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アラフォーの青春


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:新明 文(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「はい、帰るよ~」
公園の出口で、何度このセリフを言っただろう。少なくともこの20分間はずっと言っている。
子どもの耳には届いていないようだ。
 
子どもは公園が好きだ。広い敷地に遊具があって、木が生い茂って花も咲いている。そして友達がいる。
まだ遊びたいと泣きながら叫ぶ息子を担いで帰ったこともあった。
テレビやお菓子で釣って帰ったこともあった。
先に帰るよ、といって木の陰に隠れて息子を焦らしたこともあった。
我慢できずに怒ってしまい、泣きながら帰宅させたこともあった。
自分から帰る決心をするのをひたすら待ち続けたこともあった。
 
子どもを育てるということは決して楽しいことばかりではない。辛いことの方が多いかもしれない。子どもを産んでからというもの、自分の時間はほとんどないといっても過言ではない。1日中子どものことを考えて、1日中子どもとしか会話をしなかったら、神経機能に障害がでそうだ。
 
言うことを聞いてくれない息子、うまくいかない仕事、たまった家事、協力してくれない主人に絶望し、脱力感でいっぱいになるときもある。子どもを産んでから10年間ずっと悩んできた。でも、そんな状況から脱するために悟った2つの方法があるのでご紹介したい。
 
ひとつ目は友達と話すこと。昔からの友達でもいいし、公園にいる知らないママに話しかけてもいい。人と話すことで人は思ったより癒される。少しの勇気で実現できる。この効能は絶大だ。
 
ふたつ目は、子育ての視点を変えてみることだ。ピーマンは繊維の方向と直角に横切りすると、苦みを感じやすくふわっとした口当たりになる。縦切りにすると苦みがでにくく、シャキシャキとした食感になる。このように野菜は切り方次第で味わいが変わる。子育ても切り口を変えると味わいが変わる。
 
例えば、子どもはいつも「なぜ? どうして?」で頭がいっぱいだ。子どもに聞かれて私も分からないということはたくさんある。それをトコトン調べるのだ。結構子どももトコトン付き合ってくれる。
ある日、テレビで「きかんしゃトーマス」を見終わった息子が言った。
「せきたんって何?」
「ママの車もせきたんで動くの?」
「電気はどうして明るいの?」
「ママのケータイはどうして音がなるの?どうしてここにいない人と話せるの?」
なにやら生物ではないものが動くことに疑問をもったようである息子。でも私の頭にもハテナだらけだ。
「石炭を知っているけど、触ったことないな」
「ガソリンはいつから使っているのだろう?」
「原子力に頼れない今の電気の発電方法は?」
「古い携帯電話を分解してみる?」
という具合だ。学校で学ぶよりずっと楽しい。
子育ては子どもが育つだけではない。親も育つ。
 
子どもは言葉に関してもよく質問してくる。
「ほこりって何?」
誇りのことをいっているのか埃のことを言っているのか分からない。埃の説明はできるけど、誇りの説明は難しい。ある辞書の編者が言っていたが、言葉を別の言葉で言い換えることは語彙力を上げるのにとても役に立つらしい。語彙力が上がりますよ、という類の本よりずっと力がつく。
同音異義語を探してみることも面白そうだ。
例えば「バイ」は「倍」や「杯」がある。「バイバイ」は「売買」や「bye bye」と英語と日本語の組み合わせの場合もある。子どもは頭で漢字に変換することができず、音で理解しようとするから、面白い発想で私を笑わしてくれる。学校の同音異義語テストは苦手だったが、生活の中での同音異義語は楽しい。
 
また、子どもは「ルール」についても質問してくる。
「どうして電車で静かにしなくてはいけないの?」
これは子どものころから知っているルールだ。でも改めて考えてみると興味深い。もちろん同乗している人に迷惑をかけてはいけないからなのだが、子どもにとってはそれが分からなし、何分も黙って座っておくなんてできない。どうしてしなきゃいけないかを子どもと一緒に考えてあげると理解できる。乗っているお年寄りの気持ちを私が想像してあげたり、自分のおじいちゃんに置き換えたりしてやっと子どもにも理解できる。そして私たち大人も他人に対して想像力が足りないことに気が付く。
 
さて、冒頭の公園問題だ。どうやったら帰ってくれるのだろう。
私は「公園」には勝てない。完敗だ。
「どうして公園から帰らないの?」と逆に質問してみようか。
もういっそのこと公園に住もうか。
帰り道を「鬼ケ島に行く道」に仕立ててきびだんごでも与えようか。
まったく、子どもとの生活は知恵比べだ。
 
大人になってから、小学生や中高生をみて、こう思ったことはないだろうか。
「あの頃にもどりたいな。辛いこともあったけれど」と。
 
子育て期間も同じだ。
おじいちゃん、おばあちゃんから見ると、私たちもそう見える。
子育ては青春の1ページ。
楽しんで育児、育親しよう。
 
 
 
 
***

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2020-05-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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