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ジャガイモ礼賛!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Nobu Fujioka(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ジャガイモ、馬鈴薯、POTATO。
この野菜には、いろいろな呼び名がある。
嫌いという人にはまだ会ったことがない。
みんなの大好物。熱々のフライドポテトを断れる人なんているのだろうか?
 
しかし、糖質制限という言葉がでてきてから、どうもジャガイモの地位が下がった気がする。
じつはこの私も、一時期断っていたことがある。
ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ。
女子が大好きな野菜は糖質豊富なものばかりなのに、なんという健康法だ。
ただ、女子には痩せねばならぬ時がある。
これらを断つという厳しい期間をもつようになった。
これがなかなか難しい。
頑張って耐え忍んでも、
「ジャガイモには熱でもこわれないビタミンCがたくさんなのよ」
と、遊びに行った実家で妙に芋を勧められ断れずに口にした時の美味しさに、
ジャガイモ断ちを断念したこともある。
 
そんないろいろな経験を経て、‘バランス良く食すのが一番’といまではなんでも食してはいる。
が、お芋を食べる時にはいまだに心のどこかに‘ちょっといけないことをしている’という、
小さな罪悪感はあったりするのだ。
 
しかし、しかし。
先日運命の出会いをしてしまった。
テレビ番組で運命のジャガイモ様達に出会ってしまったのだ!
その小さな罪悪感を吹き飛ばし、愛へと変えてしまうほどの出会い。
 
某テレビ番組にこんな番組がある。
各地に出向き、食材の生産者の方々に美味しい料理方法を紹介してもらう番組だ。
「うまいっ!」
と、出演者が毎回感激して終わる。
「美味しそうだね?あれ、買わない?」
と、一緒に見ていた家人にそういわれても
‘テレビだから、美味しいとしかいわないわよね?’
と、サラっと聞き流してきた。
 
その番組がコロナの影響により収録が難しくなり、
過去に出演した各地の生産者の方々を特集するようになった。
過去の映像と現状を取材し、食材の納入先探しに困っている生産者の方々をとりあげはじめたのだ。
 
自粛期間は外出できず、当然外食もできない。
家の食事が続き、メニューも思いつかなくなってくる。
こんなに家族揃って夕飯を食べる日が続くなんて、
結婚して25年をすぎているが初めてのことだ。
食事に楽しみが欲しい。
そう思っているところだった。
 
人を助けられるだけでなく、美味しいものが食べられる。
届くまでの期間も楽しめる。
ということで、ついに番組で紹介された食材を頼んでみることにした。
 
私が見たのは北海道特集の日。
買いたくなるものがやまほどあった。
美味しいものが満載だった。その中で、‘買いましょう’と家族の意見が一致した食材。
それがジャガイモだ。
ジャガイモといえば、‘男爵’、‘メークイーン’、‘北あかり’。
新しいところで、‘インカの目覚め’くらいまでしか知らなかった。
番組では、見たこともないようなジャガイモが出てきていた。
‘デストロイヤー’? なにそれ? 絶対食べてみたい!
みんな同じことを考えているのであろう。なかなかネットがつながらなかった。
 
しばらくの期間、到着を楽しみに待つ。
 
‘ピンポーン’ 待ちに待ったジャガイモが到着した。
そのままおいて置くことができず、とりあえず蓋をあけて中を見てみることにする。
パンフレットがはいっていた。
そこにはあふれんばかりのジャガイモに対する、野菜に対する愛があった。
旦那様が生産を取り仕切り、奥様が味を決める。
ジャガイモの‘テイスティング’ということをされているらしい。
‘どんな味の、どんな食感のジャガイモが欲しいのか’というリクエストに応じているというのだ。
すごいことだ。
私が家族に買い物を頼むときは「ジャガイモ買ってきて」だ。
ジャガイモであれば、なんでもいいとひとくくりにしていた。
ジャガイモに対する扱い方が違いすぎることになんだかショックを受けた。
思いの入っているものはより美味しく、尊い気がする。
私もこれからは、ジャガイモの個性を見逃すまい。大切に扱おう。
 
段ボールの中には6種類にジャガイモが入っていた。
おなじみの‘男爵’、‘雪下熟成北あかり’、‘インカの瞳’、‘サッシー’、‘さやあかね’、‘デストロイヤー’。
新しい品種に心が躍る。
 
どれも食べ頃になるまで熟成され、ようやく出荷されてきた選ばれしものたちだ。
そのため、到着後も冷蔵保管。
なおかつ冷蔵庫内の照明もえぐみの原因になるため注意が必要だ。
ただのジャガイモではない。もうジャガイモ様とお呼びすることにする。
我が‘家の野菜室はジャガイモ様でパンパンになった。
心配していた庫内の照明もジャガイモ様ご一行によって遮られて心配不要の状況だ。
 
ゆっくり食事を楽しめる休日の夜。いよいよ、食す時がやってきた。
やはりここはまずジャガバターか? 食感もよく分かるし、味も分かりやすい。
気分を出すためにレンジでチンではなく、セイロで蒸してみる。
湯気のあがったセイロからジャガイモを取り出し、
十字の切り込みを入れてそこに大きく切ったバターをはさむ。
熱々だから、すぐにバターが溶け出して、中身にどんどんしみこんでいく。
上から、塩をパラパラっと振りかける。
 
「うまいっ!」
 
テレビの出演者のように、口々に ‘うまいっ!’ を連呼する家族。
番組をうたがってすみません。本当に美味しいです。
‘インカの瞳’ はねっとりとした食感。
ジャガイモの味にバターと塩がいい具合に混ざっている。
ほとんどなにも手を加えていないのに最高の料理!
一個では足りない。と、いうことで一人三個も食してしまった夕飯になった。
 
じつはこのとき、いつものとおり ‘芋は太る’ と、脳内では警告がでていた。
しかし、やめることは出来なかった。この幸せは、何にも代えがたい。
ジャガバター最高! もう、太ってもいいです。
その後おすすめの凝ったメニューにも挑戦してみた。
が、やはりジャガバターに勝る食べ方は未だにあらわれてはいない。
ちなみに、美味しいものは人に勧めたくなるものだ。
芋に目がない友人に
「美味しいジャガイモに巡り会いました。」
と、近況報告のメールに書いたところ、
「早速注文しました。併せてお豆も頼みました。」
と、何時間後かに返事がきて、嬉しくなった。
彼女もまた、そのジャガイモ様の虜になったことはいうまでもない。
ジャガイモ様のお供探しにも凝っているようだが、
やはりジャガバター以上のものにはまだ巡り会えていないようである。
 
じつは私はサツマイモも大好物である。
この農場でサツマイモを扱っていたら、即座に注文していたであろう。
だが、なぜか扱いはない。
扱いがなかったのは大変残念ではあるが、不幸中の幸いでもある。
自粛期間中にだいぶ体重計の数字が増えてしまったのだ。
 
ジャガイモ様が少なくなり、庫内の照明が明るくなってきた今、
ジャガイモ様の環境維持のために早めに再注文するかどうか?
お風呂上がりの体重計を見て、ほんの少しだけだが迷ってみたりしている今日この頃である。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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