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リーダーシップ


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記事:ながはら なおこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「なんだか優しくなりましたね。余裕が出てきた感じ」
先日知人からそんな言葉をかけられた
 
「余裕か……」
思い当たる事と言えばあれだろう。
 
7年前私は管理職に就いた。
初めての管理職で覚える事、やる事が山ほどある。
その上職場のマネジメントも必要だ。
 
どんな職場にしようか?
やはり一人一人が自立し、自分で考えて行動ができる。
そしてお互いに助け合える、そんな職場にしたい。
そういった想いを胸に私は管理者としてスタートした。
 
就任当初は慣れない中で大変なこともあったが、今まで自分が見ていた景色から一段上がった新しい景色が見えたようで、苦しくもあり楽しく仕事をしていた。
 
ただ、月日も経てば仕事にも慣れ人も入れ替わる。
そして自分の働き方のパターンも見えてくる。
私自身、人に頼ることが苦手で自分でやってしまいがち。
スタッフが帰った後、一人職場に残り皆が残した残務整理をしながら
「私何やってんねやろうな……」と独り言ちたり
システム入れ替え時には一人深夜まで立ち合ったり
また、「社会人としてこんなことも注意しないといけないのか……」と悶々と考えてみたり。
 
そうしていくうちにどこまでが管理者としてやるべき仕事なのかもよく分からなくなってしまった。
自分の中で「これくらいだったら、管理者の私がやればいいか」
「これくらいのことは管理者が言わなくてもいいか」
そういった小さな小さな積み重ねがいつの間にか大きなうねりとなり
私が抱いていた理想の職場とは違う方向へと進んで行っているのを感じていた。
 
何とかしたい思いながらも
上司も現場におらず状況を理解してもらえない。
また別の現場で働いている同僚も同じような悩みを抱えている。
相談しても結局はお互いの悩み相談で終わってしまう。
 
何も解決できないままここ数年は職場のリーダーとしての限界、気持ちの維持もできなくなっていた。
それでもスタッフからは「ながはらさんは管理職に向いてますよ」と言う声を
かけられる。
 
「管理職に向いてるって何なんだ?」
「何を持って向いていると言えるのか?」
「皆、管理職やりたくないからそう言ってるんじゃないの?」
そんな問いが頭の中をグルグル回り、心は鉛のように重く沈んでいく。
 
でももう自分で答えは分かっていた。
「管理職を下りたい。自分には向いていない。もう逃れたい」ということを。
 
ただ、簡単に下りれるものでもない
後任決定や交代時期など様々な問題がある。
後任管理者候補の彼女はまだ入社6年目。
スタッフと言えば彼女より年齢・経験も上の人達ばかり。
私が作り上げてしまったこの職場の状態をうまくまとめられるのか。
果たして彼女はプレッシャーに潰されてしまわないか?
 
また、私自身の中でも経済的なところがネックになっていた。
今までは管理者手当というものがあり、それがなくなってしまう。
もうその給料での生活スタイルに慣れてしまっている。
果たして生活はやっていけるのか?
 
そう考えるとなかなか踏ん切りがつかなかった。
やっぱり管理者を続けようか……
いや、でももうツライ。
よくよく考えたら私が管理者を下りることは後任の彼女にとっても成長のチャンスじゃないのか?
私とはまた違った職場を彼女は作れるんじゃないか?
彼女が慣れていないのであれば私がサポートすればいいじゃないか?
でも……これは自分が管理者を下りたいためのエゴなのかもしれない。
いや、もうエゴでもなんでも自分の気持ちに限界が来てる
 
そんな揺れ動く気持ちのなか
どこかで決めないと……
 
何が自分にとって大事なのか?
何が職場にとって大事なのか?
 
行き着いた答えはやはり「私は管理者を下りる」という選択だった。
 
そして4月。
私は管理者を下りた。
現在、後任管理者の元、新たな職場がスタートしている。
 
そうすると新たな景色が見えてきた。
一度管理者を経験し、下りてきたからこそ見える景色。
それは後任管理者をサポートするという役割。
管理者経験者にしかできないサポート。
 
それは後任管理者の悩みの受け皿であり理解者。
そして管理者としての立ち位置や考え方のアドバイス。
まさにマラソンランナーの伴走者のような存在。
 
ここで気付いた。
これが私のリーダーシップの取り方だったんだと。
 
「リーダー」と言えば先頭に立ち旗を振り、皆を引っ張っていくイメージを持たれがちだが、私は決してそれだけではないと思う。
時には伴走者のように横に並び共に進んで行くリーダーや
皆の後ろに立ち見守りながら進んで行くリーダー。
それぞれの得意とする方法がある。
そして、管理者だけがリーダではないということを。
 
私は管理者となった時、先頭に立って引っ張っていかなければいけないものだと思っていた。
そしてそれは自分の得意とするリーダーシップではなかったのかもしれない。
だから頑張り過ぎて、どうすればいいのかよく分からなくなってしまったのだと思う。
 
今は管理者と一緒に伴走し、よりよい職場を作っていく。
これも一つのリーダーシップだ。
この自分が得意とするリーダーシップを発揮できている今、心に余裕ができているのだろう。
 
だからこそ冒頭の言葉をかけられたのだと思う。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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