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商売とは愛なのだ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:下田直人(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
緊急事態宣言があけて、久しぶりに新幹線に乗った。
車内は2人だけ。寂しい限りである。
そんな中で、宮城県で、とあるキャンプ場のオーナーと会った。
 
このオーナー、年齢は70歳オーバー。
山の上に東京ドーム32個分の土地を所有している。
そこでキャンプ場と釣り堀を経営している。
 
そこを夫婦で経営しているのだ。
十数年前に釣り堀から商売を始めた。
 
そこから、徐々に商売を広げていったという。といっても、まだ開発したのは東京ドーム1個分だけで、まだまだ未開拓の土地が広がっている。
一瞬感覚が麻痺してしまうが、東京ドーム1個分を、夫婦二人で開発したというから驚異以外の何者でもない。
 
建物を釣り堀も全部自分たちで作った。キャンプ場の芝生も自分たちで植えた。
しかし、最も驚きなのは、この広大な土地には電柱がないということ。なんと、電線は自分たちで地中に埋設したというのだ。
 
今では、オリジナルのピザ窯でピザが焼かれ、ポニーやウサギも飼われている。そして、散策コースがあり、露天風呂がある。
 
すべて、手作りだ。
しかも、廃材を利用したりして、お金はほとんどかけていない。
しかしながら、クオリティは高い。
 
もうびっくりすることだらけなのだ。
 
さらにびっくりするのが、施設よりこのオーナー自身だ。話を聞いていると、やりたいことが次から次へと出てくること。
大変失礼だが、「それ全部死ぬまでにできないでしょう!」というぐらい次から次へと出てくる。
それを目を爛々とさせて、子供のように話をする。
 
僕は、会って3分でこのオーナーに惹きつけられた。
自分の夢を語る人はたくさんいる。
歳をとっても語っている人もそれなりにいる。
 
しかし、多くの人の夢は、本人の夢なだけであって、聞いているこちらがワクワクしないことの方が多い。しかし、このオーナーの夢は、こちらも一緒になってワクワクしてしまう。
 
この違いはなんなのだろうか。
ワクワクする夢とそうでない夢は何なのだろうか?
 
ふと、都内で、赤米作りをしている人の話を思い出した。
この人の夢にも、なんだかとても惹きつけられる。
それは、僕だけではなく、周囲の人も同じみたいだ。
 
その人は、「やりたいことを好きにやっているが、エゴではない」と言った。
やりたいことをやっているが、そのやりたいことが、自己顕示欲や自分の利己心から発せられたものではなく、心の底から純粋に「世のため」とか「みんなのため」ということだ。
 
その想いが、この人の言葉、態度からすごく伝わってくる。
 
このキャンプ場のオーナーから発せられるものもそれと同じなのだ。
 
それは、釣り堀から始まったこの場所がどうやって大きくなってきたのか、そのストーリーを聞くとよくわかる。
 
冬になれば、それなりに雪が積もる東北の山の上。
しかし、この釣り堀は冬でもやっている。そして、多くのお客様が来る。
 
寒い中、ご飯を食べる時は、自分の車に戻って、車内で食べる。
車内に置いてあるお弁当は、凍る寸前ぐらいまで冷え切っている。
帰る時は、エンジンをかけて、車内が暖まるのを待って帰っていく。
そんなお客様を見ている時に、せめて、暖かいところで、温かいご飯を食べてもらいたい。
そんな思いがもたげてきた。
早速に、小屋を作り始める。
ちなみに、このオーナー、建築関係の仕事をしていたわけでもない。全くの素人だ。
自分なりに工夫して作り始める。
小屋にはストーブを入れて、中古の電子レンジとお湯とインスタントコーヒーを用意した。
身体の暖まりと一緒に心まで暖まっている。そんなお客様の喜んだ顔が見えた。
 
ある時、お客さんに「明日も釣り来るから、帰るのが面倒なので、その辺に泊まらせてくれないか?」と言われた。
それをきっかけに、ゆっくり泊まれるように、キャンプができるようように芝生を敷いて整備した。
また、お客さんが喜んでくれた。キャンプ目当てに、関東からもわざわざ人が来てくれるようになった。
 
キャンプに来た子供に、ニジマスの掴み取りをさせた。そのニジマスを捌いてバーベキューができるような場所を作った。
子供が魚を捌く体験を通して、命の尊さを学べるように、捌き方の写真を貼ってみた。
ここでは、命の尊さを語り合う親子の時間が生まれた。
 
そうなんだ。
この社長の夢は、「お客さんが喜んでくれることの追求」なんだ。
もちろん、商売だから利益は追求している。
しかし、「儲かることをやる」が先ではない。
「お客様が喜ぶことをやる」が先にある。それがいつも先で、「どう利益を出すのか?」を後追いで考えていく。
 
その姿勢にあるのは、「愛」しかない。
お客様を喜ばす「愛」。
 
この心に僕は惹きつけられる。いや、僕だけではない。多くの人が惹きつけられている。だから、ここにはたくさんの人が集まってくる。
 
商売とは儲けるものではなく、人を喜ばせるものだ。その根元にはあるのは、「愛」だ。
愛が表現された結果、利益が生まれる。
そんな商売の原点を教えてくれたような気がした。
 
商売とは愛なのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-06-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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