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好きを口にすること


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:渡邊千尋(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
自分の伝えたいことを、誤解なく正確に伝えることが出来る人って世の中にどのくらいいるのだろうか。
 
昔から、自分のことを話したり、自分の好きなものを語ることがとても苦手だった。特に、好きなものに対する気持ちを熱量高く語ることが出来ない。
 
私はアニメやゲームが好きな、いわゆるオタクだ。
大好きな作品についての気持ちは、誰にも負けていないと言えるくらいに大好きだし、誰よりも熱中して、知識だって豊富に持っていると自負している。
 
心の中では、いつもそう思っている。けれど、それを口に出したり文章にすることが出来ないのだ。
 
その理由はいくつか存在する。
 
好きなこと・気になったことはとことん知りたいタイプなので、作品に対しての知識や愛は誰にも負けてないと思うくらいにのめり込むことが多い。根が負けず嫌いなせいもあるだろうが、周りと比べて自分が一番詳しいぞ! と思うこともある。
それと同時に、世の中には上には上がいることを自覚している冷静な自分も存在している。そう思うと、へたに自分が一番好きです! と名乗りづらくなってしまう。
 
さらに、人に熱くその思いを語りたいとき、熱く語れば語るほど薄い反応をもらうことが怖くなることもある。人間、人との温度差に気付いたとき、ちょっぴり寂しい思いをするものだ。
 
何より嫌なのは、自分の言葉が足りないせいで、自分の力量不足のせいで、その作品が正しく評価されないことが悔しい。
こんなに面白いのに。こんなに魅力的なのに。それを伝える自分の言葉選びが少しでもズレてしまうと、正確に相手に伝わらない可能性があることが、本っっっ当に悔しい。
 
今までの私は、こんなことを思っては、結局何も語らず逃げてしまうことがほとんどだった。
諦めて言わないより、伝わらなくても言った方が百倍良いということは頭の中で分かっていても、いざそれをやろうとしても、そう簡単に自分を変えることは出来なかった。
 
そんなとき。
以前WEB天狼院に掲載して頂いた「「推し」の目に留まる文章の書き方」という記事に、自分では想像していないような反応を貰えたことがあった。
 
記事の内容は、自分の好きなものに対して自分がどれだけ懸命に努力を重ねているかということと、自分の今の悩みについて率直に語ったものだった。
 
この記事を書いたときの私は、ほとんど自暴自棄だった。
今までは、自信の無さからこの記事に書いた推しのことを推しと公言したことは無かったし、文章を書く仕事をしている自分が、文章で悩んでいることも本当は言いたくなかった。
 
でもこの時の私は本当に書くことに悩んでいて、それでも何かを書かなきゃいけなくて、本当にうんうんと唸りながら書ききったことを覚えている。正直、自分自身で満足のいった完璧な記事だったとは、到底言えないものだった。
 
でも結果、これがたくさんの人に心に響いたと言ってもらうことになった。
とてもいいね、と言ってもらえた。
熱い気持ちが伝わりました、と言ってもらえた。
共感しました、すごいです、と言ってもらえた。
すごく考えさせられました、と言ってもらえた。
私も推しに同じような気持ちで手紙を書いています、と言ってもらえた。
 
自分では全く想像もしていなかった沢山の反応に本当に驚いたけれど、同時にすごく嬉しくもあった。なにより、自分への自信に繋がった。
 
自分が一番でなければ語ってはいけないと思っていたけれど、そんなことは無かった。重要なのは一番かどうかではなくて、それを声に出せるかどうか。
 
熱く語ることは決して怖いことではなく、熱く語れば語るほど、逆に人は熱い思いに応えてくれるし、同じ熱量を求めている人と出会わせてくれることもあった。
 
今まで、誤解を恐れて表現することから少し逃げていたけれど、伝えるためにと工夫し努力したことは、きちんと人に響く文章として成立することを、この記事で知ることが出来た。
 
それでも、自分ではまだまだ納得がいっていないという気持ちは残っている。
まだまだ、自分が伝えたい気持ちが正確にすべて伝わっているとは言えないと思う。
 
自分の納得がいくまで、これからももっと人に伝えるための文章が書けるよう努力をしていきたいし、ここで満足したくないと思う。
そして、記事に込めた熱量の大事さは絶やさず忘れず、いつか自分の好きなものを完璧に、魅力的に、誰かに伝えられるようにしたい。
 
 
 
 
***

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2020-05-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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