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毎日の暮らしを賢く、不便に!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:新明 文(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「ホットケーキミックスまだ入荷しないのか……」
5月、コロナウイルス感染症の影響でホットケーキミックスが店頭から消えた。ホットケーキミックスの便利さをご存知だろうか。ホットケーキミックスはさまざまなお菓子にアレンジできる。クッキー、スコーン、クレープ、ドーナツ、ケーキなど、何でも簡単に失敗なく作れる。自粛中の暇つぶしとして、自宅でお菓子やパン作りをする人が増えたため、ホットケーキミックスは品切れの状態となった。
 
「便利さ」といえば、私は「便利ですよ!」という広告に弱い。
「ストレスフリーで便利なグッツ」
「毎日の暮らしを賢く、快適に」
といったような宣伝文句をみると、ワクワクしてしまう。
過去に「これ、便利だわー。友達にも教えてあげないと」という成功体験があり、ついついその感覚をまた味わいたくなってしまうのかもしれない。私が友達に口コミした便利なものはたくさんあるが、そのひとつは、ルンバだ。
ルンバはご存知の通り自動で掃除をしてくれる。普通の掃除機では吸わないような小さな塵もブラシでかきとり吸ってくれる。ルンバのダストケースの中に溜まった埃をみてニヤニヤする瞬間が大好きだ。掃除してくれるだけではない。副次的な効果として、私は床の上に物を置く習慣がなくなり、部屋がスッキリした。ルンバは当たり付きのホームランバーアイスのようなものだ。その点でもルンバをオススメしている。
 
しかし、「便利さ」を使いこなせない時もある。
例えば、ハイグレードなオーブンレンジだ。ほったらかしで調理できるといううたい文句に惑わされ購入したが、どうも使いこなせない。加熱水蒸気で調理、自動調理など多機能だが、「おまかせ」にしても思うような料理に仕上がらない。
「お鍋で料理した方が早いやん」
という時がある。カーナビに道案内をおまかせして運転していたらものすごく遠回りさせられていた時のような気分だ。
 
また、「便利」すぎるのではないかと思う時もある。
息子を幼稚園に入学させるため、ある幼稚園の見学に行った時のことだ。説明してくれた先生が園舎のおすすめを教えてくれた。
「ドアは自動でしまります」
「手を洗うときは、手をかざすと自動で流れ止まります」
「歯ブラシは殺菌消毒ケースで保管します」
 
一瞬、間違って介護施設に見学に来たのかと思った。
 
「幼稚園のドアが自動でしまるなら、家のドアはしめてくれないだろうな」
「蛇口をひねらないので握力が落ちている子どもが増えているって言っていたけど、そういうことか」
「菌を体内にいれて免疫をつけるということも、人間が育てなければならない力のひとつなのではないかな」
私は先述の通り「便利」が大好きだ。なぜかというと時間や労力を節約できるからだ。でも成長過程にいる息子が「便利」な生活をするのはどうも違う気がする。頭も体も使わないと成長しない。
また、本当に「便利」なのは大人なのではないかと思う。
「ドア閉めてね」
「お水とめてね」
と繰り返し言わなくてもいい。
細菌が体内に入らないから、幼稚園をお休みしなくても済むので、親の生活に影響がでない。仕事や家事に専念できる。
確かに毎日の暮らしを賢く、快適にしている。
 
でも、「便利」ということをもう一度考え直さなければならない、と思う。
私たちは、仕事や学校に忙しく、根本的な生活をする余裕がない。時間をかける余裕がない。だから「便利」なものに惹かれるのだ。生産性があがり仕事や勉強に力を発揮できる。
でも立ち止まって考えてみると、ゴールばかりを見ていて、ゴールまでの道のりを省いていないだろうか。「便利」は先人たちが用意してくれた「ゴール」だ。先人たちがゴールにたどり着くまでに苦労したことや時間がかかったことを省いてくれている。でもそれが逆に成長を妨げたり、結果、遠回りをすることになってしまっていないだろうか。
 
ホットケーキミックスの原材料を見てみると、「小麦粉・砂糖、ぶどう糖、植物油脂、食塩、ベーキングパウダー、乳化剤、香料、着色料」となっている。でもホットケーキミックスは実は簡単に作ることができる。小麦粉・ベーキングパウダー・重曹・砂糖・塩を混ぜればいいだけだ。いくつものスーパーをハシゴして探すより、粉を調合するほうが早い。砂糖や塩の量を変えてみたり、バターやオリーブオイルを入れてみたりして自分好みのホットケーキを作ることもできる。少し頭を使って考えると、自分で「ゴール」にたどり着ける。市販のホットケーキミックスを使うより何倍もおいしい。
 
私は海のそばに住んでいる。砂浜にいくと、砂に砕かれた発泡スチロールのツブツブが混ざっている。砂から発泡スチロールのツブツブを取り除くには何年もかかりそうだ。砂浜でさえそうなのだから、海の中はどうなっているのだろう。
私たちはとんでもなく遠回りをしていないだろうか。
役に立たないカーナビに運命を託すのではなく、立ち止まって自分で考えてみよう。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-06-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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