「幸せに繋がる行動を選べるのは、失敗を重ねたから。
失敗は、幸せへの途中過程だったよ」
そんな風に、幸せな未来の自分が、失敗を重ねた過去の自分へ感謝できるよう。
ここから一歩ずつ、歩んでいこうと思います。
 
 
 
 
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2020-05-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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