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漏電して火事を起こさない方法

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:石川サチ子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
漏電しやすくて、火事を起こしやすい性分だった。
大人になって、人間関係や仕事で鍛えられ、漏電もコントロールできるようになったと思っていたが、勘違いだった。
子どもを生んでから、再び漏電しやすくなった。反抗期に突入してからは、毎日のように家の中でボヤや火事騒ぎ。
特に中三の高校受験の時期は、雷が起きてもおかしくないくらい。最近ではコロナによる長期間休校により、漏電が止まらなくなってしまった。
 
私の漏電の原因になるのは、子どもの次のような行動だ。
 
スマホを、無制限にやっている。
YouTubeを何時間も見ている。
夜、遅くまで起きていて、朝は昼過ぎまで寝ている。
食べたものを片付けないで放りっぱなしにしている。
勉強しているフリをして、こっそりテレビを見たり、漫画を読んでいる。
 
元々、勉強が嫌いで、内申点や偏差値が低い。それなのに、高いレベルを狙って、力が及ばないとなると、すぐに投げ出してしまう。努力もせずに楽な方にばかり時間を費やす。
そんな姿を見ていると、漏電してしまうのだ。
 
つい、余計なことを言ってしまう。
 
例えば、
「リンカちゃん(勉強のできる友達)は、スマホなんてやっている時間がもったいないと言って勉強しているのに、何それ?」
「言っていること(高いレベルの学校を目指している)と、やっていることがあまりにもかけ離れすぎている、大丈夫?」
 
私の中では、『やるべきこと(勉強)しなさい』と言うメッセージのつもりなのだが、子どもにとっては、腹立たしく感じているようで、しまいには、耳を塞いで心を閉ざし、貝のようになってしまう。
 
結果、子どもはやる気を失い、何もしなくなる、
 
という負のスパイラルだ。
 
これではいけないと思い、漏電を解決するために他の策を考えた。
それは、漏電したら、子どもに小言を言うのをグッと押さえる目的で、言いたいことをノートにひたすら書きまくるという作戦だ。
 
漏電するたびに、ノートを取り出し、ひたすら、子どもに言いたいことをつらつらと書き殴った。
 
ノートに何でも書いて良いと決めたから、ひどい言葉も制限無く出てきた。
 
「育て方を間違えた」
「生まない方が良かった」
「優秀な子どもがほしかった」
 
母親が吐くべきでは無い、恐ろしい言葉である。
しかし、ノートに吐き出したおかげで、漏電しても、火事にはならずしばらく家の中の平和は保たれていた。
 
しかし、ある日。
 
子どもが、私に面と向かって言った。
 
「お母さん、私なんか、いない方が良かったんだね」
 
「え? そんなこと、なんで言うの?」
 
慌てて否定した。
 
子どもは目に涙を浮かべて言った。
 
「嘘言わないで。知っているから。お母さんのノートを見たから」
 
「ギャー(私の心の中)」
 
その後は、必死に弁解してフォローした。
 
「お母さんは、ロロ(子どもの名前)が、やることもやらないでスマホやったりYouTube見て時間をムダに過ごす姿を見るのがすごく嫌なの」
「その姿を見ていると心配で心配で、つい……(冷や汗)」
 
子どもの心に取り返しのつかない傷を残してしまった。
子どもは私を一生恨むだろう。
 
大変な犯罪を犯してしまった。
 
こういう親が子どもをダメにするのは、子どもを生む前から分かっていた。
私が親に傷つけられて育ったから、子どもが傷つくことは絶対してはいけないと頭では理解していたつもりだった。
 
しかし、私は子どもを生んでも、親としての人格が追いつかず、未熟な親のまま、私が親にされたように子どもを育てていた。
 
子育て検定なんてあったら、何回も落ちまくり、一生資格なんて取れないよなと思う。
 
それでも少し前進もあった。
それは、親になって、ようやく母親の気持ちが痛いほど分かった。
 
私が高校生だった頃の母親も、顔をつきあわせると私を叱った。
 
母親を恨んでいた。自己肯定感が低いのも、自信が無いのも、全部母親のせいにしていた。
 
今なら母親の気持ち、分かる。
 
先日、子どもがボソリと言った。
 
「私は、楽しいからスマホやテレビを見ているだけなのに、なんでお母さんがそこまで怒るの?」
「お母さんが怒るのが分からない」
 
私は冷静になって、なぜスマホを長時間やってはいけないのか、なぜ今勉強しておくべきなのかを蕩々と話して聞かせた。
 
子どもは「知らなかった」と言っていた。
 
話せば分かってもらえるのに、私は一方的だった。
 
私の方からしか見ておらず、子どもの立場になって見ることを怠っていた。
 
片方からでしか見ていなかった。
 
思い通りにならなかったり、期待外れだったり、予期しない出来事に出くわしたとき、私はイライラとしてしまう。このイライラは身体から電気が漏れ出しているように感じるから、つまり漏電だ。
 
イライラと自分のエネルギーを外に放出している間は、片方からしか見ていないということが多々ある。
 
漏電しているなと感じたら、それは片方からしかみていないという証拠なのかもしれない。相手の立場から見てみると私の方からは見えなかった、全く違った風景が見えてくる。
 
これからは、「漏電かな?」と思ったら、相手の立場から見てみるという行動を反射的にできるようになるまでやってみようと思う。
 
 
 
 
***

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2020-06-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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