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メディアグランプリ

「ハマったさん」に近づいたことないなんて、もったいない!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:渡辺まほ (ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
平日の19時。
私は、Eテレの『沼にハマってきいてみた』という番組を、子供たちと一緒によく見ている。
ある種の沼にハマってしまった人に注目し、その偏愛っぷりが紹介されていて、とても興味深い番組だ。
 
内容をもう少し詳しく説明すると、まず、その日に語られるテーマ(沼)が1つとりあげられる。例えば、鳥・ダンス・はちみつ・GENERATIONS・ゆめかわいい(メルヘンやかわいらしいモチーフで彩られた夢の中のような世界観)など、日によってジャンルは様々。
そのテーマにハマってしまった人々がゲストとして呼ばれ、それに関連して創作した作品や、日常生活への浸出度合いなど、ハマりっぷりが紹介されるのだ。
 
先日放送された「スタンプ沼」だと、LINEスタンプを自分でデザインする人、消しゴムで精細な動物の絵や浮世絵模写のスタンプを作る人、鉄道で全国を巡り駅スタンプを収集している人など、同じテーマでも少し方向性が違ったり、ハマり方に個性が出ていて面白い。
 
特にテーマが食べ物の時などは、こだわりがない私でもこんな食べ方や楽しみ方もあるのね! なんて気づきも得られ、やってみようって気にもさせてくれる。
 
ここにゲストとして呼ばれ、自身の偏愛っぷりを紹介している方たちは、たいてい高校生か大学生の若者たち。この番組では、その方たちを「ハマったさん」と呼んでいる。
これって、いわゆる「オタク」よね?
なんて40代の私は思うのだが、その言葉が使われていることはないようだ。
 
ひょっとしたら、「オタク」にはネガティブなイメージがつきまとっているのかもしれない。
でも、私は「オタク」な人が好きなのだ。
 
子供の頃、だいたい中学生くらいまでは、明るくて、スポーツができたり、頭がよかったり、皆を強いリーダーシップでひっぱっていく人がモテていて、私もご多分にもれず、そういう人に注目していたように思う。
でも、高校生になってからは、そういう人に魅力を感じなくなってしまった。
なんだか周りにチヤホヤされて調子にのるようになったりして、“がっかり”が先にきてしまったのかもしれない。
それよりも、教室の隅で「オタク」と言われていた一見地味な人たちが、3~4人くらいで集まり少々興奮気味に話しているのを目にしてしまうと、一体何を話しているんだろうって気になってしまった。
 
「何話してるの?」
「タイムマシンは作れるかって話。一般相対性理論の話だよ」
「?」
恐ろしくキラキラした目で、私の知らないこと、よくわからない単語を延々と興奮ぎみに話してくる。周りもフンフンと頷いている。
彼らの知識は深く、私はすぐには理解できなかったけれども、門外漢の私を馬鹿にすることはなく丁寧に話してくれた。
残念ながら、今となっては内容を忘れてしまったが、よくぞそんなに語れるものだなと感嘆したことは、よく覚えている。
当時はインターネットもなく、映像資料もテレビしかなかっただろうから、資料をかき集めるのも苦労があったはずだ。
井戸を、いや、石油を掘るかのような探究心で集めてきたのだろう。
そんなわけだから、ほとんどが本から得た知識のはずだ。
それらを読んで理解し、スムーズに語れるほど咀嚼して自分のものにできるなんて、正直それだけでも尊敬ものだった。
彼らは私に遠い異国の話をしているかのように、私の知らない世界を見せてくれた。
彼らの口から出てくる話が面白かった。
 
「オタク」=「暗い、変わっている」というイメージがあるのかもしれない。
たしかに沢山の人を明るく照らす太陽のような人ではないだろう。
でも、狭い範囲を集中的に照らせるスポットライトのように、好きをとことん照らし続ける熱い源を心に持っているのだ。
飽きっぽい性格の私は、その熱源を持っていることが羨ましかった。
彼らは私にはないものを持っていた。
私はそこにも惹かれた。
 
こうして、私は「オタク」な人が気になるようになった。
そして、実際、物理「オタク」と結婚して、今年で10年になる。
 
そんな夫との会話はというと、
「タイムマシンって作れるの?」
「タイムマシンをどう定義するかによるよ」
「ドラえもんみたいなやつ」
「あれはできないよ。自由に過去の時点に行き来するやつは無理」
「なんで?」
「時間は一方向にしか流れないからね」
「未来に向かってのみ流れてるってこと?」
「流れている先のことを未来っていうんじゃないかな。もし戻ってきたら、今度はそっちの方向が未来になるかもしれない。時間が無限に流れると過程すると拡散していく方向にしか流れない。でももし有限だとしたら、ある時に止まって収束してくるはずだから、外から見ると戻ってきていて、今までと逆の方向、つまり過去に流れていることになるんだけど、実際その中にいると分からないんじゃないかな?」
…… と続いていく。
長くなるのでこのあたりでやめておくが、私は今でも夫から新しい世界を見せてもらっているのだ。
 
このように「オタク」な人、今でいう「ハマったさん」はとても魅力的な人だと思っている。
もし近づいたこともないというなら、もったいないことだ。
一度、話を聞いてみると面白いはず。
Google検索が指先ででき簡単に情報が得られる時代になったが、彼らの深い知識が載っているのは、おそらく検索結果の2ページ目以降だ。
きっと、あなたの知らない世界を見せてくれるに違いない。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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